サーファーコブラツイスト

私的プロレス技名鑑⑭コブラツイスト

今回は古典的プロレス技であるコブラツイストです。日本名はアバラ折り、英語圏ではアブドミナル・ストレッチ(Abdominal Stretch)またはグレイプヴァイン(Grapevine)と呼ばれています。

名前の由来は、相手の身体に自身の手足をブドウの蔓のように捲きつかせるためといわれます。ただし、英語圏では卍固めもグレイヴヴァインと呼ぶことがあります。卍固めもコブラツイストの系譜にある技なんで、間違いではないんですが。

背後から相手の左足に自分の左足をから最後までめるようにフックさせ、相手の右腕の下を経由して自分の左腕を首の後ろに巻きつけ、背筋を伸ばすように伸び上がります。両手をクラッチするとさらに威力が増す技です。

ジャンボ鶴田さんは「拷問コブラ」という派生技を開発しています。腰を押し込んだり、頭を押し込んだりしてコブラツイストを決めていました。

鶴田さんの師匠であるジャイアント馬場さんのコブラツイストが、腕を決めて身体を起こす形だったため、それが変形した可能性が高いと思われます。

コブラツイストは、背の高い選手が自身より背の低い選手を相手にした場合に有効、というイメージは、鶴田さんと、馬場さんによる功績が大ではないか、と私は考えてます。

コブラツイストの創始者はベネズエラ出身レスラーのサイクロン・アナヤで、アナヤズ・ストレッチの名称で使用していました。アナヤはかの鉄人ルー・テーズからギブアップを奪った実績を持っています。

日本人レスラーで最初にコブラツイストを使用したのは吉原功さん(のちの国際プロレス社長)ですが、一時期のアントニオ猪木さんがフィニッシュ・ホールドにして有名になりました。

「アントニオ猪木といえばコブラツイスト」とも言われていましたが、時を経て、コブラツイストを多くのレスラーが使用していきました。

特に長身のジャイアント馬場さんが使用したこともあって、猪木さんはフィニッシャーに、コブラツイストの進化系である卍固めを用いるようになったといいます。

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このあたりに馬場さんの余裕と、猪木さんの馬場さんへのライバル心がみてとれますね。


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名前の由来

両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。