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未来を創る場所、"ここのば" - 不登校の子どもたちへの挑戦

NPO法人ここのば代表理事の百瀬です。ここのばの事業のもう一つの柱である、すべての子どもたちに学びと成長を追求する不登校の子どもたちの居場所の提供事業についてお話ししたいと思います。

まずは、不登校の子どもたちの現状ですが、小中学校における不登校の子どもは約24万人に上り、全生徒数の約2%を占めています。これは私が小学生だった頃の5倍の割合です。中学生に絞り込むと、潜在的な不登校の子どもたちの割合はさらに高く、約13.3%にものぼります。

小・中学校における理由別長期欠席者数の推移
出展:令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
学年別不登校児童生徒数
出展:令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について


しかし、社会の中では「無理して学校に行かせることはない」という意識が広まりつつあります。これは一見子どもの意思を尊重した前向きな変化に見えますが、実は別の問題を生んでいます。それは、不登校の子どもたちが集まれるコミュニティの不足です。そのために、不登校の子どもたちは学校に行けなかったことへの罪悪感や孤独感を増大させています。

学校教育は、国語や算数など認知的な学習の場であるだけでなく、集団生活の中で他者と関わることによって得られる非認知的な学びの場でもあります。オンライン学習の普及により、認知的な学習の機会は確実に増えていますが、非認知的な学びの機会はそれに追いついていません。

この状況に対する一つの答えが、私たち「NPO法人ここのば」です。私たちは、不登校の子どもたちが他者と関わりながら安心して学び、成長できる場所を提供したいと考えています。

「ここのば」では、プログラミングを通じた学びの場を提供します。Scratchによるプログラミング環境とゲームを通じて、子どもたちは自分の居場所を見つけることができます。そして、「ここのば」に来ること自体が目的となり、学校以外のコミュニティに足を踏み入れることができるようになります。
そして勉強や遊びだけでなく、自然の中での活動や地域の人との交流など、様々なプログラムを提供していくことで、子どもたちが自分のペースで、自分の好きなように学び、成長できる場所を提供することが私たちの目的です。

また私たちは保護者にとっても意義のある場を提供します。保護者同士が雑談することで安心感を得られ、自分の子どもを知ることで親としての自己肯定感を持つことができます。さらに、保護者も同じ空間を体験し、情報を得ることができます。

子どもたちが一体感を持ち、達成感を感じ、他者への貢献を実感できる場所。そして保護者が安心感と自己肯定感を得られ、情報を得ることができる場所。それがここのばのバリュープロポジションです。

我々「ここのば」は、大阪市淀川区において不登校の子どもたちが安心して帰れる場所、成長できる場所を提供しています。不登校の子どもたちにとって、「ここのば」が学びと成長を追求する場所となることを願っています。

特定非営利活動法人ここのば 代表理事 百瀬洋介