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【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

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心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。
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2019年6月の記事一覧

短歌 赤血球 十首

短歌 赤血球 十首

醜さの喩えに使うためだけに私に合鍵なんてくれたの

私たち一緒の部屋で呼吸することさえ今や疑っている

なにもかもどうでもいいと言うのならその指輪から外してみてよ

骨として去っていく者 「思い出」と「平等」の意を辞書で調べろ

幸せになれという命令形が今も私に不幸を強いる

傘を持つ右手はずっと震えてた 左手と虚無だけが味方で

疑えば疑うほどに遠ざかる私がずっと求めたほんとう

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短歌 青春 十首

短歌 青春 十首

輝きを強制される僕たちは合言葉まで上書きされる

苦しいと笑ってしまう癖なのに礼賛されて真似までされて

風を受け微笑んだこと馬鹿にされいつの間にやら馬鹿にする側

真剣な悩みを友に打ち明けた 友であったと誤認していた

声なんてもう出せないよ 沈黙がカネなんでしょう ネットに載ってた

はみ出せばその部分から削がれるし痛い思いはあの子でじゅうぶん

心など冷たい方がいいん

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