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電気の市場価格が100倍になってしまっているというヤバい話

日々、いろんなニュースが飛び交って、ざわざわし続けるこの頃ですが、かなりショッキングなことを聞きました。
タイトルの通りなのですが、びっくりしました。
なぜ、ニュースにならない?(なっているのかもしれませんが、テレビも新聞も読まなくなってるので気が付いていないだけかも)

電力不足で、電気の消費を抑えましょう、みたいな記事は最近新聞で目にしていました。
秋田市では氷点下の暴風雪の日に、約6万戸が停電になっていたので、真冬に何を言っているんだと思っていましたが、電力市場と深いかかわりがありそうです。

電力市場と市場価格

電気にも市場があって、市場価格が存在しています。

一般社団法人日本卸電力取引所 Japan Electric Power Exchange(JEPX)というものがあります。

例えば、去年の今頃、どんな相場だったのかを見てみましょう。

Screenshot_2021-01-12 取引情報:スポット市場・時間前市場|JEPX

7.5円/1Kwh 前後で一日の相場が動いていることがわかります。

それでは、今現在の相場を見てみましょう。

Screenshot_2021-01-12 取引情報:スポット市場・時間前市場|JEPX(1)

200円を超えています。衝撃です。
いったい何が起きているのでしょう。
ちなみに、電力相場は、翌日の相場まで決まります。
翌日13日の相場はこんな感じです。

Screenshot_2021-01-12 取引情報:スポット市場・時間前市場|JEPX(2)

時間帯によって、乱高下していますが、上下のタイミングが日によって違っていますね(この理由については、電力事情にそこまで詳しくないためわかりません)。

日付を追ってみていくと、昨年12月上旬までは、安定しています。
中旬以降から乱れてきます。といっても、この時点では、まだ50円~60円を付けるといった状態です。
年末くらいから、一時80円近くを付けるようになり、今年1月6日に100円に近づきます。
徐々に100円を超え始め、この記事を書いている今日12日に200円を付けたというわけです。


一体、何が起こっているの?

一体何が起こっているんだ? ということで原因を検索してみました。

この記事によると、「背景にはLNG(液化天然ガス)など火力発電の燃料供給に関する制約がある」そうです。
難しいことはよくわからないのですが、いろいろな要因によってLNGという液化天然ガスが高騰し、それを基に発電をしている火力発電の値段が上がって、全体の市場価格が高騰しているということになるのでしょうか。

昨年はコロナ渦もあり、電力需要が抑えられていたということで、最低価格では2円台を付けていました。
それに比べると、今は、なんと約100倍になっているのです。

家計の電気代はどうなるの?

これからの電気料金はどうなるのでしょうか。
月8千円の電気料金が、ある日突然80万円になる日が来たらどうしましょう。
そんなの一部の富裕層を除いて、誰も払えません。

電気は、いろいろと難しくて、すべての電力会社が市場価格でやりとりしているわけではありません。
太陽光が広まった2011年以降は、固定価格制でやっていますので、それで発電している会社は、この影響は受けません。
市場価格でやり取りしている会社も、自社で発電している会社は、市場価格で売ることができるため、そこまで影響はないようです(逆にものすごく儲かる会社もあるのだとか)。

影響を受けるのは、自社で発電をしておらず、または、自社発電の割合が低く、市場から電気を調達し、小売りしている電力小売業者です。
これが続くと、つぶれるところがたくさん出てくるのではないかと言われています。

こちらの記事では、高騰分を価格転嫁せず負担することを表明している電力会社があることを伝えています(ということは、価格を上げざるを得ない業者や、耐えきれずつぶれてしまう会社もあるということになります)。


この影響はどこに続く?

電力が、去年の一時期より100倍の値段になっているという異常事態について、今日は記事にしてみました。
如何でしたでしょうか。僕はびっくりです。

電力が高騰しているのには、様々な要因が絡んでいると思います。
様々な要因が、この電力の高騰を引き起こしたということは、当然、この電力の高騰が、この後、別の何かに大きな影響を及ぼすことになります。
ドミノ倒しが始まっているのです。

何事もなければいいのですが、個人的には、コロナ渦で世界中で行った様々な経済施策、大統領選をはじめとする世界情勢の不安定化、そして突如高騰し始めた電力問題、これらは、どこかしら影響し合っているのではないかと感じています。
そして、経済の歪みがどんどん膨れ上がっています。
いつ弾けてしまってもおかしくない、そんな状態が幕を開けたのかもしれません。


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