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恋人が欲しいあなたへ

お正月。新しい一年が始まる。

この時期は、初詣へ行く人が多いと思う。そして、そんな初詣の時に、「今年こそは」とお願いをする人たちがいる。

「今年こそは、素敵な恋人が欲しい」と。

その人たちは、毎年毎年、お正月に祈っているみたいだ。一年前とまったく同じお願いをしていることに、見て見ぬ振りをしながら。引いたおみくじの「待ち人」の項目に、一喜一憂をしながら。

そんな人たちに向けて、この文章を書いてみる。

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恋人についての話をする前に、まずは「恋」についての話をしてみたい。

あなたは「恋」をしたことがありますか?
イエス?ノー?どちらだろうか。少し考えてみてください。

僕は、「恋」というものに対して、個人的にいくつかの見解を持っている。

まず、それは、雷に打たれたかのような衝撃があるものだ。それは、出会った瞬間かもしれない。あるいは、今まで知らなかった、その人の優しさを知った瞬間かもしれない。いずれのタイミングであれ、自分の全身に、衝撃が走る瞬間があるのだ。

恋はその意味で、ある種の風邪みたいなものだと思う。自分がどれだけ気をつけていても、いつの間にかそれに侵されているのだから。

そしてもうひとつ。これは恋の定義というよりも、法則に近いけれど。すなわち、ほとんどの恋は、片思いから始まる。

最初から両思い、というケースも、なくはないけれど、だいたいどっちかが惚れて、恋は萌芽する。

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なぜ、「恋」についての話をしたのかというと、恋人を求めているあなたにとって、あなたのするべきことは、何よりもまず「恋」をすることだからだ。

僕は、自分自身の恋愛経験はそこまで豊富とは言えないけれど、周りの人の話を聞いたり相談に乗ったりしながら、実に様々な恋愛のケースを見てきた。

その中で、「恋人がなかなかできない人」という人の中には、ふたつのハードルがあることがわかってきた。

まず、そもそも、好きな人ができないというハードル。これは言い換えると、恋をできないハードルと言ってもいい。

そして、もうひとつが、好きな人がいるのに、なかなか振り向いてくれないというハードル。

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まず最初のハードルについてだが、「誰かを好きになる」人と「好きな人ができない」人には、ある決定的な違いがあるように感じている。

それは、「誰かを好きになる」人は、人を好きになる覚悟、あるいは準備のようなものができている、ということ。

逆に言うと、「好きな人ができない」人には、そのような覚悟があまり備わっていないように思われる。
(もし違っていたらごめんなさい…)

相手を好きになる覚悟、というのは、誰かを愛する覚悟と言い換えてもいいかもしれない。

こういう人って、状況を待っていることが多い。

「いつの日か素晴らしい王子様(あるいはお姫様)が目の前に現れて、自分のことを好きになって、結婚して幸せになれたらいいなぁ」

多少は違うかもしれないけれど、頭の中で考えているのは、そんな感じのことだったりする。

ある日、自分のことを好きになってくれる、とても素敵な人が目の前に現れる。悲しいかな、そんなことは、ほとんどありえない。

なぜなら、多くの恋愛が、片思いから始まるからだ。自分が相手を好きになるか、相手が自分を好きになるか。そうして恋愛は始まる。

もし、逆に、誰かが自分のことを好きになってくれたとしても、それは「相手が自分に片思いしている」だけであって、自分がその人のことをすでに好きなケースというのは、あまり高くないだろう。

恋というのは、自分から始めなくてはいけない。自分が誰かを好きになって、それが恋として育っていく。自分から、片思いするしかない。

だから、そんなあなたがするべきことは、恋愛に対して「待つ」姿勢を改めることだ。自分から人を好きになるという覚悟を持つことだ。

抽象的な言い方かもしれない。でも、これが大事なことなのだ。

あるいは、こんなことをあなたは思っているかもしれない。「そうは言っても、周りに素敵な人なんて全然いないです…好きになれそうな人が全然いない!」

本当にそうだろうか?それでは、あなたは人生で、一度も恋をしたことがないのだろうか?小学校、中学、高校、大学、社会人…。それぞれの年齢の時に、好きな人がいたこともあったのではないだろうか?

では、なぜその人を好きになれたのだろう?

僕は、人を好きになれない人というのは、「人を好きになる心」を忘れてしまった人だ、と思うのだ。

幼い頃、若い頃の方が、人を好きになる準備ができていたのだ。成長するにつれ、なぜか、その準備がどんどんおざなりになっていく。理由は様々だろう。誰かに裏切られたこともあっただろうし、身近な人の離婚がそうさせたのかもしれない。

でも、昔、誰かを好きになったことがある人なら、その気持ちを思い出すことは、きっとできるはずだ。「なんで好きだったんだろう?」それを自分で掘り下げて、とにかく考えて、ノートに書き出せばいい。

人を好きになるヒントが、見えてくるはずだ。

でも、もしかしたら、「生まれてこの方、誰かを好きになったことがない」という人も中にはいるかもしれない。

そういう人に対して僕がアドバイスできることは、申し訳ないけれど、正直、あんまりない。僕自身にも、僕の周りにも、そういう経験がないからだ。

どうしたらいいのだろうか?少し厳しいことを言うようだけど、これについては、自分で考えるしかないと思う。

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最初のハードルについてが長くなってしまった。次に、好きな人がいるのに、なかなか振り向いてくれないケースについて。

この場合の解決策というのは、実はけっこうシンプルだ。

切実な思いを、相手に伝えればいい。逆にいうと、それしかない。

これも僕の経験談になるけれど、「切実な思い」って、けっこう相手に刺さります。というより、世の中の結婚している人のだいたいは、片方の切実な思いから付き合いが始まって、結婚に至っているような気がする。

でも、それもそのはずで、ほとんどの恋愛が片思いから始まる。幸せなカップルに至るまでには、切実な思いを伝えるという過程は、不可避だと思う。

だからとにかく、好きな人に振り向いてもらえない人は、何度でも、自分の心が折れるまで相手に伝え続けるしかない。ストーカーと言われそう?大丈夫、真剣な恋愛とストーカーは、実際のところ紙一重です。

もし、切実な思いを伝えきって、それでも振り向いてくれなかったら、諦めて別の人を探しましょう。そういう運命だったということなのだ。

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この文章の最後に、あなたに伝えておきたいことがある。

文頭で書いた、初詣の時に「今年こそは素敵な恋人が欲しい」とお願いしていた人について。それは実は、昔の僕のことだ。

僕も長いこと、恋人ができないという悩みを抱えながら生きてきた。僕の場合は、好きな人ができても振り向いてもらえない、ということが多かった。

それでも、今、僕の隣では、スヤスヤと寝息を立てて、安心した表情でパートナーが眠っている。

悩みながらも、それでも自分を信じて生きていけば、そこにはたしかに幸せが待っているのだなぁ、と、僕は思うのである。

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