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中学生の進路指導に関するアンケート結果(中間報告)をまとめました

 中学校の先生方の進路指導に関するアンケートの中間まとめです。アンケートは6月14日まで実施中です!https://forms.gle/mLYG4xH44daxms6r5

中学生の進路指導について感じる課題、困り感、必要なサポートについて、感染拡大以前からと拡大後(現在・休校や分散登校中)に分けてお聞きしました。

*N=41(大阪府29、大阪以外の都道府県12)

1-1 以前から進路指導について困っているかどうかお聞きしました。

    困っている…66%

    困っていない…22%

    わからない…12%  


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1-2 以前から困っていることについて、6項目から3項目を選んでもらいました。

合計はこのようになりました。

(項目)…進路情報について、進路指導の内容方法について、入試制度等について、生徒の成績について、生徒の進路意識について、生徒の生活環境の困難について

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 もっとも選択されたのは、生徒の生活環境の困難について、次いで入試制度等でした。最も少なかったのは、生徒の成績について、でした。

1-3 現在のコロナ下の状況で困っているかどうかお聞きしました。

   困っている…42%

   今後の動きによっては困ると思う…56%

   わからない…2%

   困っていない…0%

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 現在進路指導について困っているという回答は4割を超えています。今後の動きによっては困ると思うという回答とあわせると、実に98%の方が課題を感じているということになります。ちなみに困っていないという回答はゼロでした。

1-4 現在困っていることについて、緊急度が高いことを6項目から3項目を選んでもらいました。

合計はこのようになりました。

(項目)…進路情報にういて、進路指導の内容方法について、入試制度等について、生徒の成績について、生徒の進路意識について、生徒の生活環境の困難について

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 もっとも選ばれたのは、入試制度等について、次いで進路情報についてでした。最も少なかったのは、生徒の進路意識についてでした。以前からの困り感と比べ、全体の傾向が少し違うことがうかがえます。

2 現在進路指導に困っている理由を、10項目について、5段階評価でお聞きしました。

 1…そう思わない   …    5…大変そう思う

(内容)…生徒の特性把握、生徒の学力把握、体験活動や進路学習の不足、生徒の学力不足、生徒のモチベーション不足、進学先情報の不足(教員)、進学先情報の不足(保護者、生徒)、タイミングがわからない、余裕がない、調査書等の取り扱いが分からない

①生徒の特性把握が困難

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 意見が分かれておりますが、回答は中間寄り(1や5の回答がない)でした。特性把握に「やや困っている」と感じる方がほぼ1/3でした。

②生徒の学力把握が困難

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 意見が分かれており、そう思う方とそう思わない方がほぼ同率でいるようです。学力把握について、「困っている、やや困っている」と感じる方が4割くらいでした。

③生徒の体験活動や進路学習が不足している

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 「困っている、やや困っている」方のほうが多くなりました。「非常に困っている」と感じる方が1/4に達しています。生徒の体験活動や進路学習の不足については、かなり困り感が強いといえます。

④生徒の学力が不足している

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 学力不足については、「やや困っている」、「とどちらでもない」、がそれぞれお1/3を占めています。「困っていない、それほど困っていない」と感じる方が1/4ほどいます。

⑤生徒のモチベーションが不足している

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 学力不足にくらべ、「どちらでもない」という回答が増加しています。その分、「困っていない、あまり困っていない」と感じる方が減少しています。「困っている、やや困っている」という回答は、④とほぼ同じ比率です。

⑥高校等進学先の情報を教員が入手しにくい

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 意見が分かれていますが、4割の方が「困っている、やや困っている」と感じており、3割の方が「困っていない、それほど困っていない」と感じているようです。

⑦高校等進学先の情報を生徒・保護者が入手しにくい

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 ⑥に比べ、困っているという回答が2倍以上になっています。「困っている、やや困っている」と感じている方が過半数を占めています。生徒や保護者の情報入手について、かなり困り感が強いといえます。

⑧進路指導のタイミングがわからない

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 意見が分かれましたが、進路指導のタイミングについて、「困っている、やや困っている」と感じる方が4割程度いるようです。

⑨進路指導をする余裕がない

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 意見が分かれましたが、「困っていない、それほど困っていない」と感じている方が5割近くになっています。進路指導をする余裕がないと感じているのは全体の1/3くらいの方のようです。

⑩調査書等の取り扱いがわからない

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 調査書等の取り扱いについて「困っている、やや困っている」という方が5割近くになりました。「困っていない、それほど困っていない」と感じている方が3割ほどでした。


3 今後必要なサポートについてお聞きしました。

 7項目について休校中(分散登校含む)と登校開始後に分けて5段階評価で聞きました。

   1…そう思わない  …   5…大変そう思う

 (項目)…学習の遅れ、心理的な安定、入試情報、体験的な活動、経済的な支援情報、オンライン教材、オンラインシステム

①学習の遅れへのサポート

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休校中(上)、再開後(下)ともにサポートを強く望む方が多いようです。特に休校中については学習の遅れへのサポートが必要と考える方が9割を超えています。

②心理的な安定をはかるためのサポート

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 こちらも休校中(上)、再開後(下)ともにサポートを強く望む方が多いです。特に休校中については、心理的なサポートが大変必要だと思う方が学力サポートにくらべても5ポイント多くなっています。

③入試情報の迅速な提供

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 入試情報の提供については、休校中(上)、再開後(下)問わず大変必要だと感じている方が過半数を超えています。学校再開後でもサポートの必要性はそれほど変わらないようです。一方で2割程度の方は、どちらでもないという回答です。

④体験的な活動や進路学習の不足を補うサポート

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 体験的な活動や進路学習については、休校中(上)、再開後(下)かかわらず8割の方が「大変必要、必要」と感じていることがわかります。再開後でもサポートの必要性はそれほど変わらないようです。

⑤経済的な支援情報提供のサポート

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 経済的な支援情報提供については、再開後(下)のほうが大変必要と感じる方が3ポイント増加しました。休校中、再開後問わず8割以上の方がサポートの必要性を感じているようです。

⑥進路学習のためのオンライン教材のサポート

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 オンライン教材のサポートについては、休校中(上)、再開後(下)ともに7割程度の方が「大変必要、必要」と考えているようです。再開後のほうがややニーズが高いといえます。一方で、「必要ない、それほど必要ない、どちらでもない」という回答も一定数あります(休校中は1/3、再開後は1/4)。

⑦オンライン学習のためのシステムサポート

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 休校中(1)のオンラインシステムサポートは7割以上の方が「大変必要、必要」と考えており、再開後(2)には8割の方が「大変必要、必要」と考えているようです。特に再開後においては、大変必要と考える方が6割を超えています。一方であまり必要ない、必要ない、どちらでもないという回答も一定数あります(休校中は1/4、再開後は1/5)

 今回の調査から、現在、進路指導に関する中学校の先生方の困り感はかなり強く、また必要とされるサポートも多岐にわたるということがわかります。

 自由記述を含めた詳細分析は、アンケートの締め切りを待って、6月中頃に再度お知らせいたします。

 ご協力いただいた方々、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。


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