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ラグビー・オフシーズントレーニング 2 :”フェーズ1でやること” by Ashley Jones

翻訳時点:1月9日)今週から開幕のリーグワンにも関わらず、もうオフシーズンのことを書いています!笑

我々の業界で伝説的なS&Cコーチ、Ashley Jonesから彼のブログを日本語訳してくれないかと頼まれ、二つ返事で'Yes'と答えました。

本稿筆者:Ashley Jonesってどんな人?

"Ashley Jonesは日本のラグビーとも関係が深く1999年にサントリーサンゴリアスの、そして2008−2013にはサンヨー/パナソニックのパフォーマンスコンサルタントとして関わっています。そして、20年以上S&Cコーチとして世界トップレベルのラグビーチームで結果を残しています。彼が関わった代表チームはオールブラックス、ワラビーズ、スコットランド、そしてサモア。プロクラブチームはクルセイダース、エディンバー、ステイドフランセー、そして(現在は)MLRのヒューストンセイバーキャッツ。(佐々木より)彼のS&Cとしての知恵は本当に素晴らしいものがあります!是非とも学んで言ってください!"

https://www.elitefts.com/education/programming-for-a-full-off-season/
原文:Programming for a Full-Off Season

このポストにあたっての注意


*原文は全て英語になります。

**このラグビーのシーズンは彼が所属しているアメリカのMLRのスケジュールを元にしています。

***和訳にはかなり意訳も入っています。英語ではこういうが、日本語ではこういうと意味が通りやすいという場面がやはりでてくるので。もし不自然に感じた方は是非ご連絡をください。もしくは原文を読んでみてください。

****補足は(佐々木)としています。

オフシーズントレーニングで大事なこと

ここでは純粋にS&Cサイドの要素だけに焦点を絞りました。ただスキル練習もフィジカルの準備と共にやっていくことが大事になってきます。両方をしっかりやることによりコーチたちが選手たちに臨む準備度(レディネス)が向上します

フェーズ1の概要:トレーニング計画

Phase 1:8/2-9/5 の5週間

フォーカス:

1) 筋肥大&筋力+2) オフ・フィートコンディショニング*

* (佐々木)オフフィートコンディショニング:スプリントを使わないコンディショニング。

5週間のトレーニング計画表

Mechanical:これはAshがよく使う言葉で、筋肥大と筋力を向上させるためのエクササイズのことです。

Armor Plating:スーパーセットで体を追い込み、”鎧のような体”を作るAshの造語。


FB:全身 OFF:レスト Optional Circuit:必要であればするサーキットトレーニング


UB:上半身 LB:下半身

フェーズ1の内容

この最初のトレーニングブロックで最も大事なことは体のサイズと筋力です。オフシーズンであろうと身体組成を最適化に努め、そして有酸素能力をオフフィート・コンディショニングで始めます。このオフフィート・コンディショニングに使う機材としてはローイングエルゴメーター、スキーエルゴメーター、アサルトかワットバイク、そしてその他の有酸素マシーンがいいでしょう。

(佐々木)個人的にはローイングマシーンがかなりおすすめです。日本であるところが少ないですが。。。

サーキットはこの段階では非常に大事になってきます。目的としてはトレーニングボリュームを増やし、トレーニングにレジリエンスとメンタルタフネスの要素を入れていきます。またこれまで私はこのフェーズ1ではトレーニング負荷を上げ下げし適切に調節しながら、やることにバラエティーを持たせることで選手たちがこの期間にするべきことに集中できるように努めてきました。

(佐々木)こちらがAshが有名にしたBeastly Circuit
(666:6種類のエクササイズを6セット、6レップスずつやります。)

https://youtu.be/OwxHa1lifww

全てのプログラミングにおける用語や例はこちらのリンクにあります(*全て英語です)


https://www.elitefts.com/education/the-combined-seasonal-training-chart/

ウェイトトレーニングプログラム

以下が今まで使ってきたウェイトルームでのプログラムです。エクササイズの選択は主に選手によります。必ずコーチと話し合い、そしてトレーニング年齢(佐々木:つまり、ウェイトトレーニングの経験)と過去の怪我の既往歴を頭に入れておきましょう。(佐々木:過去の怪我が未来の怪我を予測する1番の指標となります。)

FB Mechanical(全身トレーニング:筋組織に集中する)

1xスクアット(膝関節中心)= スクアットグループから一つ選択

*次のエクササイズの動きが両足が地についたエクササイズならば片足のエクササイズを選択。(佐々木:次のエクササイズがデッドリフトならシングルレッグスクアットやブルガリアンスクアットなどをまず選択)

1xヒンジ(股関節中心)= ヒンジグループから一つ選択

*前のエクササイズの動きが両足が地についたエクササイズならば片足のエクササイズを選択。(佐々木:前のエクササイズがバックスクアットならシングルレッグRDLなどを選択d)

1x上半身のプッシュ(水平方向 もしくは 垂直方向)

1x上半身のプル(水平方向 もしくは 垂直方向)

1xキャリーとCARE(5):

(佐々木:ストロングマンスタイルのキャリーと後述のCAREから5つのエクササイズを選択)

(佐々木)例:全身トレーニングエクササイズ選択例

  1. セイフティーバースクアット

  2. ダンベル片足RDL

  3. スイスバー ショルダープレス

  4. ベンチプル

  5. ケトルベルファーマーズキャリー

  6. CARE:アブローラー、ベアクロール、肩:ローテーターカフエクササイズ、ウォールエンジェル

UB Mechanical (1) 上半身1

1x上半身プッシュ(水平方向)

1x上半身プル(水平方向)

1x上半身プッシュ(垂直方向)

1x上半身プル(垂直方向)

Armor Plating:胸と背中のスーパーセットと上半身CARE

B Mechanical (2) 上半身2

1x上半身プッシュ(垂直方向)

1x上半身プル(垂直方向)

1x上半身プッシュ(水平方向)

1x上半身プル(水平方向)

Armor Plating:肩と腕のスーパーセットと上半身CARE

LB Mechanical (1) 下半身1

1xヒンジ中心(両足)

1x膝とヒンジのスーパーセット(片足)

1xハムストリング特定のエクササイズ

1xキャリー、もしくは下半身Armour Plating+下半身CARE

LB Mechanical (2) 下半身2

1x膝中心(両足)

1x膝&ヒンジスーパーセット(片足)

1xハムストリング特定のエクササイズ

1xキャリー、もしくは下半身Armour Plating+下半身CARE

私は体を追い込むためのエクササイズチャートを用意して選手たちに選ばせるか、もしくはその日に一緒に決めるようにしています。

その他に重要になってくるのはCAREプログラムです。これはCore(体幹)、Accessory(アクセサリーエクササイズ)、Rehab(リハビリテーション)の頭文字です。(上半身や下半身などの大枠は決まっていますが、その中で)何をするかは私がコーチングをしている選手たちには彼らがプレーしているポジションや既往歴によってチャートから決めてもらいます。(佐々木:そのチャートはこのブログには含まれていません)

キャリーに関してですが、私はThibaudeauが作ったチャート使用しています。

(和訳)

ゴール列:(左から)筋力、筋肥大、レジスタンス(筋持久力)

MInimum Distance= 最低距離

Maximum Distance= 最高距離

Ideal Distance= 理想の距離

Sets= セット

Rest= レスト

このフェーズでのセット&レップスですが、以下のように私は強度やボリュームを上げ下げしています。

(和訳)

真ん中の列:筋肥大か片足のエクササイズの場合

右の列:筋力か両足の場合

以上

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