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実りの安芸となるか

コブ山田です。

ようこそいらっしゃいました。

今回は、プロ野球広島東洋カープ、秋山翔吾選手について、記します。

「えっ?マジ?」

という言葉は、秋山の入団表明に際して広島球団の鈴木本部長が発したものですが、
実は私も発したものです。(笑)

そう、広島だったらいいなと思っていたのです。

NPBでの新天地に広島を選んだことによるメリットは、以下のように考えています。

広島東洋カープ(チーム)のメリット

まずは、直接的に即戦力の外野手を補強できたことです。侍ジャパン経験者でMLBからオファーが来た選手です。これ以上のことはありません。
2018年まで3連覇を果たしましたが、同年で丸佳浩が退団し巨人へFA移籍、2021年で鈴木誠也もシカゴ・カブスに移籍しています。
丸の人的補償で長野久義を獲得はしましたが、今年で38歳です。

一方で秋山は34歳と長野より若く、これからの選手としての活躍見込みは長野以上だと言えますし、過去の経験はパ・リーグにMLBと、広島の選手の中では貴重なものです。若手の指導の引き出しも多くあります。

そのパ・リーグでは埼玉西武ライオンズに所属していたことも大きいです。
なぜなら、広島と埼玉西武は春季キャンプを共に宮崎県南部で行っており、オフシーズンの選手交流のハブになりえます。
一方でレギュラーシーズンは完全に別リーグなので遠い存在になりがちですが、両チームの選手が秋山を介して情報交換でき、広い視野を得るチャンスとなる。

似たような観点で過去にnoteを書いたことがあります。中日の石垣雅海が東北楽天の浅村栄斗主催の自主トレに参加したことです。

埼玉西武にとっては育てた選手を送り出してオファーしたのに戻ってこず残念だとは思います。ただ、縁が切れたわけではないですし、それこそ松坂大輔や松井稼頭央は最後は埼玉西武で引退しました。すぐには受け入れがたいとは推察しますが、前向きに考えることはできるとは思います。

秋山翔吾(個人)のメリット

まずは、天然芝の開放的な球場でプレーできること。
毎年100試合以上もプレーしていると、全身に負担がかかって傷ができてきます。
外野手は走ってボールを取りに行く機会がとても多いです。その際に芝生が天然芝であれば足腰への負担が減り、選手寿命が延びる可能性が高まります。
実際、2003年に福岡ダイエーからFA移籍した村松有人は、天然芝メインでプレーできる環境を求めてオリックス(ヤフーBBスタジアム)に移籍しました。

次に、否が応でも指導経験を積むことができることです。
MLBだけでなく、比較的パ・リーグ在籍経験者が少ない広島において秋山からアドバイスを受けたい選手は少なくないはずです。
そうすることで自身とあまり面識がない人に対してうまく伝わるようにアウトプットする機会となる。

埼玉西武だと知っている選手も多く、なんとなくで伝わることも出てきますが、広島の若手選手は初めて会話するケースが多くなります。
埼玉西武復帰以上の質で、指導者になる事前準備を積むことができます。

そして、秋山自身がセ・リーグの野球を勉強できることです。交流戦で毎年対戦があり、両リーグの野球を経験しておくことはプロ野球界で生きていくには重要なこととなってきています。
引退するとなった時、彼のキャリアはパ・リーグ(優勝経験あり)、MLB、セ・リーグとなり、幅広いものとなります。

毎年、交流戦で必ずパ・リーグと対戦する広島球団からしたら指導者として手放せない人材でしょう。パ・リーグでしかプレーしたことがない、よりレアな経験を持つこととなり、市場価値は高まります。秋山本人もその点は意識したものと推察します。
私は、全面的に共感しています。
あとは彼が変な失態を見せない限りは、長くプロ野球界で生きていけると確信しています。自律的キャリア形成の面においても素晴らしい決断例だと考えます。

最後に

埼玉西武ファンの方は、今回の秋山の決断は悲しいものと思います。
ただ、セ・リーグの野球を勉強したいと言って覚悟を決め、プレーしたことがないセ・リーグにて選手と指導者の経験を積み、中日でコーチしていたところに監督オファーを出したら快諾して復帰、埼玉西武をパ・リーグ連覇に導いたのが辻発彦監督です。

再現、いや、それ以上の実りをもたらしてくれる可能性、あります!!

ありがとうございました。


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