ひきこもり支援 ~本人と家族は別~ 

 ひきこもり。本人から話を聞く。自分の状況を家族が理解しない。家族の心配ばかり自分に話される。早く自立しろと言われる。家族から紹介された相談機関に話をしても、外に出ること、何かすることを促される。自分の辛さを周りは聞こうとしない。そう話す。
 家族から話を聞く。本人は家族の状況を理解しない。自分の辛さばかりを話す。家族なのだから、協力するのが当たり前。ここは自分の家なのだから、居ても良い。そう言われる。知り合いに紹介され、相談機関に行くと、家族の対応が良くない、本人が動くまで待ちましょうと言われる。家族の辛さを分かってくれない。そう話す。
 両者から話を聞いていて、どう対応すれば良いのか?とても難しい。でも、こんなふうに思う。本人の大変さの話と家族が支える、面倒を見るという話は別のような気がする。本人が大変なのであれば、聞く必要がある。でも、それは本人の大変さであり、本来は家族は関係はない。本人が大変さを話し、その上で家族ができることを伝え、それが難しい、不十分であれば第三者の支援を得ていく。そういう話のような気がする。
 本人と家族がお互いに自身の大変さを話し続けることで、話がおかしくなる。本人と家族が同一、一緒になっている。そもそも、本人と家族は別。別の悩み、大変さを抱えている。どちらが大変かを争い、相手に自身を支えること、自身が楽になることを相手に求めることがおかしいように感じる。
 本人、家族がそれぞれの人生を歩めるようにしていくこと。その状況に話を持っていくことが支援の入り口のような気がする。

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