ケース・バイ・ケース
この前、僕がテニスを教えている高校生の子どもにインスタグラムで見たテニスのアドバイスについて質問されました。
たしかフォアハンドのフォームについてだったはず。
これをどう思うか、と。
僕は結構迷った後、「ケース・バイ・ケースだから何とも言えない」と応答。その子はあまり納得のいっていない表情でしたが、その話はそれで終わりました。
最近インタグラムでテニスコーチによるワンポイントアドバイスの動画を良く見かけるようになりました。特に多いのが、これはやっちゃダメ、これはオッケーという表現を使ったアドバイス動画。
動画によってはとても丁寧に解説しているし。それでいて、インスタグラムの尺に収まるシンプルかつ的確なアドバイス。ためになる動画は結構多いんですよね。
これじゃテニスコーチとしては商売あがったりじゃないか、と思いながら見ています。
ただ、このように白黒はっきりと言い切るアドバイスは注意しながら見たほうがいいとも思っています。
人生何ごともケース・バイ・ケースなので。
あれはダメ、これはオッケーという風に、一般化されたアドバイスを鵜呑みにするのはちょっと危険かなと。いや、アドバイスが決して悪いというわけではなく、一般化されていることを理解する必要がある、ということ。
英語だとこのような一般化されたアドバイスを Cookie Cutter advice なんて言い方もしまして。要はアドバイスをもらう側の人間を、アドバイスをする側の人間の「型」にはめ込む。それが Cookie Cutter。クッキーの型どりをする時に使う銀色のアレです。
ちなみにこの Cookie Cutter という言い方は、基本良い意味では使われません。だって何事もケース・バイ・ケースですから。
しかし、コーチという生き物は気づかないうちに生徒たちを自分の型にはめたがる習性がある気がします。このやり方はいいけど、このやり方はダメ。何故そのやり方は良くて、あっちのやり方はダメなのか。
ケガのリスクが高まるから?
バイオメカニックス面から見て効率的ではないから?
生徒の身体的成長に見合っていないから?
他の人がそう言ったから?
本当の意味での学びはケース・バイ・ケースで出されたアドバイスからこそ生まれやすいのでは。
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