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2022年5月11日②

今日のココ日(ココルーム日記)
ココルームは釜ヶ崎芸術大学として2014年のヨコハマトリエンナーレに招聘されている。
今日久しぶりにお酒を飲みに来てくれた釜ヶ崎のオッチャン、通称タダさんはそのヨコトリに釜ヶ崎から参加していたメンバーのひとり。
ボランティアに来ていたカズオちゃんも、タダさんと一緒にヨコトリで釜芸の狂言に出演している。
最近ココルームがヨコトリに出た時の記録動画がDVDに焼かれてあったのを発見していたので、せっかくだから一緒に観ようと2人を誘った。
画面は横浜に向けて大移動する釜ヶ崎のオッチャンたちのシーンから始まる。
「あぁ、Aさんやわぁ。懐かしいわぁ!」とカズオちゃんが声を上げる。
「Aさん亡くなったからねぇ」とタダさんが続ける。
画面は横浜入りしたオッチャンたちが会場周辺で散歩しているシーンに切り変わる。
「あー、Bさん!おかえり〜」とパソコンの画面に向かって手を振るカズオちゃん。
「Bさんも亡くなったからねぇ」とタダさんが呟く。
画面は会場の中に移り、狂言や笑劇場のリハーサルへ。
「わぁ、Cさーん!」またまたカズオちゃんが手を振る。
「もしかして、、」ボクはタダさんの方を見やる。
「この人も亡くなった」タダさんが答える。
やっぱりー!
映像に出てくる人出てくる人みんな死んでるやーん!
そんな懐かしい面々に久しぶりに出会えて2人とも感慨深そうだった。
「この人なかなかセリフ覚えられんでねぇ」
そう言いながら微笑むタダさん。
「これ楽しかったわぁ」
カズオちゃんも嬉しそうだ。
亡くなった人も生き残っている人も、今も何かを媒介にしながらその関係を続けているのかもしれない。
釜芸では媒介はアートだったり、はたまた別の何かだったり。
今日は釜ヶ崎のオッチャンたちの生き死にが大した壁も溝もなく地続きであることを改めて感じることができて嬉しかった。
(書いた人:テンギョー)

現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています