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子供に寄り添うということ

数ヶ月前の話になりますが、以前、留学をサポートする会社を運営される女性のお話が聞けるという座談会に参加しました。

ざっくばらんにご自身の子育てからお子さんが留学された経緯とその後のお話をして下さいました。



かつて私は留学に憧れていました。

なのでその思いが若干、子供に向いているのを自覚しています。

ただ、コロナや戦争という背景と子供の成長により、以前ほどの強い執着は無くなってきました。

自分の水に合った場所で生きていってくれれば良いなと。

ただ、常に『ワクワク』はしていて欲しいという思いがあります。

留学にはそのワクワクがいっぱい詰まっているなと、お話を聞いて思いました。

若かりし頃の海外旅行の際、拙い英語で会話が出来た時の高揚感、壁を作らない国民性、いちいち客に媚びない店員。

ワクワクしたな〜。


お話の中で特に印象的だったのは、実は留学に関する事よりも、その女性の子供さんへの寄り添い方でした。

当初彼女は留学サポート会社ではなく、経営コンサルタントを経営しており、留学には縁もゆかりも無かったそう。

そこへ彼女の息子さんが高校受験を前に、海外の学校へ行きたいと言ったのがきっかけで、そこから深く留学へと関わっていったそうです。

初めは留学したいという息子さんに賛成は出来なかったそう。

彼女は息子さんに

『決め手は?』

と問い、彼のプレゼンを聞きました。

『ん。わかった』

納得したらもう一切反対はせず、息子さんをサポートされました。
2人でパソコンに向かい、留学のこと、学校の事を一から調べたそうです。

それから息子さんは無事留学をし、そこから社会人になるまで海外での生活をする事になるのですが、その間にも選択しなければいけない分岐点がたくさんありました。

でもその都度彼女は、

『決め手は?』

と問い、その答えに納得すると、決して自分の意向とは違っていても、息子さんをサポートされてきました。

そして彼女の息子さんは、見事会社を立ち上げる程の立派な方へと成長されたのです。

この話を聞いて私が感じたのは、子供をサポートする事は決して甘やかしではなく、いかに子供に寄り添うかだと言う事です。

『自分でやってみなさい』

と親はよく口にしがちですが、それは厳しさではなく突き放しかもしれないと思いました。

そしてその『突き放し』は確実に子供の心にも伝わり、途方に暮れ、彼らのやる気は一気に消滅する事もあるでしょう。

一方、この女性の息子さんは、母親の『寄り添い』によって安心感を得て、ますますやる気が漲り、自信を持って目標に向かうことが出来たのだと思います。

突き放された方は、「その程度でやめてしまうのであれば、それだけのもの。」と言われればそれまでかも知れませんが、せっかくの可能性の芽を易々と摘んでしまう可能性も高く、とても勿体無いと思います。

かく言う私も専ら我が子を突き放してきました。

それは念頭に、寄り添うことが面倒くさいと感じているからです。そして寄り添うことにはとてもパワーが要ります。

それは、子供が夢中になることが必ずしも自分も興味があるとは限らず、はたまた自分からすればとても馬鹿馬鹿しい事だったりもするからです。

『自分でやってみなさい』は、いかに都合のいい言葉でもあるのだと痛感しました。


私はこの女性の『決めては?』を拝借し、この先きっと提示してくれるであろう我が子達の“プレゼン“に備え、彼らのやる気を見過ごすことなくキャッチしたいです。

そして、彼らのワクワクを私も共感したい。

母は覚悟して、待ってるぞ。

そんな日が来ることを楽しみにしながら、

そうだ、まずは自分がワクワクしなきゃ

とも思うのでした。

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