CVP分析 利益計画

令和2年会計士試験短答式試験第1回 管理会計論第10問

今回はCVP分析及び利益計画の問題を扱っていく。
 その前に実務上の話をしたいのだが、私は実務で事業計画を策定するときに、過去の実績データをCVP分析にかけて損益分岐点等を算出して参考に使ったり、経営改善のための施策の数値的なインパクトを検証するときに使ったりしている。そういったときに問題になるのは、試験に出てくる計算ではなく、試験ではあまり問われない固定費と変動費の分類である。
 試験に出てくるCVP計算は決まり切っているので悩むことはあまりない。一方で、現実の勘定科目をどのようにして変動費・固定費に切り分け、分類していくかということの方が遥かに悩ましい。一つの勘定科目についてどこまで細分するか、そもそも細科目に分類されていない場合は大量のデータをどこまで精査するか。事務負担との兼ね合いである程度の割り切りをしたいが、固定費の増減はレバレッジが効いて計画利益を大きくブレさせる。肝心なのは固変分解の方である。

前置きしたところで早速本問に入る。

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 状況設定を確認すると、当期の損益データを前提に次期利益計画を検討している。そのうえで(ア)次期の損益分岐点売上高、(イ)当期の営業利益と比較した次期の増益率 が問われている。

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