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やっぱり気のせいじゃない?!「枕が臭うようになった」その理由

こんにちは!COCO.libraryのまなかです!

汗ばむ季節になってきて、最近、自分のニオイが気になる…。
昔と変わらず毎日ちゃんと頭を洗っているのに、家族に「枕が臭い」と言われる…。
頭皮のニオイが消えなくなってきた気がする…。

その体臭の変化、もしかしたら季節のせいじゃないかもしれません。

また、体臭の変化は自分で実感する前に、周囲に気づかれることが多いですよね。
ある調査結果によると、‘‘ニオイ(体臭)がすることで対人評価が「-54点」‘‘になるという結果があり、相手への印象が大きく低下することが分かりました¹⁾。

そこで今回は、体臭の発生メカニズムと抑制方法について解説していきます。
もしかしたら、と不安な方はぜひ最後までお付き合いください。



体臭の変化

「最近、自分の体臭が気になる」という方もいらっしゃるかと思いますが、体臭は年齢を重ねるごとに変化すると言われています。

体臭の変化をお話しする前に、まず、体臭の原因について解説していきます。

体臭の原因は主に、「汗」「皮脂」「皮膚常在菌」です。
汗や皮脂は分泌された直後には、においません。
しかし、時間が経って皮膚上で汗と皮脂が混ざり合ったものが、皮膚常在菌によって代謝されたり酸化されたりすることによってニオイ物質が発生します²⁾。

年齢を重ねるにつれて変化する体臭

どの年代でも常に体臭は発生しています。
変化する代表的な体臭は原因物質ごとに3種類あります。「汗臭」「加齢臭」は聞き馴染みがあるかと思われます。その2つに加え最近では、中年男性から発せられる不快なにおいを「ミドル脂臭」³⁾と名付けられています。
年齢を重ねるにつれて原因物質の組み合わせが変化し、他人が受け取る体臭の印象は変わります。

● 10代~30代前半:
「汗臭」が最も強く感じられ、
徐々にミドル脂臭の存在も強くなったニオイへと変化。
● 30代後半~50代:
「ミドル脂臭」が最も強く感じられる。
徐々に加齢臭の存在感が強くなり、ミドル脂臭、汗臭、加齢臭を併せ持ったニオイへと変化。
● 50代以降   :
「加齢臭」が最も強く感じられる。
徐々にミドル脂臭の存在感が少なくなり、汗臭と加齢臭を併せ持ったニオイへと変化。

図1:年代によるニオイの種類の変化
引用:マンダム、ミドル男性に発生するニオイ成分を特定 -世界初、ミドル脂臭の原因成分「ジアセチル」を独自の手法で解明- フラボノイド含有植物エキスにジアセチル抑制効果, ニュースリリース, mandom, (参照:2024/05/15)¹⁰⁾


体臭の種類

それぞれの体臭の原因物質と特徴について解説していきます。

「汗臭」

新陳代謝が活発な10代半ば~20代半ばに強く感じ、汗をかきやすいワキを中心に発生しやすいと言われ、酸っぱいニオイが特徴です。
汗は全身にかきますが、特にワキを中心にニオイが発生しやすいのは、皮膚に存在する2種類の汗腺が関係しています。
汗腺は、身体全体に分布するエクリン汗腺とワキや陰部などに分布するアポクリン汗腺に分類されます。
エクリン汗腺より分泌されるエクリン汗は99%が水であり、ほとんど無臭です。一方で、アポクリン汗腺より分泌されるアポクリン汗はタンパク質や脂質を多く含み、アポクリン汗や皮脂が皮膚常在菌によって代謝されるためニオイを発生し、体臭の原因となります³⁾。

「ミドル脂臭」

30代半ば~50代半ばで最も強くなり、後頭部・頭頂部・うなじを中心に発生しやすいと言われ、使い古した油のようなニオイが特徴です。
「枕が臭い」原因はミドル脂臭が中心であると思われます。
ミドル脂臭の原因成分「ジアセチル」は、皮脂の代謝産物である中鎖脂肪酸と汗中の乳酸をブドウ球菌が分解・代謝することで発生します³⁾。
頭皮は全身で最も皮脂腺が多く、Tゾーンの3倍あります⁴⁾⁵⁾。
そのため、皮脂量が多い頭皮はニオイが発生しやすいと考えられます。
また、女性よりも男性の方がニオイが強い傾向があり、その理由は、男性の方が女性よりも皮脂量が多い⁶⁾ことが関係していると考えられます。

