愛のバケツリレー

私が大人になるまで、
間違いなく常に味方でいてくれて、
バケツ一杯の、
際限のない無償の愛を注いでくれた人がいる。

自分の母親である。(以下は"ママ"と書かせてもらう)

いつも味方でいてくれて、
自分の心に、大きな自信をもたらせてくれる。
自分という存在を認めてくれる人がいる。
そしてその人を心の底から信頼することができる。
この事実が、私の心の安定させてくれ、承認欲求を満たしてくれる。

私が大学生で結婚してから、2年が経った。
今でも時間ができれば実家に帰るし、
24歳になったけどママって呼ぶし、
困ったことがあれば旦那よりも先にママに相談したいし、
旅行に行けば、ママに何買おうかな?って思う。

ひとり娘の私。
母1人子1人、という環境で育ったから、
ママに対する愛が普通より重いのかもしれない。
私に、ひとりっ子って寂しくないの?
って言ってくるような人が今までよくいたけれど、
昔から寂しさなんて全く感じたことがなかった。
寧ろ、ママを独り占めできるから、ひとりっ子でよかった!と、昔から本気で思っていた。
それが恵まれてることで、心の隙間はいつもママが埋めてくれていたんだと気付いたのは、大学生になって一人暮らしを始めてからのこと。

自分のことは犠牲にしながら、
やりたいことは全てやらせてくれたママ。
私が育った家は、いわゆるサザエさんのような、お父さんがいて、お母さんがいて、家族兄弟みんな仲良し!
みたいな家庭ではないけど、
それは私にとってなんのハンデにもならなかった。
誰がなんと言おうと、このママの元に生まれたこと自体が、私の財産なのだ。

奨学金も借りず都内の私立音大を卒業させてもらい、
自分の実力以上の経験や学歴は、ママの子供に生まれたから得られたものです。
自分は恵まれてる!って自信を持って言える。

いつも突拍子もない事を言い出すし、
口を出したい場面は今でも沢山あったでしょう。
思えば、今までママはずっと私に賭け続けている。
それなのに今の所、私はかなりの額を注ぎ込んでくれていたママを全く勝たせてあげれていない。
でも、未だに私を信じてくれている。

そんな私は去年から1年弱、心と身体のバランスが大きく崩れてしまい、長らく心の風邪をひいていました。
心と身体のバランスがガタガタで、とにかくしんどい毎日だった。
最近ようやく、先が見えない、真っ暗闇のトンネルから抜け出せたたところです。
この時期も、ママが大きな愛で包み込んでくれました。
(このことは、また別記事にします)

本当は音楽の道で頑張って欲しかっただろう娘は、
今や田舎で専業主婦をしています。
24歳にもなってまだ迷惑をかける娘だし、
買ってくれた高い楽器とドレスはほとんど使わずに終わった。
今、私の実家には一回も着なかったステージドレスと
信じられないくらい綺麗な楽譜(使ってないからね)が沢山並んでます。
最近は、昼間は編み物、夕方は料理をして過ごしています。自分で言うのもなんですが、このご時世、自分って、本当に呑気な人間だなぁ...と思います。
ママにとって今の私は、完全に「想定外の姿」でしょう。
今のままでは、あまりに申し訳ないので、私は必ずママに恩返しをしなければなりません。

私にとって太陽だったママは、
私が2月に母親になったことで太陽から月に変わり、
私が太陽にならなくてはいけない立場になりました。

大丈夫。なんとかなる。

いつも私にこう言ってくれたママ。

いつもこの言葉が私を強くさせてくれた。

あなたが24年かけて、みっちりくれた無償の愛は、
もうバケツから溢れて、入りきらないほどになりました。
このバケツは、私から、2月に生まれた子供に引き渡すからね。

無償の愛のバケツリレーは、まだまだ続く。

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