「コミュニティには枠を超える力がある」 パンツを脱いだ男が語る、働き方解放とは
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「コミュニティには枠を超える力がある」 パンツを脱いだ男が語る、働き方解放とは

co-ba
「co-ba ebisu」には、今までにない「働き方」の新しい可能性があります。コンサルティングファーム、大手企業の会社員、コミュニティデザイナー、スタートアップ企業など様々な職種を経験してきた多様な企画開発メンバーが、自分自身の仕事に対する向き合い方、渋谷や恵比寿という街への想いについて語る連載をスタート。「自分らしい『働き方解放』を目指す人と共に、co-ba ebisuから働き方のカルチャーをつくっていきたい」という、メンバーからまだ見ぬ誰かへのラブレターです。

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第4回は、2017年にたった二人の新入社員のひとりとしてツクルバに入社した、現co-ba事業部の荻野高弘です。

大学で建築を学び、世界を旅して、大学院でスモールエリアのまちづくりを研究した荻野は、大学時代の逡巡を経て、ツクルバで機が熟すようにして働き始めました。co-ba shibuyaで「場の運営」を経験し、co-ba jinnanを立ち上げ、co-ba ebisuを企画する今日に至るまで、彼が一貫して目指していたのは「コミュニティの追求」でした。

「コミュニティ」を追求した荻野が発見したことは、「コミュニティ」には、精神的にも物理的にも、枠を超える力があるということでした。一人ではできないことも、コミュニティがあれば、発想者の枠を超えた展開を生んでいく・・・。

空間を作り、運営し、企画し広げ、繋げ……働く時間の全てをco-baで駆け抜けてきた荻野だからこそ見えてくるco-ba ebisuで今後、展開される「働き方解放」について、想いを聞きました。

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■「自分一人だったら、パンツは脱がない」という原体験

「僕は新潟市出身で、育った場所に古い商店街があったんです。そこが、どんどんさびれて行く中で、高校生の時とあるTシャツ屋さんがまちづくりをしていることを知ったんです。感動したんですよね。あのさびれた、あの街が、あの人達の活動で、少し良くなる。街が変わるんだ、というのが凄く面白いなと思い、、そういう仕事がしたいなと思って大学に進学しました」

荻野は、”まちづくり”の担い手としての進路を見据えて建築を学び、大学時代、世界のまちづくりを肌で体験しようと世界一周の旅を敢行しました。そのハイライトが、ジャングルでのヒッピーとの出会い、裸の付き合いから生まれるコミュニティへの没頭、そしてパンツを脱いで知った開放感、それは自らの解放に次第に重なっていくと言う体験でした。(co-ba jinnan運営者インタビュー)

「脱いでみてわかったことは、自分のやりたいことを素直にやるっていうのが、一番楽しいんだなと言うこと。あと、自分ひとりだったらパンツは脱がないってこと。(笑)だから仲間って凄く大事だなって思ったんですよ」

”パンツを脱ぐ”とは、できないと決めつけて知らぬ間に自分を縛る心の鎧を解くことのメタファーだと荻野は振り返ります。(荻野に限って言えば、実際にも脱いでいるようでしたが……)。

しかし、荻野の言う、身の開放をきっかけとした心の解放は、何もジャングルでしか体験できないことではありません。髪型が変わると表情が変わるように、飲み物を変えると話題がいつの間にか変わっていることがあるように、働き方についても同じことが言えるはず。変えるのは自分、でも変えるきっかけは仲間と自分を繋ぐ場、つまりコミュニティだったということです。

いまは服を着てインタビューに答える荻野は、淡々と続けます。

「帰国したら、肺結核になってて、隔離病棟に入りました。大学4年の時、世の中の人がちょうど、就活している春休みに病院にいて、何も出来ずベットでひとり思ったのが、なんだろな、普通に生きていることが自由だなって思ったんです。」

全てのコミュニティからの断絶を余儀なくされ、ひとり病床で自由な日常に想いを馳せて居ると心に浮かんだのは、新潟のさびれた商店街が、誰かの仕事で活気を取り戻した光景だったそうです。こうして、荻野は大学院で研究者の視点からまちづくりに学術的に関わるという「自由」を手にすることを決めたのでした。大学5年目の夏のことでした。

■尾道というユートピア、枠を超えた集合体の熱量

ーその流れから言うと、卒業後はいわゆるまちづくり会社に入りそうですが…。

「はい、そのつもりで実践的に地方でまちづくりをする研究室に入りました。そこで、尾道に出会いました。尾道は、広島県の瀬戸内海に面した斜面地で、凄く急な坂に空き家がたくさんある場所なんですけど、斜面地なので、取り壊してしまったら新築の建物が立てられないんですよ。なので、木造の躯体だけを残して、100年前の建物をリノベーションしてカフェやショップとして活用する活動が盛んで、空き家再生のメッカみたいになっているんです……」

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(尾道の斜面地の風景)

これまで訥々と話し、暗がりの中の記憶に懐中電灯をあて言葉を探すように選んでいた荻野が「尾道」と発した瞬間から口滑らかになり、まるで思い出が灯に照らされているように、尾道で見て感じたことが隅々まで語られました。

「尾道には枠を超えて作られた場所がたくさんあるんです。」

ここで荻野が言う枠とは、物理的なものと精神的なものの双方を指し示しているようです。

物理的な枠とは、例えば「窓枠」について…古い家々から解体された建具は、一旦一旦倉庫へと運ばれます。そして何かを作りたい地域の方は、まず倉庫で材料を探し、再生用途を考えるのが尾道のスタイル。かつての窓枠が机へと姿を変え、昔から在るものに合わせるように新しいものが作られる光景は、建築で窓枠を先に作り既製品の冊子をはめることを学んでいた荻野にとってはコペルニクス的転回だったそうです。

そして、ものが姿を変え、空き家から空き家へと循環して行きながらも、愛着が受け継がれている様子を目の当たりにした荻野は精神的な枠について語ります。

「関係している人たちがいっぱい居て、完成する前からみんなの愛着のある家になっているんです。街そのものが、自分の手触りでできたものの集合体として熱量があって、人のストーリーが積み上がって行く、手触りのある空間が尾道にはたくさんあるんです。そこにいると、自分にもできるんじゃないか?と言う気持ちになりました。」

街を変えることに憧れて、建築を学んだ荻野にとって、場の力とそこに居る人の力が呼応しあい、建築物が再生し、街が観光地として、また暮らす場所としても活気に溢れる尾道はユートピアに等しい場所だったようです。年代や背景や職業という枠を超えた出会いと創造の日々は、荻野にとって可能性への気づきや、今、やるべきことへの後押しとなりました。東京に戻った荻野は、直ぐに、まちづくり会社に就職することではなく、自分の手触りと熱量で、シェアする働く場所、コミュニティづくりに邁進する働き方を選びます。

■ひとりではできない「解放」ができるのがコミュニティの力

パンツを脱いで自己の解放を学んだ荻野ですが、仕事の解放については、渋谷のco-ba3拠点に関わる中で、結果が目に見えて変わった時に実感したと言います。

「企画したことが関わる人の力で雪だるま式に大きくなって、発案者の想定、つまり枠を超えたと思う瞬間がありました。その時、僕も仕事も解放されたなと思いました。」

そして、co-ba ebisuが掲げる”働き方解放区”では、訪れる人の普段言い出せないアイデアや考えを、ここに来ると解き放つことができるという想いも込めたそうです。これからチャレンジをしようとしている人や、迷っている人にこそco-ba ebisuに立ち寄ってもらいたいと荻野は語ります。

co-ba ebisuには、ビジネスを加速させるアクセレーターとしての機能はもちろん、それ以前のビジネスを生み出す、アイデアを羽化させるインキュベーターとしての役割を追求した工夫が随所に見られます。枠を超えるコミュニティの力です。

「1階と2階の2フロアになっていて、2階がレジデンスで、1階はコワーキングスペースになっています。人をつなぐ場所として、入居者のプロダクトを紹介する『ショーケース』や食事を通じてコミュニケーションをとれる『バーエリア』を用意しています。

利用者にとっては、ONとOFFの切り替えがしやすい空間になっていると思うので、がっつり仕事する時は仕事モードの空間へ、逆に発散したり、リラックスするなら、人と繋がることができるスペースへと往き来してもらうことができると思うんです。それにアイデアを飛ばしたいなって時は、街に出れば、恵比寿って、背広姿のサラリーマンや、ベビーカーを押している人や子供連れの人もいて、ともすれば、金髪のスタイリッシュなお兄さんや腰を曲げたお婆さんが横断歩道ですれ違ったりして多様ですよね。」

街をゆく人の姿も、歩く速度も、それぞれの人生のフェーズや役割によって異なり、また混在している恵比寿駅周辺を思い浮かべてみます。確かに、ONとOFFの切り替え、仕事と生活のスムーズな移行と言う意味に置いても「働く」「遊ぶ」「暮らす」が一体となっている恵比寿は、働き方解放区としての適性が高そうです。

「僕は少なくともそうなんだけど、尾道に行くと、『自分でお店ができるかもしれない』って思ってしまうんですよね。これって、そういう想いを持った人がたくさんいるっていうコミュニティの力なんじゃないかなと思っていて……。co-ba ebisuもふらっと寄ってみたら、場の持つ力に後押しされて、原体験を見つめ直したり、熱量を持って取り組む仕事や、働き方について少し変えるきっかけになる場所になったらいいと思います。僕も実は、ここで週一くらいから始めようかなと思っています。」

荻野高弘
1991年新潟生まれ。千葉大学に入学し建築を学ぶ。2012年から1年間放浪の旅をし、自らの手でつくる空間や暮らし方に興味を持ち、帰国。その思いを深めるため、2015年から東京工業大学大学院に入学。「人が自分の場所をどうつくるか」という視点でスモールエリアのまちづくりを研究し、修了。2017年4月より、新卒で株式会社ツクルバ入社。現在はco-ba事業部として、ワークプレイスの企画開発に携わっている。

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「あらゆるチャレンジを応援する」をコンセプトにしたシェアードワークプレイス。会員(メンバー)は、スタートアップ、デザイナー、エンジニア、NPOなど、多岐にわたります。メンバー同士がお互いのアイディアやスキルを共有することで、新たなコラボレーションが生まれる場を目指しています。