短歌 食卓 十首
その昔勇者と呼ばれていたらしく父は片手で卵を割れる
味噌汁に豆腐を入れるのが珍しいなんて異文化交流だ
一定のリズムでネギを刻んでる 外は曇天 泣き出しそうな
不機嫌な果実を買って帰ったら三割引のシールが取れてた
タコ焼きをひっくり返す手さばきに惚れてしまった あたし、アホだね
「愛してる」あーうん、私も。それよりも、早くしないと肉が焦げるよ
完璧な母のレシピに一つだけ難をいうなら完璧なこと
あと一つ 皿に残った唐揚げをけん制し合う食卓が好き
低気圧のせいにしてもいいですか サラダも煮物も味が濃すぎる
凍てついた御心とかしてみせましょう ダッチオーブン発車オーライ
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