15歳からの苫米地理論実践録
この記事では私が尊敬する認知科学者の苫米地英人博士との出会いを中心に書きます.私は15歳から博士に学んで仕事からプライベートに至るまで人生のあらゆる側面にその知見を活用している人間です.
苫米地博士は知の巨人で膨大な「知識・技術群」はマインド関係だけでも,コーチング|洗脳|催眠|瞑想|気功|古武術|次世代リーダーシップなどがあり,その応用範囲は多岐にわたります.
私はこれら全ての訓練を受けた上で,博士の知見を社会起業や政治などの「社会変革領域」に応用することをライフワークとしています.
2023年12月『日本転生~絶体絶命の国の変え方~』が出版されました.私たちの国は目に見えて悪くなり世界情勢も暗澹としています。皆様も肌で感じておられるでしょう.
マインドとは,脳と心と身体のことです.これらを高度に扱う博士の知見は人生を好転させるためにも社会を変革するためにも有効です.一方で,全ての人に次世代のマインド知識が広がるには時間がかかります.感度の高い人たちが先駆けて学び、社会に働きかけていくことが必要です.
しかしながら,数百冊の書籍が入口に過ぎない博士の知識・技術群は多くの方にとってハードルが高く感じられるようです.本や動画で語られている内容が「本当に可能なのか」と半信半疑に思う人もいるようです.
これらを学び実践し続けた私は確信しています.
私の実体験を通してこの景色を共有します.
15歳からの【苫米地理論実践録】をご覧ください.
存在意義|私は何者なのか
考えてみると自己紹介というのは難しいものです.職業や肩書き,好き嫌い,出身地を語ってみても,それらは自分のほんの一部でしょう.
社会起業家|Professional Coach|次世代リーダー育成|研究|政治活動|を職業としていますがこれらは私の「本質」ではありません.社会の課題,人とのご縁,自身の情熱から選択しているものです.
私の職業でもある苫米地式のコーチング理論では「心から望むゴールによって人間は規定される」と考えます.本当はもっと深い話ですが目的があれば人は変化するということです.
この大前提に立つならば,自己紹介の最良の方法はゴールの共有でしょう.
"いのち輝く美しい世界を実現する"
これが私の人生を懸けたゴールです.人間はもちろん,生きとし生ける全ての生命がその存在を輝かせる世界.それを実現することが私の夢でありそのために全ての思考と行動があります.
とは言え,抽象度の高いゴールだけでは伝わらないと思いますので,幼少期から現在に至るプロセスを語っていきます.
権力と抑圧|自由が失われるとき
そのゴールが朧げに見え始めたのは大学時代です.突然、目の前に現れたようでもあり.人生で直面した様々な出来事から運命的に導かれたようでもありました.この頃まで私は二つの相反する思いを抱いて生きていました.
「こんな世の中なら生きていたくない」
「自分に与えられた人生を謳歌したい」
なんとも矛盾していますが,どちらも本心でした.生きていたくないと感じていた理由は小学生時代に遡ります.
権力との衝突
ある教師の体罰で首に怪我をしました.授業中に悪ふざけしていた私を注意するために,腕を引っ張ったことで起きた事故でした.それ以来,学校に通いづらくなりました.首の怪我からくる体調不良で休みがちになったこと以上に,学校や教師に不信感を抱いてしまったことが大きかったのです.
子どもですから,授業中であっても他に関心が向くことはあります.授業の内容に興味が持てないこともあります.それを行動で表現しただけで,怪我を負って、両親に心配と負担をかけて転校することになり,同じ学校に通っていた友人を失うことになりました.
常識なき正義
多くの学校や教師は真っ当です.洗脳教育的側面や時代遅れな箇所はあれど日本の教育システムは先人が残してくれた遺産だと思います.学校と教師は子どもにとって「権力」でもありシステムは暴走するということです.
文部科学省という官僚組織や教育関係の様々な法律が各地域に学校や教師という形で現れる.その巨大な構造はある種の「正義」であり,異議を唱える存在は大なり小なり不遇な目にあいます.
「学校における正義」に反した行動が不都合だったのでしょう.指導という名目で体格差がある子どもに暴力を振るうことは果たして「常識的」だったと言えるのでしょうか.
抑圧の始まり
さらに,怪我をして不登校になった私と私の両親に対して,学校側は転校に反対をしました.その学校の問題を外に出さないために「一連の経緯を中学校まで申し送りして便宜を図ることもできる」と打診までしました.温厚な母もこれには激怒しました.
両親が転校を快諾してくれたので次の学校には通えましたが,心のままに生きることを無意識に恐れるようになりました.コーチング理論で言うところの「want to(心から望む)」を自ら押さえ込むようになったのです.
これらの経験は私が職業としてコーチングを社会に広める大きな原動力となっています.抑圧的な生き方がいかに苦しく,自分にとっても社会にとってもマイナスであるかを私は自身の体験から知っているのです.
高校受験|ゴール設定が道をひらく
have toで生きる景色
こうした経緯もあり,中学時代はぼんやりとした日々を過ごしていました.自分の素直な気持ちにしたがって行動することにブレーキをかけていたので薄くモヤがかかったような思い出になっています.
