私的MOVIEキャラクター烈伝④レイヴェン（ストリート・オブ・ファイヤー）

今回は映画「ストリート・オブ・ファイヤー」の敵役であるレイヴェンのご紹介です。レイヴェンというのは、人気ロック歌手、エレン・エイムの地元での凱旋ライブ中に、エレンを拉致したストリートギャング“ボンバーズ”のボスです。

拉致冒頭のライブシーン「Nowhere Fast」が流れているシーンの終盤、暗がりから段々とレイヴェンの顔が明らかになる登場は、非常に印象深いです。

暗闇から現れたその顔は決して瞬きをせず、異様な眼差しで、狡猾な蛇のような表情をしています。出てきただけで圧倒的強さ、ヤバさが伺えます。この映画が成功した要因の大きな一つだともいえると思います。

あの髪型といいあの服装といい別格に位置にいるキャラクターです。演じたウィレム・デフォーの力量発揮といえるでしょう。

この頃からすでに素晴らしいほどの演技派であることが見ていて良く分かります。やはり芝居の出来る俳優が悪党をするとこれほどの存在感が出るものなのなんですねえ。

先ほどご紹介したライブ会場で暗闇の中から表情がちらっと写し出されるオープニング・シーンを始め、炎の中から現れてトムに復讐を誓い去って行くシーン、さらにはエアホーンで暴走族の仲間を呼び集めるシーンといいこの存在感は並みではありません。

また、ラストバトルでのゴムのようにぐにゃぐにゃに歪む顔になってやられてしまうあたりも非常に魅力的です。

ちなみに「ストリート・オブ・ファイヤー」の全ての衣装デザインはマリリン・ヴァンスとジョルジオ・アルマーニが担当しています。レイヴェンのレザー・ファッションは今見てもしびれるほど格好いいですね。