短歌 葛藤 十首
僕たちはひとつの命にはなれない 思う存分絶望していい
人格を分裂させてみたけれど現実からは逃れられない
趣味は本を読むこと書くこと破ること 自分探しの旅を笑うな
飛び散ったこころの欠片を集めても決してもとには戻れない
過去の傷は勲章となって主張する お前は何も悪くないよと
傷口に闇を塗り込む作業には孤独が必須とされている夜
君がまだ息をしているそのうちに復讐なんて済ませてしまおう
白湯の味を確かめるように湿らせた舌で何でも紡ぎ出す人
秋の花の名前をいくつ言えますか 君の話はもう聞きたくない
手を伸ばし無様に求めた光でも「ここにいるよ」とあったかいんだ
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