2022年5月10日
今日のココ日(ココルーム日記)
明日は釜ヶ崎芸術大学の講座「カマン!夜回り」があるので、そのために釜ヶ崎のオッチャンと今日からインターンとして釜芸に来てくれたミクちゃんが丁寧にお米をといでくれた。
釜芸で行う夜回りは、いわゆる一般的なイメージの夜回りとは違っている。
おにぎりを作ってお茶とお菓子を用意して手紙を書いて、そして夜に声がけをしながら路上生活をする人たちにそれらを配るのだから、社会貢献の文脈で捉えられることもあるのだけれど、それはココルームが運営する釜芸の本来の目的ではない。
釜芸の夜回りは、例えば、路上で寝ているオッチャンに対して助けの手を差し伸べることもできず、かと言って無視することもできずに、緊張のあまり声すらかけられないまま、寝ているオッチャンの横に黙っておにぎりを置いてきてしまった自分と自分自身がどう向き合うのか、を問われる時間だと考えている。
だからこそそれは釜芸の講座であって、人助けのためのボランティアではないのだろう。
先日、路上生活をしているオッチャンがわざわざ釜芸まで来て、「いつもおにぎりありがとう。ここのおにぎり美味しいからね、またお願いします」とお礼を言って行った。
それは確かに嬉しいことだ。
だがココルームとして書いておきたいのは、ボクたちは良いことをしようとして夜回りをやっているのではないということ。
他者という存在と自分が正直に出会うことで立ち現れてくる新たな自分と出会い直し続けることが、自身と他者への尊厳を育む道なのではないか。
そう思いながら、ボクたちはおにぎりを握るのだ。
(書いた人:テンギョー)
現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています