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フリーランスと業務請負

先日はぽかぽかした陽気で、つい春が待ち遠しくなりました。
1月も終わり、コロナも拡大しておりますが、元気にお過ごしでしょうか?こんにちは!co-ba hiroshima学生スタッフの池田佳穂です。

今日は、1月は最終日31日のランチタイムに行われたオンライン座談会
『ゆるっと法律 table talk vol.1 ~フリーランスと業務請負~』
のイベントレポートをお届けします!

是非ゆるっとご覧ください(^▽^)/♪

 

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『お店を紹介する3分動画作ってもらえる?』

電話口で頼まれた仕事、それ委託ですか?請負ですか?

今回のイベントは、弁護士さんにゆるっと法律を学びながら、お仕事のトラブルを未然に防止してしまおうという新企画のイベント(座談会)です。

知っておかなければ困るのだろうけれど、実はよく知らない、ちゃんと知る機会がなかなかない。
そんな、知っておいて損のない知識を弁護士の先生にゆるっと教えてもらおう!というもの!

記念すべき第1回のテーマは「フリーランスと請負業務」
メディアの変化によって、WEBデザインや動画といったデジタルコンテンツの作成依頼が増えている背景から、第1回はこのテーマとなりました。

当日は、「フリーランス」の業務の受発注について、法的な観点からポイント解説をしてもらいながら、個別の質問に専門家の方に答えていただきました👂


請負契約と委任契約のちがい

まず本題に入る前に、弁護士の下西さんから、『請負契約』と『委任契約』の違いについて、説明いただきました。フリーランスの方は、『請負でやって~!』や『ちょっとここの仕事、委託したいんだけど!』というような、言葉でクライアントから話を受けることがあるかと思います。

『請負契約』と『委任契約』の違いってわかりますか…?

例えば、依頼主Aが「家を建てて!」とお願いして、請負人Bが「わかりました!」といって、請け負ったBさんが材料を調達して家を建てる契約をした場合で考えると、家を建てる契約では、「家が完成すること」が求められますよね。
もし、Bさんが、

「会社潰れちゃったので家を建てられませんでした!でも、家建て始めちゃったので、家が建った場合と同じ分の報酬をお願いします。」

ということを依頼主のAさんに言っても、家ができてもないのに、Aさんは支払うだなんて、納得できないですよね。つまり、この「家を建てる」という結果・契約内容の完成(最後まできっちり仕事すること)が求められる契約が「請負契約」です。請負契約は『成果の完成を約束する契約』ということになります。

 一方、委任契約は、『依頼した人』が『依頼を受ける人』に対して、『法律行為をすることを約束する契約』になり、2つの種類があります。
履行割合型」と請負契約のような「成果完成型」が存在します。請負契約と委任契約を分かりやすく区別するために、ここでは、「履行割合型」についてご説明します👇

 例えば、先ほどの『家を建てる』ことを『委任契約』の『履行割合型』でお願いをしていたら、Bさんがケガをしてしまい、任されている工程までできていなくても、そこまでの作業分については、代金を請求することができます。(これが、『請負契約』となると、任されたところまではしないと、代金は支払われません。)

ざっくりと説明しましたが、なんとなく委任契約と請負契約のちがいをお分かりいただけましたでしょうか?前置きが長くなりましたが、次に下西先生に教わったお話をまとめてみましたので、ご覧ください!⇩


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フリーランスが心がける3つのポイント

①仕事を受注する前に、まず契約書を締結する!

 「契約書を交わすこと」によって、契約内容について、後々のトラブルを防ぐことができます。具体的契約内容として、賃金の金額や契約解除の条件など、あらかじめ、きちんと「契約書」を作成しておくことが重要です。

 弱い立場の請負人(フリーランス)から、契約書の作成を依頼するのは、立場的に難しい場合がありますよね。このとき、

○下請法(資本金1,000万円超の会社は契約書の締結が義務)

独占禁止法の「優越的地位の濫用」(不公正な取引をしていないか)

の2つを確認してみましょう!とのこと。

 このように、弱い立場のフリーランスを保護する法律があり、不平等な契約に直面した時は「本当に請け負うべきか?」考え直してみることも必要ですね。

②「依頼主の要求を断ると、今後の取引に影響するかも?」

 と、思ってついその場で契約してしまう。あとで契約内容について先方と揉めることになる。というのでは埒があきません。

 ”その依頼主は、あなたにとって大切な(法)人ですか?”

