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【次世代人材の育成7️⃣】 次世代人材のゴールは、「現状の外側」があたりまえ


ゴールと目標

パフォーマンスを上げるために、新しいコンフォートゾーンに移行する必要があり、そのためには「ゴール」が必要だと言いました。

ここでいう「ゴール」というのは、よく使われる「目標」とは違います。

目標の定義はいろいろあると思いますが、ビジネスのうえでは達成すべき期限が決まっていて、その達成方法は概ね分かっており、いかに着実に達成に向けて上手にリソースを使うのかが求められているものだと言えるでしょう。

一方、「ゴール」というのは現状の外側にあって、ぼんやりとしているもので、その達成方法は全く分かりません。達成方法があらかじめ分かっているゴールのことを、あえて「現状の内側のゴール」と言ってコーチングでは設定してはいけないものとしています。

ゴールを設定するのは難しい

実は「ゴール」というのは設定すること自体がとても難しいものです。

「次世代人材の育成3️⃣」で説明したように、現状の外側というのは現在の自分にとっては意識の外にあって重要ではない場所なので、RASの働きにより認識には上がってきません。そんな場所にゴールを探すのですから、難しいのは当たり前です。

でも、その「現状の外側」に設定しなければ「ゴール」とは言いません。

とても困ったことになりました。そんな時にコーチがいれば、現状の外側にゴールを設定するのをサポートしてくれます。でも、コーチがいない場合はどうすればいいでしょうか?

ゴールを探すには「やりたい」気持ちが大事

現状の外側という条件以外に、もう一つ重要な条件があります。それは、「ゴール」は心からやりたいこと、誰に止められてもやりたくて仕方がないことであることです。

その「やりたい」という気持ちがゴールを見つけるのにはとても役立ちます。

人生の様々な側面を上下左右に探索してゴールを探す

たとえ仕事のことでは心からやりたいことがまだ見つけられていないとしても、人生のその他の分野でなら、何か心からやりたいことがあるかも知れません。趣味でも、生涯学習でも、社会貢献でも、スポーツでも、どんな分野でもいいので、「心からやりたい」という気持ちになる事を探してみましょう。

まずは心が一番動く分野で、現状の外側にある、到達方法が分からないゴールを設定してみるのです。

その時、「抽象度の高さ」を考慮するとゴール設定に役に立つかも知れません。抽象度とは、Levels of Abstractionを日本語に直したものですが、抽象化の度合いのことです。ここでは、自分一人のことだけでは無く、一人でも多くの人を視野に入れてゴールを考えることを、抽象度高く思考してゴール設定する、と言いたいと思います。

臨場感を感じて新しいコンフォートゾーンへ

そして、ある分野でゴールを設定できたら、そのゴールを達成した時の自己イメージと新しいコンフォートゾーンを詳細にイメージしてそこに臨場感を感じてみる。すると、人生のほんの一部分かも知れませんが、新しいコンフォートゾーンへ移行できます。

自分が心からやりたい事であれば、どんどんイメージが湧いて楽しくなってくるでしょう。だから、まずはそこから始めてみるのです。

それが出来れば、肝心の仕事についても同じ感覚で「現状の外側のゴール」を探してみましょう。今度はすでに新しいコンフォートゾーンへずれ動いているので、少しだけ設定しやすくなっているはずです。

(『次世代人材の育成8️⃣』につづく)

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