象徴的なエピソードとして,太宰治の『人間失格』を読んだときに,自らを偽って生きる主人公が自分に重なって気持ちが悪くなったことがあります.若い時代はアイデンティティの悩みに事欠かないので特別なことだとは思いませんが,それくらいには陰鬱さを抱えていました.
友人には恵まれ,成績もよく,部活で陸上もやっていたので傍目にはそう見えなかったことでしょう.小学生まではテストでいい点を取るために勉強するという発想はなく宿題もサボりがちだった私が中学から急に「優等生」のように振る舞っていたのは権力に目を付けられないためでした.
努力現象を引き起こすもの
そんな中でも,高校受験は「want to」のエネルギーで結果を出せた例でありゴール設定の圧倒的な威力を実感した出来事でした.
志望校について考え始める時期に,なぜか急に行きたい高校ができました.地元香川県の中では二番目くらいに偏差値が高い学校でした.志望校を決めた段階ではテストの点数と内申点がどちらも足りない状況でした.しかし,私には不思議とその高校に入っている自分に「確信」がありました.
「足りない成績は伸ばせばいい」と考えて二つのことをしました.一つは,全ての授業で先生が生徒をあてる時に発言することです.中学最後の1年間は,全授業の全発言機会でやりました.内申点を上げるためです.狙い通り,通知表の成績はほぼ満点になりました.二つ目は,テストの直しです.一度テストに出た問題は確実に取れるように,テストが帰ってきたその日に全ての復習をやりました.人前で発言することは苦手意識を持っていましたし,宿題や自習も続かないタイプだったので中々の「努力」でしょう.
心の視線が向かう先へ
他愛のない例ですが,「人間の認知のカラクリ」をよくあらわしています.志望校を決めるまでの私はできれば勉強はしたくない人間でした.成績をある程度にしていたのは,教師に目をつけられないという目的意識があったからです.実際,友達と校則を破った時にも成績が悪い順に強く叱られていました.ですが,そのゴールでは志望校に入学できるほどの成績は必要なかったのでそこまではやっていなかったのです.
この間,親や教師から「勉強しなさい」とは一度も言われていません.完全に「自分の意思」で行動していました.コーチング理論を持ち出せば自明ですが,教育における最も重要な仕事は「子どもが心から望む未来を見つけさせてあげること」です.ゴールがなければ学習現象は起こりません.無理に何かを押し付ければ,自分の心がわからない人になってしまいます.
この記事を書いている今,苫米地式認定コーチの仲間たちと共にイベントの準備をしています.次世代を担う子ども達にコーチングマインドを届けるという観点から各コーチが,学校や行政,企業,家庭へのコーチング導入事例を紹介する場です.次世代を担う人材は次世代の教育によって生まれます.今後も様々なプロジェクトを展開していきます.
運命の出会い|バイオパワーとの戦い
情熱が消えるとき
受験を思い描いたとおり突破したのも束の間,高校では勉強する目的を見出せず成績は急降下します.洒落にならないレベルで学業を無視していたので学年でほぼ最下位.校長・教頭・学年団長との指導面談をコンプリートして挙句の果てに制度の存在すら知られていない「仮進級」になりました.
考えてみれば当然なのですが,私が目指していたのは「志望校に入学すること」です.その目的を達成したら勉強する理由がなかったのです.「さすがに手を打たないとマズいのでは」という思いはありました.それ以上に,自分の心を震わせてくれる何かとの出会いを渇望していました.
読書が新しい知識を与えてくれることは知っていたので,高校の勉強に背を向けてよく本屋に足を運んでいました。特に関心をもって読んだ本は、勉強法や脳科学、心理学、経営、人生哲学に関するものです。余談ですが,現在の私の職業や専門領域とその頃に読んだ本とが似通っていると気づいた時には「人間の無意識が望むものを選び出す能力」に感動を覚えました.
蜘蛛の糸をつかむ
成績があまりにも悪かったのでコツコツ勉強する気も起きず,頭そのものを良くして一気に巻き返すという戦略を立てました。「他の人に比べて10倍速で学べる頭脳を手に入れたら受験までに追いつけるかもしれないし開発した能力は生涯の資産になる」という発想でした.
色々な本から記憶術や思考整理術、ノート術の存在を知りました.IQや思考速度そのものを高める方法も真偽はともかく発見しました.かなりの冊数に目を通して,能力を数倍くらいにできる可能性は感じていました.一方で,そうした書籍の多くは科学的根拠に乏しく,著者経歴等から推測するにそれほど天才的な人物はいませんでした.その時,平置きされた一冊の本が目に飛び込んできました.
苫米地英人博士との出会いでした.タイトルを見て私は衝撃を受けました.人間の能力開発は5〜10倍がいいところだろうと思っていました.しかし,50倍はあまりに魅力的です.「この人は大嘘つきでなければ大天才だろう」と思って本を手に取りました.
正直に言うと,内容は全く理解できませんでした.言葉としては読めます.博士の本としては文量が少なく平易な表現で書かれていました.それなのに「行間にある何か」が驚くほど掴めません.
当然です.万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチや空海,宮本武蔵のような「大天才のマインドの使い方の本質」について書いていたのです.抽象度の概念も知らない高校生には相当ハードルが高い本でした.専門用語が羅列されていたなら諦めがついたかもしれませんが,言葉自体はものすごく平易なので理解できないことが不思議でした.
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