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短歌 M 十首

1
一滴の染みを気にする君なのに今宵笑って雨に打たれて

2
ボージョレを飲み下すのど動くたびグラスを割って溺れたくなる

3
許されるために上書きをしてゆく記憶(ずるいだけだよ)

4
塩味を涙の味と言い換えて感動的なポテチ発売

5
Mの字のくるくる笑う街角のどこにでもあるふたりの夕餉

6
点滅をやめないイルミネーションは時限じかけのみふゆの呼吸

7
帰り道渋滞が解けないようにどこかだれかの事故を願った

8
またMの字が現れてこの街もあの街ももう支配している

9
キスのあとごめんと言うなときめきを謝罪対象にしてくれるな

10
本気なら本気で返す体温も迷いも意地もその左手も

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