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女性が管理職になるとよい理由 その1

こころのエキスパートが考える、女性が管理職になるとよいと思う理由を書いてみたいと思います。その1は、女性の方が相手の気持ちを察してコミュニケーションを取る能力が高いと考えているからです。

話は、30万年前にさかのぼります。

ホモサピエンスの進化の歴史を考える

進化心理学にサバンナ原則 (1)という言葉があります。

わたし達は、ホモサピエンスという種です。ホモサピエンスは、30万年前くらいにアフリカで発生したとされています。6万年前くらいにアフリカを出た一部が広がっていって、日本に到達したのが5000年前くらいだそうです。

・最も古いホモ・サピエンスと認識できる化石が出てくるのが30万年ほど前になります。
・だいたい6万年前にアフリカ大陸を出た数千人のホモ・サピエンスのグループが、今のアフリカ人以外の人類の先祖であるという考え方、そこは揺らいでいないと思います。

人類学者・篠田謙一

30万年の種の歴史の多くをアフリカのサバンナで暮らしていたわけです。そうすると、わたし達が本質的に持っているものの多くは、その頃に形作られたものと考えるのが自然です。あるいは、そこでの生活に適した性質を持っていたから生き延びることができたと考えられます。

また、ホモサピエンスが生き延びた理由の一つに、群れをなしたことがあげられています。ネアンデルタール人という種がいて、身体も大きく強かったのですが、群れをなさなかったため、絶滅したと考えられています。一方で、ホモサピエンスは身体が小さかったのですが、そのために群れをなしていたことと、生殖能力が高かったことで生き延びたとされています。(2)

サバンナでの暮らし

アフリカのサバンナで暮らしていた、ホモサピエンスの生活に思いを馳せてみましょう。

ホモサピエンスの脳が発達していた理由に、肉食をしていたことがあげられています。豊富なタンパク質や脂肪を摂取することで発達したわけです。

男は、狩りに出て動物を仕留めて持ち帰り、家族に分け与える必要がありました。それは生き死にに関わる活動です。生き延びるためには、論理的思考や判断力も必要だったでしょうし、俊敏な筋肉も必要だったでしょう。

女は、子供を産んで育てるという大切な役目がありました。10ヶ月もの間、お腹に子供を宿して産み育てるわけですから、安全な場所で安心して過ごす必要があります。そうすると、コミュニティを形成して安定的にそれを維持する能力が必要であったと考えられます。そのためには、感情、感覚が発達し、相手の気持ちを察する力も重要だったと考えられます。

上司が気持ちをわかってくれると

ここまで考えると、女性は、人が集まる中で、相手の気持ちを察して、コミュニケーションを取る能力が高いという傾向があることが納得できると思います。

「いざやってみると、それほど大変でもなかったし、よかった」という女性管理職の方の声もお聴きしたことがあります。また、女性管理職の方とお話しすると、人と話すのが好きと言われることが多いですね。

ちょっと想像してみてください。

上司があなたの気持ちをよくわかってくれる場合。そして、上司があなたの気持ちに全然理解を示さない場合。あなたはどちらがより働きやすいですか。仕事に集中できると思いますか。

これが、女性が管理職になるとよいと思う、一つ目の理由です。


参考文献
(1) 進化心理学から考えるホモサピエンス 一万年変化しない価値観
(2) ホモ・サピエンスが繁栄し、ネアンデルタール人が絶滅した「意外な理由」


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