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短歌 萌芽 十首

ともし火の揺れるほうへと進んだらあなたが飾ってある植物園

たどり着く場所に双葉が生えていて間違いないと確信をする

手のひらの上で踊った枯葉ならつい先だって地球になった

あなたたちいつか地獄へ堕ちるわよ スパティフィラムをいじめたから

嬉しいと芽吹く仕組みの虚しさは悲しみとセットでとても嬉しい

最終の電車にて帰る平日の憂さを吸い取るアパートの草

思い出は美化されてなお匂ってる調布あたりのアカネを思え

走らせた鼓動の分だけ許されるそんな季節はすでに過ぎてる

偶さかに出会った子らを天使とし過ぎた日々たちに手を振る子

囁きは優しさとして今もなお許されぬ傷に冬の芽を見る

#note短歌部 #短歌 #文縁の友

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