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山陰線・空港線を通過連絡運輸で行く(後編・佐賀)

コブ山田です。

ようこそいらっしゃいました。

今回は、2022年04月のお出かけについて、記します。

04月10日(日)

ここからはこの乗車券を使います。全行程終わってから撮りました。

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終着駅は佐賀。松江→佐賀を行くなら、一般的には、

松江→(山陰本線)→伯耆大山→(伯備線)→倉敷→(山陽本線)→岡山→(山陽新幹線)→博多→(鹿児島本線)→鳥栖→(長崎本線)→佐賀

松江→(山陰本線)→益田→(山口線)→新山口→(山陽新幹線)→博多→(鹿児島本線)→鳥栖→(長崎本線)→佐賀

のどちらかだとは思います。

しかし、私はこのルートを選びました。総合旅行業務取扱管理者資格が活きました。

松江→(山陰本線)→長門市→(美祢線)→厚狭→(山陽本線)→門司→(鹿児島本線)→博多→(空港線)→姪浜→(筑肥線)→唐津→(唐津線)→久保田→(長崎本線)→佐賀

というものです。途中の空港線は福岡市営地下鉄であり、JRではありません。松江から乗って行って博多でJRの乗車券が切れそうではあります。
しかし、この福岡市営地下鉄空港線はかつての筑肥線博多~姪浜の代替で地下鉄が建設されたものであり、その名残で一定の区間同士なら博多以北と姪浜以西の乗車券は通算で買えます(博多→姪浜の地下鉄運賃は別途必要)。通過連絡運輸というもので、この場合はJR東海・JR西日本・JR四国・JR九州各駅から博多、姪浜から筑肥線・唐津線各駅に行く場合に買えます。最長距離が東京→博多(地下鉄空港線を挟み)姪浜→久保田になり、JR線区間は博多で打ち切らずに買えるため少々安くなります。そうしないと唐津の人が不便になってしまいますからね。

出発地の松江はJR西日本なのでOK。ただ、終着駅の佐賀はJR九州ですが筑肥線でも唐津線でもなく長崎本線であり、このルートで乗車券を買うなら博多・姪浜で乗車券が切れてしまいます。
そこで、私は事前に小城→佐賀の乗車券を買っておきました。これがえきねっとで予約して京都駅の指定席券売機で発券したものです。
久保田が唐津線とみなされなかった場合に備えて、小城から買っておきました。

松江→久保田の乗車券もえきねっとで買えればよかったのですが、経路が該当せず駅窓口で買うようにメッセージが出ました。
そこで、松江駅から乗る前にみどりの窓口で買ったというわけです。

以下の福岡市高速鉄道連絡運輸規定にすべて書いてあり、その通り発券できました。乗車券の券面に出ている"福岡市高"は、"福岡市高速鉄道"の略です。福岡市営地下鉄の別の言い方です。JR東海を東海旅客鉄道と言うようなものです。

なお、右上に”乗変”の文字がありますが、それは私がうっかりしていて乗車券を出し直してもらったからです。
途中の厚狭→門司→博多ですが、駅員さんにわかりやすく新幹線に乗ると言いました。正直、JR西日本の駅窓口ですし、面倒なお仕事をお願いするわけなので、その方が心証がいいかとも思ったためです。
しかし、JR西日本とJR九州では運賃体系が別のものになっており、新下関・下関→小倉→博多では新幹線経由か在来線経由かを具体的に指定する必要があり、指定のルート以外で乗る場合は差額の精算が必要です。
特に、私の場合は途中の小倉で降りる必要がありました。JR西日本山陽新幹線経由の乗車券だと、JR九州小倉駅の自動改札機では降りられないリスクが発生します。

買った後でこのことに気づいた私。
駅員さんに在来線乗車が可能かを確認したところ、買い直しをすすめられたので窓口で再度買い直したというわけです。失敗でした。

このルートで行くのは明らかに一般的ではありません。対応いただいた駅員さんおふたりともにこのレアなオーダーに簡単に対応できず、私のスマートフォン画面に出していたYahoo!乗換案内を見ながら悩んで対応いただいている様子でした。“姪浜”が読めなくて自然です。JR西日本さんにとっては他社線ですし、もっと大切なことがあります。

そうして、私は窓口に行列を作ってしまいました。発券後、ペコペコしながら離れました。

普通益田行き(キハ126系)です。13:20、出発します。後編の始まりです。
車内は比較的混雑していましたが、途中から座れました。
出雲市を出て、今回の行程初の区間に入ります。後藤総合車両所出雲支所の車庫って本当に西出雲~出雲神西の駅間にすっぽりと収まっています。

再び架線がなくなり、ディーゼルカーが軽快に走ります。

大田市に到着。私はここで降ります。下車印を押してもらい、外にも出ました。

世界遺産の石見銀山。日本で金属採集は主流では無く、貴重なスポットです。今回は行けませんでしたが、いつか行ってみたいものです。
戻り、後続の特急スーパーおき5号に乗ります。

青春18きっぷでこの近辺を乗ることは何回かあったのですが、それだと特急に乗ることはほとんどありません。せっかくなので山陰の特急にも乗ってみようというわけです。キハ187系の初乗車は大田市→江津でした。

松江駅近くの根っこやで買ったお弁当もここで食べます。空揚げ、鮭、煮卵とたんぱく質多くてよかった。

江津に着くと、大田市で降りた普通が待っていたので乗り換えます。松江近辺ほど混雑もしておらず、進行方向右側に座ります。
日本海を眺めてぼーっと…するより脳みそが喜ぶできごとが起こっています。

時刻にして16:00ほど。Twitterを見ると、プロ野球パ・リーグの試合の経過が入ってきまして、ZOZOマリンスタジアムで開催中のオリックス戦にて千葉ロッテの先発ピッチャー佐々木朗希が13人連続奪三振に加え08回までバッター24人の完全投球を続けているというのです。

佐々木朗希は剛速球投げるがオリックス打線が打ててないだと!?しかも28年間出ていない完全試合が実現しそう!?
急遽YouTubeで実況動画を再生。リアルタイムで追うことにしました。

浜田に到着した頃でしょうか。27人目のバッター杉本裕太郎も空振り三振。完全試合達成となりました。

野口茂樹、川上憲伸、山本昌、山井大介、大野雄大などとノーヒットノーランは何回かありましたが、ひとりのピッチャーが完全試合を達成した試合を中継で見たのは初です(1994年のプロ野球は記憶に残っていません)。

夕陽になり始めた日本海を見ながら終着の益田に到着。もし松江からずっと乗っていれば、04時間乗り続けたことになります。キハ126系なのでそんなに疲労感はありません。

30分ありますので、駅前を少々散歩します。ローソンがすぐ近くにあります。

次は普通長門市行き(キハ47系)です。飽きないのかって、それは一時的なもの。東京での日常生活では乗れないのです。
益田を出発し、山陰本線は山口県に入ります。

個人の感想としては、キハ47は冬場に乗るのがおすすめです。車内暖かくてほっとするのと、逆に夏場は扇風機の風がきつく、直撃すると快適度下がってしまいます。

山口県に入るころにはすっかり暗くなり、東萩を経て長門市に到着。すぐに普通小串行きに連絡しており山陰本線を行けるよう配慮されていますが、私はそうではなく今回の見どころのひとつ、美祢線に乗り換えます。

下関~益田のルートとしては山陰本線のほか、新山口から山口線を行く方法もありますが、もうひとつ厚狭から長門市まで美祢線を行く方法もあります。
美祢線の扱いは地方交通線ではなく幹線なのですが、このルートを積極的に選ぶ人はあまりいないと思います。
このキハ120系は三重県でも見ることができ、かつ先ほどのキハ47よりは新しいのでテンションが上がります。車内もリニューアルされてきれいになっていました。

乗客は私含めてふたり。長門市20:04、私にとっては初の美祢線行程が始まります。
…と言ってもすでに真っ暗。横に幹線道路が走っているところがあった印象です。その中でも大きい記憶は、長門湯本温泉のライトアップです。風情あってよかった。

“大谷山荘”の看板の文字はインパクトありました。好日山荘と似たフォント。

日本海側から瀬戸内海へと下りていき、1時間ほどで厚狭に到着。後悔をひとつ減らせました。
すぐに普通下関行き(115系)に乗り換えます。

厚狭にしてついに“九州”の文字が出てきました。東京から時間かけて乗ってきて見る“九州”の文字。これを見る瞬間の醍醐味が、飛行機や新幹線では味わえないものだと個人的に感じています。

