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手放しでは喜べないが、開発コンセプトは素晴らしい宮下公園

コブ山田です。
ようこそいらっしゃいました。

今回は、東京都渋谷区の宮下公園について、記します。

2020年07月28日(火)、東京都渋谷区に新しい商業施設がオープンしました。
渋谷駅北東にある、ミヤシタパークです。

入居テナントで気に入っているお店があり、そこからオープンの情報を知りまして、先日さっそく突撃してきましたが、興味深いことがいくつもありました!

まず、3階建て+屋上の商業施設でありながら、"渋谷区立宮下公園"と堂々と明記されています。


区立の施設!?行政がしっかり噛んでるの!?しかし、地上(低層階)に位置するのは明らかな商業施設です。
これは、PPP(パブリックプライベートパートナーシップ)事業で、渋谷区と三井不動産が一体となって進めたプロジェクトです。公園跡地に、現代的な商業施設をオープンさせながらも、屋上に公園機能を移設。文化拠点の機能も失っていないということです。

商業施設の開発・運営は不動産会社(デベロッパー)に任せ、繁盛すれば三井不動産も儲かり、結果として渋谷区も税収が増えてWin-Winというわけです。屋上の公園も指定管理者制度を導入し、民間企業の活力を存分に活用しています。
素晴らしい!商業施設は、魅力とセンスが不可欠であり、これなら集客力ある!!と感銘を受けっぱなしでした。

建築物の施工主は、竹中工務店です。ところどころ特に塗装を簡略化し、コスト削減を図ったような印象もありました。そう、自然公園との共存がひとつのテーマですからね。
これで思い出した建築物があります。日本一のベースボールエンターテイメントパーク、広島のMAZDA Zoom-Zoomスタジアム 広島です。正式名称は広島市民球場でありながら、三井物産がスポンサーシップマーケティング・フードサービスで大いに関与しています。
官民連携と、あとは施設のどことなく武骨な面で、思い出しました。

テナントで印象的なのは、1Fの渋谷横丁というフードコートです。北海道・東北・関東・横浜中華・東海・北陸・近畿・中国・四国・九州・沖縄の各食市があります。旅行気分が味わえそうです。
東海食市行きたい(笑)

あと、DRAエイトマンという名前のお店も無視できませんでした(笑)

屋上の宮下公園も、芝生だけでなくスケートボードやボルダリングで遊べるところがあります。
これ、冬場の夜は絶対ロマンチックだわ!とワクワクしっぱなしでした。デートで行きたい。

昨年11月の渋谷スクランブルスクエア開業前後から、"HELLO neo SHIBUYA"というキャッチフレーズをよく見ており、これもそのひとつかなと思います。

と、渋谷駅北東にできた施設の光の部分ばかり書いてきましたが、調べていく過程で影もありました。

かつての宮下公園には、いわゆる"ホームレス"の方たちが定住していたそうです。
渋谷に初めて行ったのは1996年…と言っても当時、三重県の小学校1年生です。親同伴です。
そのあと、2007年の大学進学以降、渋谷に行く回数が増えましたが、あまりこのエリアには行ったことがなかったのです。山手線の電車から、スケートボードやっている人たちがちょっと見えたぐらいですかね?

渋谷区は、当然、宮下公園再開発にあたり、ホームレスがそこに住み続けないよう対策します。
このことに対し、異を唱える意見もありました。そういった、人間の生活実態が全開のところの方が自然である。商業優先の論理で、勝手にその"場"を破壊するとは何事だと。

言いたいことはわかります。多様性の観点からは、疑問符が消えません。
ただ、私としては、特に衛生面から、宮下公園をそのまま維持するのはあまり好ましいこととは思えません。それも4社のターミナル駅の北東角となると、致し方ないことなのかなと。
とは言え、その手法も、説明不足の面も否めず納得度が低いものでしたが、どこかで妥結しないと前には進みません。

宮下公園は商業施設一体型の、洗練された公園に生まれ変わりました。ハチ公口の緑の電車は、秋田県に行ってしまいました。
生まれたものもあれば、過去にものになったものもあります。令和新時代の東京・渋谷、楽しみに見ていきたいと思います。

ありがとうございました。

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