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#6 小言おじさんとの付き合い方 後編


こんにちは。

突然、180日後に部長になることが決まった平社員のココリコです。

前回、職場で負の連鎖を引き起こす、「小言おじさん」について書きました。


今日はその、「小言おじさん」との付き合い方について、私が今まで実践したこと、失敗談と上手くいったことを、お話しようと思います。


失敗談

若かりし頃の私は、「小言おじさん」に遭遇するたびに、心の中でこんな大人になりたくはないなと軽蔑し、機嫌を損ねないように適当に愛想よく接していました。
そして、密かに彼らの異動を願ったものです。

しかしながら、世の中そんなに甘くはありません
そういう面倒な人ほど、簡単には異動してくれないどころか、昇進も降格もせずに、ずーーっとそのポジションに居座ります。
上層部も、下手に知識やノウハウを持ち、ブラックボックス化した彼らの業務に触れるのを拒んでいる風に見えます。

結果、あまり深くは関わらないように、またネチネチ言われる対象にならないように、内心ビクビクしながら彼らの機嫌を取って過ごす羽目に。

その間、知識やノウハウは企業ではなく、彼のブラックボックスに蓄積されていきます。そうして「小言おじさん」の個人的な財産として、彼の立場を護る武器となっていくのです。

後輩社員たちが知識やノウハウを持っていないことで、業務で失敗したり躓くのをみて、「俺に聞きに来れば教えてやったのに「「あの仕事のやり方じゃダメだ」などと毒づく彼に、「だったら最初から、黙って見てないで教えてやれよ」と、イラっとすることもしばしば。

これでは、誰の何の得にもなりやしない

これが、傍観者であり、「小言おじさん」を野放しにして、何の変化ももたらさなかった私の失敗談です。


実践編

ここからは、私が実践していること、とその効果をご紹介したいと思います。

小言おじさんを味方につける

前回のノートで記載した通り、「小言おじさん」は承認欲求が強く、職場の中で認められたい、と強く願っています。それを逆手に取り、とにかく誉めそやしましょう。
と言っても、よくある男性を喜ばせる「さしすせそ」テクニックで、さすがです〜!すご〜い!、、で「小言おじさん」を一時的に喜ばせても、嬉しいのは「小言おじさん」1人ですし、持続性も乏しいため、これでは不十分。

「さしすせそ」と組み合わせて、「小言おじさん」の知識やノウハウを放出させましょう。

「さすが●●さんですね、私には考えも及びません。。ぜひ、××について、教えて頂けませんか?」

関係性によって、もっと砕けたり畏まった言葉を選んでも構いませんが、大事なことは下記の点を漏れなく伝えることです。

・あなたのことを尊敬している
・あなたから学びたい


一般的な「小言おじさん」は、これでだいぶ懐柔できます。そして、実際にこれをやってみると、今まで頑なに隠してきたノウハウを、ホイホイ伝授してくれるようになります。
(もちろん、そこまでの道のりには時間がかかります。一度ではなく、何度も教えを乞う必要があるでしょう。)

最初は、なんで私が面倒くさいじじいの機嫌を取らなきゃいけないのよ、と思うかもしれません。
でも、騙されたと思って、試して欲しい!

なぜなら、これにより転職組の私も、深い知識をたくさん、教えてもらえるようになったからです。
だんだんと信頼関係が生まれると、彼らが個人で抱えていた社外ネットワークも、少しずつ紹介してくれる様になりました。

「小言おじさん」って、誤解を恐れず言うと、素直で可愛い人が多い気がします。

「いい歳して大人気ない!」と思わずに、こちらがお兄さんお姉さんになった気持ちで、上手く接していけば、とても良い関係が築ける可能性があると思います。

「小言おじさん」を活用する

これが出来たら上級者。
「小言おじさん」を味方につけたなら、次はおじさんを自分のキャリアアップのために活用しましょう。
職場の厄介者である「小言おじさん」を味方につけたあなたは、ある意味無敵です。

企画やプレゼンの際には、事前に「小言おじさん」にアドバイスを求め、彼の知識やノウハウ、意見を放出させます。(丁寧にお礼を言ったのちに、本当に必要なところだけ拝借すればOK)

他の方々に発表する際には一言、「小言おじさん」のアドバイスを頂きまして、と添えるのがベターです。これには二つの効果があります。

1. 「小言おじさん」を味方につけ、その知識やノウハウを引き継いでいると周りに印象付ける

2.  皆の前で名前を出すことで、「小言おじさん」の承認欲求を満足させ、自分自身に対しての「小言おじさん」の評価をあげる(=自分の悪口を他で言わせないよう牽制する)

ここで注意しなければいけないのは、自分が「小言おじさん」の一派、と思われ同一視されないようにすることです。

他の方々とのコミュニケーションを疎かにせず、先輩後輩関係なく、他の社員さんからも沢山、アドバイスを頂き学ぶ、という姿勢を貫くことが大切だと考えています。
そうすれば、自然と周りが皆、あなたの味方になってくれると思います。


体験談

最後に、先日あった出来事を紹介して、このトピックを締めたいと思います。

先日、若手社員が手がけた企画がリリースされました。「小言おじさん」は、企画段階では特に何も発言しなかったにも関わらず、リリースされて数週間経ってから、
「あれは良く無いね、伝わらないよね、云々」と、若手社員と私とのランチ中、ネチネチ言い始めました。
「俺の時は云々、最近の若手は云々、」と、面倒くささ前回でブツブツ言い始めたのです。

「あー、また始まったな」と思った私の隣では、
若手社員が「はい、そうですよね〜、間違ったやり方してたと思います〜、次から気をつけます〜」と、とりあえずの相槌をうっています。

私はこの時、若手社員に対して「面倒だから、この場をうまくやり過ごそうとしているな」と感じました。

そこで、ランチ後オフィスにつくや否や、「小言おじさん」に向かって元気にこう言いました。

「先輩、この後少しだけお時間ありますか?ぜひ、●●企画の件、今後のためにどうやったらもっと成功するか、私たちに教えて欲しいです!」

「小言おじさん」は、そんなことになると思わなかったのか、ちょっと面食らっていましたが、「お、おう。。」と言いながら時間を取ってくれました。

この後、結局2時間近く時間を取ることになりましたが、結論から言うと、とても良い時間を持つことができました。

「小言おじさん」は、我々に企画のキーメッセージの決め方や、ブランドイメージとは、と言った知識とノウハウ、今後お付き合いするメディアさんに対する知識と鍵となる人など、彼が持っているものを気前よく分けてくれたのです(!)

結果、若手社員は新たな知見を得ることが出来、私も仕事についての理解を深めることができました。
何より、「小言おじさん」に気分よく知識とノウハウを放出させることができたことは、我ながら快挙だと思っています。笑

彼の言うことが、100%正しいかどうかはさておき、個人として溜め込んでいる、本来企業に蓄積されるべきものを、引き出すことは大切だと思いました。

これをベースに、若手社員も私も、ブラッシュアップされた新たな企画を考えることが可能です。

これは、ほんのささいなひとコマではありますが、若手社員にもこのテクニックを使って、今後も色んなことを吸収して欲しいと思っています。

私自身のノウハウを、自分1人で大切に持っておくのではなく、皆を巻き込んで、皆のノウハウとして育てていくこと、が大切なんじゃないかと、改めて知識やノウハウについて考えるきっかけになりました。

部長拝命まであと170余日。

もっともっと、皆が働きやすい環境をつくるために、数字だけではなく、人にも焦点も当てたマネージャーを目指したい!

そんな気持ちになった出来事でした。

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