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#12 隠し事は退学

私が退院する日に先生と母が話していたことは、これからの私のことだったようです。

私達親子は、昔から隠し事しないという約束があったのですが、このお話は少しの間、母は自分だけの秘密にしていました。

母にとってとてもショックな出来事でもあったし、私に話してしまったら、私が壊れてしまう。
そして、それを母が一緒に立て直す勇気がその時はなかったと言っていました。

私がなぜだ?なぜだ?どF先生に聞いてくる様子に、母がまだ私に病態のことを話せていないと察した先生が、母の代わりとなり説明してくれました。

私が今訪問リハビリとして入ってもらっているけど、いずれは、訪問看護さんが必要になること。

介護用ベッドや自分専用の車椅子の作製、自宅を車椅子が通れるように改装する事が今後予想される。これを全て実費でやるとなると結構な金額になる。
なので、障害者手帳の申請を提案された。
しかし、私は心機能障害で障害者手帳は交付されているため、障害者手帳を持つことに抵抗はありませんでした。
なので、これはOK。

最後は大学のお話。
先生に退学を勧められました。
今後、症状は進行していくと思われることから
「あなたの夢もよく理解しているけど、僕はその夢が叶うとは思えない」
ときっぱりと言われてしまいダメージが大きい。
母もこの話が出来なくて今日まできたらしい。
「夢がなくて、楽しくて大学に通っているなら学業まで口出しはしないけど、心愛さんの場合は、夢のために頑張っている。でも、夢を掴みとれるとは思えない。治る病気なら休学も選択肢だけど、今回は選択肢ではないね」

先生は目を逸らさず事実を伝えてくれたんだと思います。

でも、私は諦められなかった。やってみたかった。

この事を大学の担任に相談したところ
「私は心愛さんが卒業するまで一緒にやるつもりだったけど、本当に無理なのかな?手段はいくらでもあるから。やるならいくらでも応援する。」

この言葉で卒業しようと思え、F先生に卒業するだけでします。と言ったら先生は笑っていました。
先生はどこかで私がこうするかも?と思っていたのかもしれません。

F先生に
「免許を取得するだけで終わりかもしれない。それでも良いかね?」
と痛いところを突かれました。
その通りなのです。
進行が進んでいる私が大学を継続して、免許を取得しても、寝たきりになってしまったら教員にはならない。
でも、免許を取得することが一つのゴールでした。

頑張ってみたかった。

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