115系のボックスシート横のロングシートに座ります。下関周辺の車両は結構転換クロスが増えているような印象ですが、ボックスシートでした。

この車内で撮影したのがこちら。

今日、三振してしまったオリックスの杉本裕太郎です。なにせ、彼はJR西日本に勤務していたことがありました。広告塔にはうってつけでしょう。

山陽本線を電車で進み、大丸の看板が見え、下関に到着。


九州方面と、本当に本州の果てに来ました。JR西日本仕様の発車案内で九州の地名が出るレアなものです。
普通小倉行き(415系)に乗り換えます。


JRのロゴは赤色だわ、車内の広告はアミュプラザだネットきっぷだわで非日常。ニッコニコで関門トンネルをくぐり、門司を経て小倉に到着。
来たぞ九州!福岡県だ!!快速荒木行き表示にテンション爆上がりです(荒木駅は福岡県久留米市ですが、その先に熊本県があります)。

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GoGo荒木GoGo荒木かっとばせー荒木と心の中で言いながら自動改札に乗車券を投入して降ります。ファミリーマートで夜食を買いホテルへ。

九州にやってきました感に浸り、ジンソーダ飲みながらごぼう天うどん食べて、お風呂入って寝ました。
九州はうどんもいいものばい。

04月11日(月)

起きて朝方もう一度風呂に入り、チェックアウトして小倉駅へ向かいます。
自動改札機を通ります。

朝飯もうどん!?だって九州来たんだもん。小倉駅のエキナカにある玄海うどん、価格もお手頃であり、来るたびに食べています。
あれ、私のツイート。希速ではなく今日は音速?現実?

間違いではありません。都合、小倉の先の折尾からでしたが、特急ソニック14号(自由席)で博多へ向かいます。

かぼすジュースも開けて飲みました。このかぼすジュース、2022年04月上旬にはJR東日本駅の自動販売機で買えたのですが、同月下旬には見当たらなくなり、代わりに宮崎県の日向夏ソーダがありました。
私がここでウォークマンにて再生したのは、福岡県にちなんでこの曲です。

福岡県でご当地浜崎あゆみきました!『Boys&Girls』のイントロ流れただけでテンション上がり、準備運動を経てサビに入って走り始める感じがたまりません。
振り子で高速走行する885系の車内だと、さらにテンション上がります。
小学生の時は特に浜崎あゆみに興味なかったのですが、30歳過ぎてからよく聴くようになりました。

折尾からノンストップで博多に到着。JR九州の区間は一度途切れます。自動改札機で出ることができました。

博多駅!!個人的には03か月ぶりです。月曜日の午前ですが、にぎわっています。
ATMなどの所用を済ませて西へ歩き始めようとしたところ、雨が降り始めました。昨日の松江はいい天気だったので傘は持っておらず、100均で傘を買い、さして歩きます。このまま捨てずに持って帰りました。

早めの昼飯は、渡辺通にある梅山鉄平食堂です。天神エリアから歩けますが私は博多駅から歩いてきました。

1,265円の銀ダラみりん定食をオーダー。普段、私は昼食にこんな金額かけません。
しかし、この銀ダラみりん定食はおいしいと、以前JALの機内誌で見たのを覚えていました。メニューにも“絶品”の文字が躍っているほどです。
魚は加熱せずに食べたい派なのですが、猛プッシュメニューを選びました。

お箸で銀ダラをつまんでいただきます。…うまい。みりんの上品な味付けがきいています。これならたまに自分へのごほうびにはあり。
おかずになるものがたくさんあるので、ごはんのおかわりもしました。むしろ普段焼き魚食べないので、よかったという見方もできますね。
お魚好きという方!福岡に行ったら梅山鉄平食堂の銀ダラみりん定食、私からもおすすめします!!

食べ終わって再び傘をさして外を歩きます。天神南から地下に入り、天神地下街を歩きます。
私は、天神駅前は地下街を歩くことが多いです。夏や冬に行くことが多いからですが、いい季節でも信号に引っかからないのは地下街のメリットです。

そのまま空港線の自動改札機にSuicaをタッチして空港線へ。唐人町で降ります。再度傘をさして歩いて向かったのは、福岡PayPayドーム。MARK IS ももちの店内を歩いて通り抜けます。
月曜日でプロ野球の試合はないのですが、様子を見に行きました。先月にはオープン戦で中日ドラゴンズが試合しています。

考えてみれば私、30日間で大阪、東京、福岡のドーム行ってるのね。大阪と東京は中日の試合観戦。福岡は外から球場見ただけです。
売店が空いていれば買い物…といきたかったのですがお店は真っ暗で休み。そりゃ試合がない日に開けても仕方ないですし、店員さんもお休み必要ですからね。

