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【バスケ・動画あり】まったくの初心者がうまくなるシュート練習法

はじめに

突然ですが、あなたはシュートが得意ですか?
または指導者の方ならば、シュートを教えるのが得意ですか?

この答えが「No」という方、けっこう多いと思います。

バスケットボールは点を取るスポーツですので、シュートが入らなければ勝てません。パスやドリブル、ディフェンスや走ることなど、いろいろありますけど、それらは結局「シュートを入れるため」のプロセスに過ぎないのです。

ところで、シュートの上手な人とは、そうでない人と何が違うのでしょうか?答えは「正しいシュートフォームを身につけている」ということです。フォームが正しいから成功率も高い。すごく簡単なことです。

わたしは自分のシュートフォームを確立しているので、シュートが入りますし、教えることもできます。ちょっとだけ動画をご覧ください。

それであれば、なぜ多くの指導者は「正しいシュートフォーム」を教えないのでしょうか?ちゃんとしたシュートフォームを今まで一度も教えてもらったことがないという選手が多いのはなぜでしょうか?

それは「シュートフォームは教えるのが難しい」からです。もっと言えば「何が正しいシュートフォームなのかがよくわからない」ということです。

シュートが良く入る人はたくさんいます。でも、みんな個性的です。1人として同じシュートをする人はいません。みんな少しずつ違います。

だから「共通した正しいフォーム」というのをピンポイントで見つけるのが困難なのです。これは多くの選手を教えて、たくさんのプレイを見た経験がないと、わからないことです。

今回、本書をまとめたのは、わたしの指導者人生の集大成として「正しいシュートフォーム」が何かわかったからです。それを10年前の自分に向けて「こういうことなんだよ」と教えてあげるように書きました。

もし10年前のわたしと同じように、「正しいシュートフォームが何かよくわからない」という指導者の方がいたら、お役に立てると思い、まとめました。またこれを読んでくれているあなたが現役の選手だとしても、きっとお役に立てるはずです。

「先生、まったくの初心者がバスケを始めたとして、何から教えたらいいですか?」という質問があれば、わたしは迷わず「そりゃシュートのフォームですよ」と答えます。本書が、みなさんのバスケットボールのお役に立てることと信じています。

文章の解説に加えて、動画もあります。良いシュートフォームが身につく練習法をわかりやすくお伝えしています。


シュートフォームは本当に難しいの?

今まで、たくさんのバスケットボール選手を見てきました。シュートが良く入る子もたくさんいました。でも「あの子のシュートはなぜ入るのか?」はよくわかりませんでした。

というのは、人によってフォームが全然違うからです。多くの教科書に書かれているように、こと細かに教えてみても、それがぴったりハマる子と、まったくうまくならない子がいます。また、うまい子の真似をさせて「あの子みたいに投げてごらん」と教えてみても、あんまりうまくいきません。「正しいフォームの共通点は何なのか?」。この言葉が、わたしの頭のなかをぐるぐる回ります。

フォームを観察するだけじゃだめだと思ったわたしは、良くシュートが入る子に「何を考えて打ってるの?」と質問しました。生徒の言葉から、共通点を導き出そうとしたのです。しかし、どの子も「なんとなくです」、「まっすぐ投げようとしてます」くらいの答えしか返ってきません。わたしのイメージした答えとはかけ離れています。

でも、毎年生徒たちの声を聴いていくうちに、ある仮説を立てました。「シュートフォームは、わたしが考えているほど、難しいことを気にしなくていいのではないか?」ということです。良く入る当の本人は、細かいことなど気にしていないのですから。そう考えると、わたしがしていた指導は、まったくもってコスパの悪いことをしていました。すごく細かいことに神経を使わせて、選手を迷わせていたのです。腕の角度が違う、足の開き方がちがう、もう5センチ右だ、左だ、とどんどん口うるさくなっていく自分に気がつきました。

細かいことを気にすればするほど、シュートが入らなくなる。でも、シュートの指導書には、細かいことが書いてあります。ある指導書には良いとされていることも、別の指導書にはダメと書いてあったりします。

なるべく細かいことを見つけ出そうとしていたわたしは、それまでの追及を一切やめて、逆に「たったひとつだけ意識しなければならない点はどれだ?」という探求に頭を切り替えました。すると不思議と、今までまったく別々に見えた子供たちのシュートフォームから、ひとつの共通点が見えたのです。

それは「ボールをつかんで、肘を伸ばす」ということ。たったそれだけでした。

わたしは高校時代、恩師の金子先生という方に、シュートフォームを丁寧に教わりました。そのおかげで、今でもシュートは良く入ります。その先生の口ぐせは「ボールをつかめよ」「肘をのばせよ」この2つでした。

指導者になってフォームを深堀しようとしたわたしは、この大事な教えを忘れて、迷子になっていたのです。

若い選手、そして指導者の方にアドバイスです。シュートフォームを難しく考えないでください。「ボールをつかんで、肘を伸ばす」これだけできれば、必ずシュートは入ります。逆に言えば、それ以外のことは気にしなくていいです。

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