マンションや戸建など、住宅が受ける人口減の影響って!?
こんにちは、”住まい探しマイスター”渕ノ上です。
今回は、「人口減」を切り口に住まい探しのポイントをお話しさせていただきます。
1. 人口減と人口移動?!
今後、日本においては少子高齢化および人口減少がさらに進むことが明らかになっています。しかし、総人口は減るものの東京中心とした首都圏、名古屋を中心とした中京圏、大阪を中心とした近畿圏、この三大都市圏は人口移動により、さらに人口が増えると想定されています。その中でも特に都市部に人口が集中すると言えるでしょう。
そうなると、その他のエリアではコミュニティーの形成が困難となり、商店街の衰退、医療機関や教育機関の縮小などインフラが著しく低下し、過疎化が進む恐れがあります。そして、結果として空き家が増えてくるのです。
2. なぜ空き家は増えるの?
誰しもが、自宅を空き家にしたくないですよね。
空き家になってしまうケースは初動の遅れが大きな要因です。
「終活」と言う言葉が流行って久しいですが、早め早めに準備をする必要があります。
先述のようなインフラの低下が起こり始めると同時に周辺の物件価格も下がってきます。ここを見逃さずに、資産性が高いうちに自宅の今後を考えた対応を行う必要があります。
自宅の流通(売却想定)価格が下がっても、購入時の価格と比較し「昔買った時は●●●●万円だったから、本当はその価値があるはず。そんなに安い金額ならば今はお金にも困っていないし、売らない」という考えになりがちです。
また、実際にご高齢の方に聞いてみると、「年々自分の所有物を手放すことに抵抗が出てきている」とおっしゃる方が多かったです。家のみならず、身の回りの物を処分したりすることを拒み、抱え込んでいく傾向が見受けられました。
このような状況になると、さまざまな面から自宅の売却が難しくなってきます。
また、購入当初より「何があっても売らないで永住する」と決めている方もいらっしゃいます。そうであれば「空き家」が増えることはあまりなさそうではあるのですが、なぜ、空き家は増えていくのでしょうか?
それは、「住み続けることができない」という、想像以上に過酷な現実がやってくるからです。
ご高齢のため介護が必要になる、面倒を見てもらえる親族や関係者の居住地に引っ越す、車の運転ができなくなり、商店や病院等のある市街地中心部に引っ越す・・・最後の最後まで自宅で生活ができる方はそう多くないのが実際です。
そして、住むのが困難と判断し家を出たとしても、売却しない、取り壊さない(建て直しをしない)ケースも多く、その結果空き家は増えていきます。
売りもせず、取り壊しもしない理由は2つあります。
1つは、売却してもその手間(心理的・作業的)が合わないからです。
思い切って破格で売却する方法もありますが、あまりキャッシュとしては残らず、場合によっては売却にかかる手数料などを考慮するとその手間に比して「赤字」になる可能性があるからです。
もう1つは、建物を残しておいた方が、固定資産税が抑えられるということが挙げられます。
マイホームや別荘などのセカンドハウスなどの小規模住宅用地(200㎡以下)は課税標準がは1/6に軽減されます。
しかし、建物部分を取り壊してしまうと標準税率の1.4%が適用されるため、空き家として放置して、税金を最小限に抑えようとするのです。
3. マンションと戸建で受ける影響は違うの?
マンションも戸建も受ける影響は同じです。
ただ、人口減とともに加速する高齢化のことも考慮すると、駅から離れている住宅は生き残りが難しくなります。
利便性の高い都心部の駅周辺となると、戸建は少なく、そもそもマンションが多いので、結論、駅近のマンションは値崩れが起こりにくいと考えられます。
また、マンションの方が賃貸に出した場合、借り手が見つかりやすいのも事実です。
そのため、いざとなった時に、収入源になることもあります。
4. 東京ならどこでも大丈夫?
マンションそのものの数が多くなってきた昨今では、選択肢が多くなってきています。
そのため、「都心などこでも大丈夫」という訳でもありません。
”街力”、つまり街に魅力がないと資産価値を保つのも難しいです。
「住みたいと思える街」=「買い手のつく街」と考えるとわかりやすいかもしれませんね。
”街力”とは、買い物の利便性、飲食店の充実、病院、公共施設、コミュニティーなどが充実しているかで測る街の魅力のことです。
これに関しては、ネットで情報収集するだけではなく、現地を歩いて確認してみてください。
「実際に住んでみたらどうかな」と想像しながら歩いてみると、その街の雰囲気、道幅、緑の多さなど実感できます。
あなたが現地を見て「住みたい」と思えるかが非常に大切です。
そして、”街力”でマンションを選ぶと、その後の生活満足度が変わってきます。
今のご自宅に「永住するのならば、さほど問題ない」と考える方もいると思いますが、周辺環境が激変した後もその考えが揺るがないでしょうか。
冷静に判断ができる、今、そして低金利の今のうちに一度、ご自宅を見直されることをおすすめします。
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プロフィール
コンドミニアム・アセットマネジメント株式会社
代表取締役 渕ノ上弘和(ふちのうえ ひろかず)
国内大手の管理会社2社にて、一貫してマンションの資産価値向上に向けた業務に従事。個人でも2物件の管理組合副理事長を務め、自身の培ったノウハウを実践しマンションの資産価値管理に臨む。
保有資格:不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、マンション管理士、AFPなど8種類以上
取材履歴:NHK「おはよう日本」、日本経済新聞、日経ヴェリタス、LIMO、GetNavi web 他
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