【7】 自己イメージに従って認識している

私たちは、世界の様々な物事に対して「それはこういうものだ」「それはこうあるべきだ」という信念を持っています。
そして、「これが真実である」という信念の集合として、それぞれの人に独自のリアリティが存在しています。
私たちはリアリティと一致する情報だけを認識しており、それ以外の情報はスコトマになるため認識していません。

リアリティのなかでも、特に自分自身に関するものは自己イメージ(self-image)と呼ばれます。
「自分はこういう人間である」「自分は他人からこういう人間であると思われており、実際にそういう人間である」といった信念です。
重要なのは、これらは真実ではなく、「真実」だと信じていること、つまり自分自身の信念にすぎないということです。

「自分はコミュニケーションが苦手な人間だ」という自己イメージを持っていても、周囲の人たちからは「話しやすい人」と思われているかもしれません。
「自分は影響力のない人間だ」という自己イメージを持っていても、その人の発言で人生が変わった人が何人もいるかもしれません。

実際に自分がどういう人かではなく、「自分自身のことをどのような人間であると信じているか」が自己イメージとなります。

しかし、ほとんどの人は、自己イメージが自分の真実の姿であると思っています。
なぜなら、リアリティの一部である自己イメージにおいても、「私たちは『真実』と信じていることしか知覚できない」という原理が働いているからです。
つまり、「自分はコミュニケーションが苦手な人間だ」という自己イメージを持っている人は、「自分はコミュニケーションが苦手である」という信念が正しいことを証明する情報しか認識していません。

そのような自己イメージの人は、話している相手がリラックスしていたり、楽しそうにしていても、スコトマとなって認識できません。
あるいは、認識したとしても、自分とは関係なく相手がそういう人なのだろうと思ってしまいます。
このように、自己イメージと一致する情報だけを認識するため、ますます現状の自己イメージは強化されていきます。

コーチングでは、ゴールを達成するためにアファメーションやヴィジュアリゼーションといった方法を用いて自己イメージを変えていきますが、その前提として、「自己イメージは真実ではなく、自分が『真実』だと信じていることに過ぎない」ということを理解し、体感することがとても重要です。

ワーク
自分は自分自身のことをどういう人間だと思っているかをできる限り書き出してみましょう。
現在の自己イメージを意識に上げることは、自己イメージを変えていく上でとても重要です。

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