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短歌 HOME(葛藤)十首

ララバイはいびつに響き泣きわめく赤児の声にときめく女

手料理は美味しいことになっていて残すと母が歌いだす居間

目の前で刻まれてゆく玉ねぎのせいにして涙を流している

君が横にいないとよく眠れない 夢を見るかはまた別として

新世界とやらが安く売られてて呼吸ができるかとても不安だ

遊びだと思ってました こうやって心の内を見せ合うことは

泣きそうな染みを見上げてこみ上げる笑いをずっと嚙み殺してる

テーブルの隅に置かれた人形は通電すると走り出します

食卓に愛などないと数学者が怯えて差し出すフォークに君

失って初めて気づくものがある みんな通ったはずの胎盤

#短歌 #note短歌部 #文縁の友

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