再び歩いて唐人町駅に戻ります。ここで地下鉄空港線に乗るのですが、ポイントはSuicaを改札機にタッチせず、Suicaの残高で券売機で260円(唐人町→姪浜)のきっぷを買ったのでした。
理由は、福岡市営地下鉄とJR九州の境界である姪浜で降りる手間を省きたかったからです。ICカードだと、降りる駅でタッチしないといけません。

筑前前原行きは305系。カジュアル?ポップ?な感じがするJR九州の車両の中は比較的落ち着いたデザインですが、地下鉄の中では相対的に目立ちます。
地下から出て、高架駅の姪浜に到着。ここからJRの通過連絡運輸乗車券が再び有効になります。

筑肥線に乗るのも初めてであり、未知の風景に期待が膨らみます。そのため、松江→佐賀のルートに美祢線・筑肥線・唐津線を含めました。
福岡市西部の近郊区間を進みます。福岡市から糸島市に入り、玄界灘の景色にテンションが上がります。
それこそ山陰本線で見たような山、線路、海のところもあり、よかとこ!と思ってのんびり景色見ていました。

筑前前原に到着。かつてプロ野球中日ドラゴンズに前原選手がいまして、一般的には“まえはら”と読みたくなりますが、ここは“ちくぜんまえばる”と読みます。
“原”を“ばる”と読む、九州だなーという感じがします。

ここで普通西唐津行きに乗り換え、とうとう佐賀県の地名が出てきたことになるのですが、待っていたのは103系。
山手線や大阪環状線のアイコンであった103系ですが、九州に行けば走っています。車内もロングシートで変わりません。

筑前前原からさらに西に進み、ついに佐賀県に入りました!!33歳にして初めて踏み入れる佐賀県北部。佐賀県での宿泊自体は昨年済ませていますが、47都道府県全部行っても知らない風景はたくさんある私です。

電車は高架の唐津に到着。東京から来たルートの中でも高架2面4線の駅が多いなと思っており、静岡・浜松・鳥取・松江・出雲市と(JR線の構造なら)似ている印象を受け、唐津もそれに似た感じです。

ここで唐津線に乗り換えます。乗ったことがない唐津線。待ち時間は45分ほどありますが、最後に乗る車両が早めにホームに到着したおかげで暇を持て余したわけではありません。その最後に乗る車両です。

最後は白と青のキハ47、普通佐賀行きです。山陰で乗った暖色系のキハ47と色が違います。ボックスシートに座ります。
唐津は港町ですがあまり海は見れず、15:48、発車。山の中を進んでいきます。ゆっくりとした時間が流れます。

印象的だったのは本牟田部です。北側に位置する山本が唐津線と復活する筑肥線の分岐駅です。唐津から出てきて佐賀方面と伊万里方面に分かれます。
しかし、この本牟田部はあくまでも唐津線の駅であるため筑肥線にはホームがない。ホーム設置して乗り換え可能にしていい気はしますが、国鉄時代からずっとこのままです。

その後楽しみだったのは、厳木です。駅の近くに佐賀県立厳木高校があり、そのグラウンドも見えました。
同校の卒業生に、プロ野球横浜DeNAベイスターズの宮崎敏郎がいます。2004年入学→2007年卒業のはずであり私と同学年。
ここで野球していたのか!と実際にこの目で見れてうれしくなりました。

実は、私は唐津の駅のホームの端で風に吹かれながら宮崎敏郎の応援歌を歌っていました。個人的にはすごく好きな曲。中止になったとはいえ、前日に歌っているわけにはいきませんでしたので(苦笑)

そのまま南下していき、佐賀県の小城市に入ります。小城はプロ野球埼玉西武ライオンズ監督の辻発彦の出身地です。中日でコーチもしていました。
単なる景色でも、有名人の出身地と分かっていれば退屈さも減ります。

小城から生徒たちの大量乗車があり、混雑度合いが増しました。久保田に到着して唐津線は終点となり、松江からの乗車券はここで終了となります。
ただ、えきねっと発券の乗車券があるため佐賀まで精算不要でそのまま乗車できます。

田んぼを見ながら長崎本線を上り、最後も静岡・松江に似た高架2面4線の佐賀に到着したのでした。時刻は17:01。無事に全行程終えました。

嵯峨、佐賀、楽しかった!!
ありがとうございました。

サポートいただければ、本当に幸いです。創作活動に有効活用させていただきたいと存じます。