「加齢臭」

50代以降に最も強くなり、胸や背中などの体幹部を中心に発生しやすいと言われ、青臭さと脂臭さを併せ持つ枯草ようなニオイが特徴です。
加齢臭の原因成分「ノネナール」は、皮脂中の脂肪酸であるパルミトレイン酸が大気中の酸素などにより酸化されることで発生します⁷⁾。


体臭対策

年齢を重ねるにつれて変化する体臭への対策には、同じケア方法では解決しないと思われます。
それぞれの体臭(年齢)に対応したケアをするために、しっかりと洗浄して発生したニオイを無くすこと、消臭アイテムで普段からニオイを発生させないこと、が大切です。
そこで、体臭対策として、年代別の洗浄方法と消臭アイテムについてご紹介します。

発生したニオイを無くす「洗浄方法」

まずは、年代別にニオイを発生しやすいと言われている各部位をしっかり洗うことが大切です。

<年代別に重点的に洗ってほしい部位>
●10代~30代前半:ワキ
●30代後半~50代:後頭部・頭頂部・うなじ
●50代以降:胸や背中


普段からニオイを発生させない「消臭方法とアイテム」

しっかり洗って、発生したニオイを除去・抑制することはとても重要です。
それに加えて、ニオイの元を変換して無臭化するケアによっても、洗浄後に発生したニオイを抑制することができます。
発生したニオイを無臭化する方法は3つ¹¹⁾あります。

1.化学的消臭法
悪臭成分を化学反応によってニオイのない成分に変えてしまう方法です。
化学的消臭法には、いい香りを使ってイヤなニオイを感じないようにする方法であるマスキング消臭(強い香りで悪臭を感じないようにする方法)やペアリング消臭(悪臭をいい香りの一部分として取り込んで、調和した良い香りに変える方法)も含まれます。

化学的消臭法の消臭アイテム(一部紹介)

2.物理的消臭法
悪臭成分を吸い込んで取り去ってしまう方法です。

物理的消臭法の消臭アイテム(一部紹介)

3.生物的消臭法
雑菌が繁殖しないようにして、悪臭の発生を抑える方法です。
生物的消臭法には、抗菌剤を用いて繁殖を抑止する方法と微生物を用いて雑菌を分解して消臭する方法があります。

生物的消臭法の消臭アイテム(一部紹介)


体臭の原因と体臭対策についてご理解いただけましたでしょうか?
最近、自分のニオイが気になるという方は、今まで行っていたニオイ対策を変え、年代に合ったケア方法に切り替えることをおススメします。
洗浄方法や消臭方法をぜひ参考にしてみてくださいね!


これからも皆さんが普段から疑問に思っていることを調査していきますので、これは調べてほしい!ということがあればぜひコメント欄にお願いします。
COCOlibraryが徹底的に検証いたします。

(執筆:まなか)


参考文献)
1)ニオイ(体臭)がすることで対人評価は「-54点」 印象に影響するのは視覚よりも嗅覚!?, 奥田ら, mandom, (参照:2024/05/20)
2)体臭とフレグランス製品, 石田賢哉, BellaPelle, Vol.7, No.2, 122, (2022)
3)Suppression of microbial metabolic pathways inhibits the generation of the human body odor component diacetyl by Staphylococcus spp, Takeshi Hara, PLoS ONE, 9(11), e111833.
4)現代皮膚科学大系第3巻A, 山村雄一ら, p.335, (1982)
5)皮膚(頭皮)を知る, 公益社団法人日本毛髪科学協会, (参照:2024/05/15)
6)男性肌の特徴 —成人男女の肌状態および角層中抗酸化因子の比較—, 鈴木牧人ら, 日本香粧品学会誌, Vol.45, No.3, pp.185–190, (2021) 
7)加齢臭の特徴, 汗とニオイの総研, mandom, (参照:2024/05/17)
8)地域在住中高年男女における性・年齢群別の結成脂肪酸構成比率, 大塚礼ら, 日本栄養・食糧学会誌, 第66巻, 第3号, 147-153, (2013)
9)過酸化脂質の臨床, 五島雄一郎ら, 第19回 日本老年医学会総会, 189, (1978)
10)マンダム、ミドル男性に発生するニオイ成分を特定 -世界初、ミドル脂臭の原因成分「ジアセチル」を独自の手法で解明- フラボノイド含有植物エキスにジアセチル抑制効果, ニュースリリース, mandom, (参照:2024/05/15)
11)消臭剤とその評価法, 重田芳廣ら, 繊維機械学会誌, p.104-112, Vol.40, No.3, (1987)