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パニック障害の私がやってきたこと。小さな勇気の積み重ね

私がパニック障害になった当時に書いていたものをまとめました。
こうすると良いよ!というものではありません。あくまで私自身が試したことの一部として見て頂けると有難いです。
少しでもヒントになるものがあれば嬉しいな、なかったらゴメンナサイ🙏という気持ちで残します。

▽きっかけはこちら


「車と空間」が怖くなった私はなんとか日常生活を送れるように改善へ向けて挑戦を続けるものの、最初はうまくいかない事だらけでした。



車以外にも恐怖心、空間から人混みまで

  • 閉鎖された空間(車・会議室・参観日など)

  • 美容院・映画館・歯医者

  • 開放的な場所でも、運動会やショッピングモールなど人が密集するところ


普通の生活をしていた頃に比べると、苦手な場所だらけになってしまいました。診断当初は、外へ出ること自体が怖いので引きこもりがちに。でも身内はそんな私を見て「子供も小さいし、どうにかしないと」と、「大丈夫なんだからということを認識させたい」がために、”半ば強引に連れだす戦法”が多発。良かった面、キツかった面、両方あります。

協力的だったとは思いますが、やはり恐怖心を完全に理解してもらえない辛さを感じること、本当に仕方のないことなのですが、病院でも説明を受けて脳の誤作動なんだよ、と言われてもこんなに苦しいのに、こんなに怖いのに分からないでしょと思っていました。


行きたくない



予告なしで「さっ〇〇に出かけよう!」と誘われ、「えー待って待って...」→乗車→発作という流れ。途中で嘔吐し、辿り着けず引き返したこともありました。このあたりは「もうやめてぇ」状態だったので、私の様子を見て最初は5分の場所、10分の場所、15分・・・と少しずつ距離を伸ばして、尚且つ慣れている生活圏内からやり直しました。

たくさんの休憩を挟みながら、瀕死状態で辿り着けることが増えていき、「やった...!着いた...!」と少しずつ自信にも繋がっていきました。もちろん薬も飲みながらです。今思えば自分だけじゃなかなか外に出なかったと思うので、感謝もしています。ですが当時は「また連れてかれるかも」「自分のことを想って付き合ってくれてる」という間でジレンマもありました。特に山道はとても怖くて漏らすかと思うほど…。


おまけ要素が追加。過敏性腸症候群、心因性頻尿

また発作が起きたらどうしようという不安と恐怖とともに、”トイレ”を常に気にしてしまう状態にも陥ってました。何か行事があれば数週間前から心配眠れず。当日はどれだけギリギリで事前に済ませておいてもすぐにトイレに行きたくなり、お腹がギュルギュルにゆるむ。命の危険は無いのだと頭で分かっていても「逃げられない」状況が無理。そもそも、何からも逃げなくて良いのだけど。

子供の行事はまさに<自分の中>では命がけレベル。大げさでもなく、参観日でも他のママたちが楽しく談笑する中で私は隅っこで冷や汗ダラダラ、心臓バクバク、吐き気で顔白い。何かに掴まっていないと倒れそう。内容もよく覚えていないけど「行ってあげなきゃ」という気持ちだけで何とか向かっていました。結局、途中で限界を感じて、母親に「タスケテ」とLINEして途中交代してもらったこともありました。

ギブアップ


診断から1年近くが経った頃、距離がなかなか伸ばせず、相変わらず不安に駆られる私に転機が訪れました。

予想外の言葉をかけられる

長年の2人の友人と私の3人で話してたときのこと。最近どうなの?という話題から私はパニック障害を患った経緯を話しました。

そもそも渋滞の時も出しちゃえば良かったんだよ
なんで漏らしたらいけないと思うの?


ん・・・?
神妙な面持ちで話した私は思わず、
「え?(笑)」

と笑ってしまいました。だってそんなの大人なのに漏らしたらダメでしょ~と言うと「生理現象なんだから仕方ないじゃない。」「もしや今もそうなっちゃいけないと思ってない?」

「え、思ってる」


そりゃあ思うでしょ...?


