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短歌 うとと 十首

1
まだふたり吹かれていたい小夜風に互いの鼓動凪がないように

2
花びらはいずれ散るために涙は必ず乾くために流れる

3
ドーナツに穴があいていなかったらわたしたち出逢えてないよ、絶対

4
スキップが下手なきみには生きるのが下手なわたしがよく似合ってる

5
ラジオからきこえたきみのSOS 奇遇ねわたしも地球出身

6
エコバッグからはみ出した長ねぎが全人類に抵抗している

7
疵物の林檎を食べる訳ありのふたりが暮らす安いアパート

8
また枝毛見つけてしまい絶望はハンドミラーの横に置かれる

9
流行に疎くうとうと生きてても烏兎匆匆は漢字で書ける

10
発車ベル微かに聞こえる部屋に住み散らし続けるひとりのことば

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