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コーチングの基礎

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ルー・タイスのコーチング・プリンシプルに基づいたマインド(脳と心)の仕組みと上手な使い方について説明しています。各記事には1つのテーマの解説と、それに対応するワークが含まれていま…
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#エフィカシー

【9】 エフィカシー

コーチングにおいて中心的な概念をひとつ紹介します。 「エフィカシー(efficacy)」という概念です。 コーチングにおけるエフィカシーの定義は、「自分のゴールを達成する自己能力の自己評価」です。 「自分はその目標を達成できる人間だ」という確信の強さと言ってもいいかもしれません。 「コーチングでは何をするのか?」という質問に一言で答えるなら、「エフィカシーを上げること」と言うことができます。エフィカシーは、それほど重要な概念です。 エフィカシーも自己イメージの一部で

【10】 セルフ・エスティーム

エフィカシーと対になる概念が、セルフ・エスティーム(self-esteem)です。日本語では、自尊心と訳されます。 セルフ・エスティームもエフィカシーと同様に自己イメージの構成要素です。 エフィカシーの定義は「ゴールを達成する自己能力の自己評価」でした。 それに対して、セルフ・エスティームの定義は「自分の価値に対する自己評価」です。 エフィカシーがゴールという未来に起点がある概念であるのに対して、セルフ・エスティームはゴールとは関係なく、どちらかというと過去に基づいて

【28】 環境のコンフォート・ゾーン

前回の記事では、コンフォート・ゾーンの内側にいるときと外側にいるときの反応について考えました。 今回は、環境のコンフォート・ゾーン(environmental comfort zone)について考えていきます。 私たちのコンフォート・ゾーンは、自己イメージによって決められていることを以前の記事で紹介しました。 創造的無意識は「自己イメージ」と現実が一致するように働きますが、両者が一致していると判断される範囲をコンフォート・ゾーンと呼ぶからです。 自己イメージには、あらゆる

【29】 コンフォート・ゾーンと人間関係

前回は、環境のコンフォート・ゾーンについて扱いました。 今回は、その具体的な例として、人間関係についてコンフォート・ゾーンの観点から扱います。 私たちは環境と相互作用しながら、生きています。 外が暑ければ、汗をかくことで体温を下げようとします。 部屋にいれば、冷房をつけることで部屋の温度そのものを自分にとって快適な高さまで下げることもできます。 このように、人は環境から影響を受けつつ、環境に影響を及ぼすという双方向性をもちながら生きています。 そして、無意識に自分にとって快

【51】 セルフトークのコントロール

ルー・タイスの方法論では、アファメーション、ヴィジュアリゼーション、セルフトークのコントロールの3つが、マインドを変えていく中心的な方法になります。 今回は、セルフトークのコントロールついて、説明していきます。 セルフトークとは?私たちは常に頭の中で言葉を発しています。それが独り言として口に出る場合もありますが、ほとんどは口に出さずに心の中で言っています。 例えば、物を探している時に「どこにあるのかな〜」と頭の中で呟いていたり、何か上手くいかなかった時に「また失敗してし