「ぶっかけてやるくらいに思っときなよ!」とイジりだす始末。あまりにもくだらないことばかり言うので、自分も "私が悩んでたことってなんなんだ?" と思わず拍子抜けして笑ってしまいました。

隠れた優しさ

ここで終わってたらただのデリカシーのない人達なんですがそうではなく…

気負い過ぎて、”失敗してはいけない”って思わなくて良いんだよ 
失敗してこそ次の目標ができるかもよ

それが伝えたいことでした。私からしたら目からウロコ。トイレの我慢から始まったことが関係あるのか、吐き気以外に頻繁に尿意も感じ、トイレのある場所を通り過ぎると動悸がします。その時までにも事情を話した人はいて、親身になって聞いてくれましたが、笑い話に変えられるのは初めてのこと。(そりゃなかなかいないかも)

話し終わったあとに、沢山笑ってなんだか物凄く気持ちがスッキリ。そして自分でも気づいていなかった「失敗したらだめだ」という感情がそもそも余計に不安を煽って膨張させてたのかもしれないと思うようになりました。

科学的?に「これはこうであって、だからそれは脳の誤解で・・・云々」という話でもなく、「気持ちをしっかり持て」的なメンタルごり押しでもなく、少し気の抜けた笑い話にして、開き直って挑戦して、それで失敗してもいいんだという話の方がその時の私にはスーッと入ったんです。失敗したら「こんな風になっちゃてさ~」と次の話のネタにしようぐらいにまで思えるようになりました。


少し気持ちに変化が


とにかくやったこと

ここから、それまでの自分より吹っ切れた私やってきたことです。

ここに記したことに加え、「それでも失敗したらそれは仕方ない、次へのステップにしよう」と少しずつ考えが変化していきました。吐いても漏らしても死ぬわけじゃなし、過呼吸もいつかは落ち着く、と。事前に薬を服用し、以下のことようなことをしてきました。(多すぎて全部は載せれませんが)

<※できる場所が限定されるものもあります>

  • 楽な服を着用する。パジャマみたいなのでも良し。

  • 乗車中に苦しく感じたらブラ外す。締め付け感がダメ。外に出る前に戻せばOK。

  • 車には携帯トイレ常備、吐く時用の袋と抗不安薬は常に持ち歩く。

  • 日中はサングラス。午前中のお出かけよりは夕方か夜が楽(混んでないし)買い物は昼間じゃなくても、行ける時に行く。

  • イヤホンで好きな音楽を聴く(運転時は危ないので、代わりに大音量で歌う)

  • 生理じゃなくてもナプキンつけとく。替えのパンツも持ってく。着替えも入れとく。

  • 車の車間距離はたっぷり空け、 混雑発生時にいつでもUターンできるスペース作っておく。(一方通行の工事してる時は、大幅迂回で回避)

  • 子供の行事のときは一番後ろの出口付近確保。近くで見たい気持ちがあっても、その場に行けてるだけでも良しとする。

  • そわそわがきそうな気配がしたら言葉に出す→「あっくるかもくるかもーやばいかも」一緒にいる相手に気を遣って一人で我慢しているとそのまま発作になる可能性が高い


どうしても外せない予定に関しては、介護用オムツを着用。そうしないと行けない場所もありました。不快に思われたらすみません。でも自分の中のプライドを捨てたら前に進めたという事実です。この期に及んで見栄を張るわけでもないですが…不思議なことに実際に漏らしたことはないんです。安心材料を片っ端から集め、それがお守りがわりになっていた感じです。

そんな私も、「なんでそこまでしなきゃ私は何もできないんだろう」と自尊心も急降下したりもしましたが、「子供と一緒に出掛けたい、行事に参加してあげたい」、「元の生活に近づけたい」ことを最大のエネルギー源として自分を奮い立たせました。今思えば、思いつくことをひたすらやってみて恐怖に立ち向かった自分を褒めたい気持ちです。


最低限のことだけ

生活に必要なこと(車や子供の行事)などに関しては少しずつ挑戦していきましたが、電車は今でも乗っていません。今のところ挑戦する気もありません。(田舎なので乗る機会が無いのもあります)
恐怖の対象を避けることで更に悪化する<予期不安が大きくなる>という記事も見たことがありますが「わざわざ発作を起こす可能性がある場面に向かいたくない」のが私の本音でした。なので、避けれることは避け、日常生活に必要なことにチャレンジ。日常生活を取り戻すことを目標にして、今のところそこには概ねは達しています。