 後のトラブルを予防することを考えて、「契約をしない」という選択肢もあると覚えておきましょう。

 一方で、フリーランスと契約を結ぶ企業側も、雇用関係の存在しない楽な関係としてフリーランスの労働力を見るのではなく、自社の従業員ではできないスキルを提供してもらっているんだ、という意識をもってフリーランスと契約をすることが重要になってきます。

③ある依頼主の専属で仕事をしている場合、従業員と何が違うの?

 フリーランスでも、ある依頼主に専属で仕事をしている場合、「労働者」として等しく保護される余地は十分にありますとのこと!

 「労働者」として扱われるということは、この業務委託関係にある依頼主と請負人の関係に、労働関係法令の適用がされますので、確認しておきたいですね。(労災や労基法など、本来の請負契約では適用のない法律によって保護されることも)


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参加者から質問!

 実際にフリーランスとして動画作成を行っている参加者の方から

自分たちが作成した創作物の著作権はどちらに帰属するの?

という質問がありました。

 結論は、どちらに帰属するかは、事前に契約書に定めておくこと

 フリーランスの側からすれば、自分の作成物をアーカイブとして残しておきたいという気持ちもあるし、依頼主の企業側からは、企業の機密資料などを含めた動画作成を依頼した場合、その資料が使われた動画を方々に公開されてしまっては困りますよね。事前に話し合って、著作権をどちらの帰属にすべきか定めておくことが後のトラブルを防ぐために一番良い、ということでした!


イベント主催・共催・協力者情報

このイベントは、『HiELCC(広島県・今治市雇用労働相談センター)』主催『co-ba hiroshima』共催、『INPIT広島県知財総合支援窓口』協力のもと行われました。

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 今回、色々教えて下さった先生は、HiELCC(広島県・今治市雇用労働相談センター)の弁護士、下西祥平さんです!👨‍🏫

主催『HiELCC(広島県・今治市雇用労働相談センター)』
国家戦略特別区域法にもとづき、平成28年10月に開設。新規開業直後の企業や海外からの進出企業などに対して、採用や解雇といった日本の雇用ルールを理解してもらうことにより、円滑な事業展開を支援すること、また、そこで働く労働者が意欲と能力を発揮できるようにサポートしています。
共催『co-ba hiroshima』
あなぶきグループが運営するコワーキングスペースとして、2018年7月に広島の中心部にオープン。スタートアップ企業・フリーランス、ビジネスン、ビジネスに関心のある学生の方々に対し、「よりビジネスが加速する場」を目指すシェアードワークプレイスです。

協力『INPIT広島県知財総合支援窓口』
「知財総合支援窓口」では、中小企業等の特許・実用新案・商標・意匠等の知的財産に関する悩みや課題などの相談に応じるため、窓口担当者が様々な支援を行っています。
また、より専門的な相談や高度な相談については、弁理士や弁護士等の知財専門家と協働して支援を行います。窓口担当者や知財専門家への相談は無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

最後に、座談会企画のこぼれ話…

今回の座談会は、実は、今年に入ってから、約2週間程度で『企画→告知→開催』されて、爆速で出来上がったようです😂

年明けに、広島県庁のヤマサキさんが広島県・今治市雇用労働相談センターのカワノさんをマネージャーのみやこさんにご紹介したいということで、co-ba hiroshimaにお越しいただきました。『はじめまして!』という挨拶から、あれよあれよという間に企画されたそう…👀!こうやって人が集まる場だからこそ、生まれた企画だなぁと感じました。

今後もゆるっと座談会を開催していく予定ですので、co-ba hiroshimaのSNS等でチェックしてみてくださいね👇

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