おはぎとぼたもち
子供の頃はあんこが大嫌いでした。
そのあんこが好きになったきっかけは「家に食べるものが何も無かったから」。
それは日曜日。お昼の支度を何もしてくれないで、母はパートに行ってしまった。
当時はレンジも無いし、コンビニも無かった。パンもインスタントラーメンも無い。日曜もやってるスーパーは、バスに乗って行かなきゃならない。
何故かたい焼きが1つだけ残っている。前の日に母か父が買って来たものだ。いつもカスタードクリームのたい焼きも買って来てくれるのに、昨日はあんこしか買って来てくれてなくって、私は食べられなかった。
それは私が食べなかったらものならば、私が食べても良いはずのもの。
でも……あんこは……。
空腹がピーク、好きとか嫌いとかの領域を超えていた。
頭から齧ってやったぜ。
美味しいじゃないか。
きっと、私は小さな目を大きく見開いていたと思う「美味しい」って。
こんな切っ掛けで、私はあんこが好きになりました。
ちょっと悲しい想い出でもあります。
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