一時は本気でキャンピングカーの購入まで考えるほど悩んでいましたが(そんなお金ない)、高速道路にも乗ることも出来ました。最初は1区間だけ、そこから少しずつ距離を伸ばしました。そうして少しずつ「できた」「大丈夫だった」を積み重ね、最初の頃は発作もあったものの、少しずつ発作が起きることが少なくなり、やがて薬の量も減っていき、日常的には飲まず、心配なときにだけ服用するというふうに緩和していきました。万が一、発作が起きてしまったときは、すぐに薬を服用しその場で暫く休みます。


何がきっかけになるか分からない

まさか笑い話から意欲が湧くとも自分でも思ってなかったです。ただ私のその時にすごく刺さっただけで、信頼関係があり、 「失敗を恐れなくて大丈夫だよ」とエールを送ってくれた友人に感謝しています。もちろん家族を含め、サポートしてくれた人みんなにも。

”不安の原因は予期不安や状況不安が強いため...メカニズムを正しく理解しましょう” 。と、理解はできるんです、、、実際「死なない」というのも、危険は無いというのも。ただあの苦しさと恐ろしさが頭にこびり付いてなかなか切り離せません。そして全てが出来たわけでもなく、出来なかったことも諦めたこともあります。


出来なかったこと

一つ挙げるなら子供の親子遠足(バス)→絶対無理。

断念


これは早々に諦めました。集団+密室+車の最強コンボは想像しただけでも失神してしまうのでは…。これも「可哀想」とも言われましたが、そんなものは私が一番感じてます。行けるものなら行ってあげたかった。この時ばかりは激しく落ち込みましたが、ピンチヒッター(元夫)で交わしました。子供には正直に「ママはバスが乗れなくて、すごく行きたいけど行けないんだ、ごめんね」と言いました。「いいよっ! だいじょーぶ!」と笑って答えてくれた息子にも感謝です。


やれるときに、やってみる

私のしてきたことは

  • 生活に必要な範囲のものに対し、対策をしながら挑戦した

  • 不安はゼロにならないからどうなっても大丈夫な環境を作る努力をした

  • 出来るときに軽い気持ちで挑戦してみる、失敗してもいいって思う。

  • 調子が悪い日は何もしない

  • ハードル上げない。高難易度には挑戦しない。

でした。甘々な設定ですが、実際に当初よりは格段に進歩してきました。克服へ向けての対処、やり方は色々だと思います。状況も環境もそれぞれ違いますし、どれがその人にとって効果があるかも分かりません。ですが、焦らず長い目で見て色んな手段を講じてみるというのは、自分に合うものが見つかるヒントがどこかにあるかもしれないかなという感想です。

パニック障害になって

できる事ならなりたくなかったけど。が本心です(笑)そんな中でも少しずつ受け入れて、今も自分のペースで、自分のやり方で過ごしてます。今も不安は残ってるけど確かに自信はついてきました。完治を目指すならば、もっと積極的にやる選択もありますが今は取りません。今の自分の状態(不眠が続いていたり、メンタル面)でプラスになると考えられないからです。

シングルマザーになってからは 、特に自分と子供だけの場面がほとんどです。一緒に出かけてる時に倒れたらどうしよう…とよぎることもあります。そこは、子供に対しても正直に協力をお願いしてます。(薬はここに入ってるから具合悪くなった渡してね、少し休ませてね。など)ひとつひとつ小さなものから挑戦し乗り越えていく。元の自分に戻れることは無いけど、ちょっとアップデートした新しい自分にはなれているんじゃないかな…そんな希望はあります。

パニック障害になった事で出来ていたことが出来なくなる辛さを知り、同じように苦しむ人たちの気持ちはとても理解できます。少しの「できた」でとてつもない達成感もあります。確実に何も知らなかった頃の自分よりは今の自分の方が人間的に成長できたんじゃないか。

そんな感じで今日ものんびりとした日を過ごせるように、だけどうまくいかない!なんてボヤきながら生きてます。


わたしのパニック記事まとめ


読んでいただき、ありがとうございました。



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