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Chapter 2 霊性の意義 2霊を支える四領域

2. 霊を支える四領域

① spiritual は果たして『霊』か?

前回 Chapter 1 では、『霊』を支える『底力』が『魂』であるとご説明しました。『霊』を支える『魂』を分かりやすく英語表記で四つの領域として示すことができます。

① mental

② physical

③ emotional

④ spiritual

の四つです。

当然、mental精神を主体とする『魂』の領域を表現していますし、physical身体を主体とした領域、emotional情動や感情を主体とした領域を表現することができます。そしてspiritual『霊』に関する『魂』そのものの領域ということになります。

この組み合わせについては、様々なご意見があるかもしれませんが、ここで四つの『魂』領域を掲げたのは、英語の『音』、つまり『phonetic』な面をお考え戴きたかったからです。

この後すぐにご説明しますが、日本の文字、特に漢字は『vidualistic』で象形的な表意文字を示します。しかし、アルファベットは象形ではなく、『音』が主体の表音文字です。

後ほど、『西洋的霊性』と『東洋的霊性』の違いについて触れることに致しますが、『西洋』と『東洋』では『霊性』の表現の仕方に違いがあると考えています。

『言葉』が『霊性』に関与するならば、言語活動や言語体系自体が『霊性』に関与しないはずがありません。

少なくとも『西洋』と『東洋』では、『読む』、『書く』、『聞く』、『話す』、すべての言語的認識が異なっていることはご承知いただけると思います。

これだけ異なる言語体系を持っている『東洋』と『西洋』であれば、当然『霊性』の見立てにも違いがあると考えるのが当たりまえです。

だからこそ、前回お示ししたように、日本WHO協会はspiritualの訳に戸惑いを感じているのだと思います。

そこで、今回の後半と次回で、言語体系や両文化の対比などから『霊性』の違いを見て参りたいと思います。


② 接尾辞「-al」の世界

お話をもとに戻しましょう。

では、上に掲げた英語の接尾辞「‐al」を持つ語彙は、一般的には形容詞や名詞的な用法になり日本語に意訳すると、

①mental→精神的

②physical→身体的

③emotional→情動的

④spiritual→霊魂的

ということになります。

さて、ここで、この接尾辞「‐al」の「アル」という『音』に注目します。

もともとはラテン語 -alis が由来とされ、この基本的意訳は「性質」に関与しており本来は「~性」という意味に近くなります。

ですから、これらの『底力』領域に示される「-al」は「性」に関係してくると言えそうです。

「性」という文字は、立心偏に生と書きます。これを見てお分かりのように、「性」には心を生かすようにさせる「心意」があります。

『常用字解』によれば、『生は草の生え出る形。人が本来心のうちに備えている感性や心情を性といい、「さが、たち、うまれつき」の意味に用いる』とされています。

このように、性質、性格、などの気質や素質、要素の方向を示すときに使用されますし、性能はモノの『本性』に対する『能力』を問う時にも使われます。そして特に、安定性や可能性のように「~性」とすると解釈をやや広げ、確実から不確実の方向へも概念がシフトする働きが生じます。

幅を持たせるという言い方もできますし、あるいは固定感を外すということもできるでしょうか。「性」は、確定の世界から不確定の世界を表現するときにも使われます。

もともと「心」というのは、揺れ動き確定的ではないものです。不確定の代表のようなものが心であり、感情は、さざ波だつこともあれば、大きく波打つ場合や、水を打ったように静まるときもあるでしょう。

その動きに心は逐一影響されるわけです。私たちがドキドキしたり、わくわくするような感覚は、この感情の起伏が不確定なときに生じます。

全く不可能で対処できないとすれば諦めますが、対処できる可能性がある場合は、意欲的にチャレンジする欲求が沸くように、できそうな場合にはこような前向きな心が生じます。ですから「性」という文字は真意として、「心を生かせるか」という潜在的可能性という心意があるのです。

次回は、Chapter 2 霊性の意義 3 こころと『魂』で、このspiritualなお話の続きをして参ります。

※このマガジン『霊性の彼方へ』に連載されている他の記事はこちらから

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