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『数字の象形』《おとぎばなし》「2」(466文字)

「2」


「2」のかたどりは、曲線部に視点、底辺は境界を示しておる。境界に鏡を置いて「2」の姿を見てみるとよい。ちょうど白鳥が水辺で休んどる姿を想うとよかろう。

水面みなもに映る白鳥の姿があるはずじゃ。このかたどりが「3」につながっていくのじゃ。

話を戻すが、「1」は鏡に映す対象がなかった。だから鏡の役割は果たしておらん。だが、直線が空間の把握と視線を表すとすれば、「1」の視線は、平面的な「」の中に相手の視点を含んでおることになる。

わしらは、その他者の存在に未だ気付いておらんがの。だから「1」の中に「2」を見出すことができずにいるのじゃ。この辺りは折に触れてまた話そう。

「2」の鏡、それから、もう一つの視点が存在するという考え方も「0」と「1」の中に他者の視点があるとしなければ、そもそも考えも及ばなかったじゃろう。

他者の視点は、「己」を形造ることもあれば、「己」を崩すこともある。じゃが、そこに出てくる他者とは、最後まで「我」を見守る「汝」としての姿で、自己を裏切るものではないのじゃ。


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つづく






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