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ペアの産業医から学ぶ①

 私はこれまで多くの産業医と仕事をしました。産業医が1人の企業から、多いところでは30人も在籍する企業も。だいたいいつも、産業医とペアで事業所を担当するのですが、ペアを組む産業医のキャラクターは様々で、それぞれの産業医から学んだことはたくさんありました。

資料作成について

 私は新人の頃から健康教育が大好きで、せっせととPowerPoint資料を作成していると、ペアの産業医から『なんのための、誰のための資料なのかを考えてる?自己満足になってない?』と指摘されました。

1.自己満足はNG
 医療職にありがちですが『たくさんの健康情報を伝えたい』と思えば思うほど、文字が多くなり、小さくて見えない図や表ばかりのPowerPointができあがります。もちろん、それでは従業員の心を掴むことはできません。結局こちらの自己満足で終わってしまいます…。
 「自己満足はNG」と指摘してくれた産業医からは、まずは従業員のニーズを聞き、従業員の理解度に合った興味引くような楽しい健康教育をするように、と教えられました。

2.オリジナリティがあること
 また、『他人の資料を加工して使わない方が良い』とも教えられました。ネット検索すれば、たくさんの医療情報や図表データが溢れています。それらを引用することもありますが、ネットで誰でも入手できるような情報ばかりでは従業員の満足度は低い、と指摘されました。資料をつくるときは、従業員の理解度に合わせて「自分の言葉で伝えること」「資料の図や表は見やすくポイント押さえてつくり直すこと」をアドバイスされました。ちょっと面倒ですが、ここで手抜きしないことが重要です。

3.センスの良い資料をつくろう
 医療職が作成するPowerPoint資料を見て「イマイチだな」と感じたことはありませんか?フォント、配色センス、イラスト等々…。私はペアの産業医の健康教育を何度も見学し、センスを磨きました。(詳しい内容はまたの機会に書きます。)
 センスが悪い資料は、結局のところ「読みにくい」「関心が持てない」「ポイントがわかりにくい」と思われてしまいます。これまで勤務した企業では、社内にデザイン部門や営業部門がありました。それらの部署の担当者が作成するPowerPoint資料は非常にセンスが良く、ポイントも分かりやすいので、勉強のために他部署の資料に目を通すこともありました。医療職の資料は、そこまでハイレベルでなくても良いのですが、従業員に興味を持ってもらう必要があるので、ポイントを抑えたセンスの良い、見やすい資料であることが求められます。

このように、資料作成ひとつをとっても、産業医から多くの事を学びました。親切に教えてくれる産業医ばかりではありませんが、産業保健師の仕事を理解し、指導・教育してくれる産業医の存在は大きいと感じています。

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CocokaraCareer 代表 志野恭子
保健師&キャリアコンサルタント

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