アマチュアカメラマンの写真に対する想い

写真への想い

Instagramには星の数ほどの写真が日々投稿されている。
日常の切り取りだったり、動物やモデルさん、綺麗な景色や美味しそうなご飯。
どんな写真でもその写真を撮った人の想いがある。
綺麗だな、可愛いな、美味しそうだな、とか。はたまた奇跡の一瞬だったり。
それぞれの写真の向こう側には色々なストーリーがあるものだって多い。
でもその一枚に行き着くまでの過程を考えて写真を見る人は、残念ながら数にすると少ないだろう。

写真にはスキル・時間・お金がかかっている

今はスマホの写真が本当に綺麗で、カメラ要らないよねって思うこともある。
でもカメラじゃないと撮れない写真があることも確か。
スマホもカメラもピンキリだけど、高価なものには変わりない。
特にフルサイズの一眼レフやレンズは本当に高い。
機材はカメラだけでなく、三脚やバッテリーの他諸々。
撮影地と自宅の往復の交通費(ガソリン代、高速代、駐車場、もしくは公共交通費)、撮影地の入場料が必要なところだってもちろんある。
そしていつ行っても素敵な写真が撮れるわけではなく、行く日時はもちろん天気や自分の都合も考慮しないといけない。
このリサーチは本当に重要で日々意識していないとタイミングを逃す。(特に花風景は数日で状況が変わる)
撮影地で人がいなくなるのを長時間待ったり、暑かったり寒かったりを我慢して撮ることだって日常茶飯事。
写真をガチでやってる人は、一つの撮影地で何百枚と写真を撮るのは当たり前。
たくさんシャッターを切って最高の一枚を撮る。
その一枚は、カメラを買ってすぐに撮れる人なんていないと思う。
みんなたくさん写真を撮ってスキルを磨く。
1日や1週間で出来上がるものではない。
普通なら何年もかかることだ。なんなら出来上がることなんて一生ないのかもしれない。それくらい奥の深い物だと思うから。
そして膨大なデータの中から写真を吟味して、たいていの人はここでレタッチ(お化粧みたいなもの)をする。
レタッチもテクニックが必要だから、たくさん数をこなして学ばなきゃいけない。
講座に参加する人だっているだろう。
インスタに投稿するには、キャプションやタグ付けを考える時間もいる。
こうやってようやく写真を投稿することができる。

インスタは無償商材置き場ではない

SNSがこの世に出るまでは、ポスターなどの商材を作る時に写真が必要だと思ったら、プロのカメラマンに依頼して撮ってもらっていただろう。
それにはもちろんカメラマンに対する料金の支払いが発生する。
当たり前の話。
でもインターネットが普及して、ネット上やSNSにたくさんの画像が溢れている。
プロのカメラマンでなくても、アマチュアのカメラマンが素敵な写真を撮ってSNS上に日々投稿している。
そういう写真を紹介するフィーチャーアカウントというものが存在する。
これは自分の写真を多くの人に知ってもらうチャンスだから、こちら側(撮り手)としても有難い存在だ。
でもそういうのではく、無償で写真を使いたいと思っているアカウントがあるのも事実。
いとも簡単にダウンロードができてしまうのも原因の一つだろう。
例えば、どこかの観光地がポスターやHPを作りたいとする。
本来ならプロカメラマンにお願いして写真を撮って対価を払うところを、インスタで募集をしてその中から良いものを使う。
どうしてこれだと対価が発生しないのだろう?
もちろん中には、きちんと対価(お金)を支払ってくれるところや、それに見合う物を提供してくれるところもある。
でも無償利用を当たり前と思っているアカウントが多くあることが本当に悲しい。
もし、その写真がなんらかの形で利用され使う側に価値があったり、集客のためならその対価は支払われるべきだ。

写真利用される方へ

写真を利用される企業や個人のアカウント様。
ここまで読んでいただけると、写真一枚に対する想いはもちろん「スキル、時間、お金」が詰まっていることを少しはわかっていただけたと思います。
これは私一個人の気持ちではなく、写真と真剣に向き合っている人ならきっと同じ想いだと考えます。
もしあなたが私たちのように想いの詰まった写真を撮った時、それを無償で提供できますか?
プロカメラマンでないアマチュアカメラマンが撮った一枚でも、その写真は「大切な商品」と考えている人もたくさんいます。
お店に入って素敵だなと思う商品を無料で下さいなんて言いませんよね?
それに見合う金額を支払うのが当たり前です。
どうか写真を利用する際は、なんらかの形で報酬を渡し、使用の連絡をしてほしいと思います。
写真に見合った金額で権利と共に写真を渡さない以上、利用の仕方にはこちら側にも権利があると思うので。
写真に加工を施すことができるのは(色味を変える、文字のせ、サイズ変更等)撮影者のみもしくは許可を得た人だけができるはずです。
無償で写真を提供する人がいる以上、SNSが無償商材置き場で無くなることはないだろうけど、こうやって声を上げることは大切だと思うし、見えなかったところを可視化できると思いこのような記事を執筆してみました。
撮り手も作品を使う側もどちらにもメリットがある対等な世界になるように。
それを切に願います。

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