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未知の状況でうまく乗り切るには

「マーケティングなら、おまかせください!」

毎日SNSで情報発信したり、情報収集したりしていて、いつも目に止まる広告があります。たとえば、

「コーチやコンサルなどの士業の方、
集客のためのマーケティングなら、おまかせください!」

といった風のマーケコンサルの広告があって、いつもどういう人がこの広告のターゲットなのだろうかと考えてしまいます。以前に広告会社で働いていたことがあるからかも知れません。


ここでいう「マーケコンサル」とは、コーチやコンサルだけではなく、カウンセラーやキャリアコンサルタント、スポーツトレーナーなどとしてビジネスをしている個人事業主や小規模の会社を相手に、マーケティングの一部である、主にSNS運用を中心とした集客サポートを行う人または会社のことです。

あなたのビジネスは標準的?典型的?

先ほどの広告の中で取り上げられている「コーチ」や「コンサル」というのは、人によって得意とする領域や顧客層、サービスの提供方法や価格帯などは多種多様です。でもたぶん、この広告が対象としている「コーチ」「コンサル」は、標準的、もしくは典型的と考えられるコーチやコンサルなのです。ここで標準的、典型的というのは一般的に何か特定のものを指すのではなく、ただこの広告主が提供する定型的なサービスに相性のよいタイプのコーチやコンサルという意味です。どちらかというと受益者目線ではなく、売り手目線でコーチやコンサルを定義しているように感じます。

もし、あなたがこの標準的、典型的なタイプに合致しているのであれば、このマーケコンサルが提供するサービスは効果があるでしょう。でも、あなたがその標準的、典型的なタイプだとしたら、あなた以外にも似たようなコーチやコンサルがたくさんいるはずです。それならば、すぐに後発者が次々に出て来て、同じようなマーケコンサルの手を借りてマーケティングを強化してくるので、あなたはすぐに激しい競争に晒されることになります。

個性的なあなたが行うビジネスにも個性がある

では、もしあなたが他者とはコンセプトや商品特性、それに顧客層や価格帯も全く違うビジネスをしているならどうでしょうか?

例え集客のための情報発信を行う場として、他者と同じメディアやプラットフォームを利用するにしても、使い方は随分と違うと思います。あなた固有の事情やこだわりに応じてコンテンツも発信の仕方もカスタマイズしていくことになるでしょう。

だから、外部のマーケコンサルにサポートを依頼するなら、あなたのビジネスに固有の事柄に対して、きちんと対応出来る人を探すのが大事なポイントです。

ところが、そのためには自分がやろうとしているビジネスについて、自分自身が十分に理解していないといけません。さらに、自分がやりたい情報発信や潜在顧客との接点の持ち方について、はっきりとしたイメージがなければ、そもそもマーケコンサルに何を依頼すれば良いのかが決められません。まして、そのマーケコンサルがあなたのニーズを満たしてくれる力量があるかどうかを判断することなどできません。

やはり、現状の外側は見えない

これはコーチングにおいて、ゴール設定した後に発生する状況に似ています。

コーチングでは、まずコーチはクライアントに現状の外側のゴールを設定するように促します。ゴール設定自体が難しいのですが、仮にとりあえずゴール設定は上手く出来たとします。

ところが、現状の外側にゴール設定した直後には現状の外側の様子がはっきりと見えません。まだ多くのことがスコトマ(盲点)になって隠れていて、これから徐々にスコトマが外れて、いままで隠れていた所が見えるようになりつつある段階です。当然、ゴールへの到達方法など分かるはずがありません。

先ほどのマーケコンサルにサポートを依頼するかどうかを迷っている段階に状況が似ていると思いませんか?

つまりは、こういう事です。

あなたはコーチもしくはコンサルになる事を決めました。そして、何か社会課題の解決につながるようなゴールを現状の外側に設定したのです。けれども、ゴール設定した直後はまだ現状の外側ははっきり見えず、ゴールへの到達方法も分かりません。

そんな状態なので、当然、どのようにマーケティング活動を行ったら良いのかも、マーケコンサルに何をどのようにサポートして欲しいのかも分からないものなのです。

でも分からないながらもマーケティング活動は必要だということは分かるので、丸投げしてでもプロのマーケコンサルに相談してみたいと思うのも理解できます。

とは言っても、広告でよく目にするマーケコンサルは、いわゆる「典型的」なパターンでビジネスを展開するコーチやコンサルに対するサポートを最も得意としています。

一方で、あなたのコーチやコンサルとしてのビジネスは、その典型からは外れています。

困ったことになりました。(でも、よくある話です。)
この状況をどのように切り抜ければ良いでしょうか?

未知の状況を上手に切り抜けるには

そこで少々回りくどいようですが、まず一般的に突然、現状の外側に出てしまった時の対処方法から考えてみましょう。

これまで慣れ親しんできた現状の中にいたあなたにとって、一歩現状の外側に出てしまえば、そこは全くの未知の世界です。現状の外側に出たということはコンフォートゾーンの外側という事なので、居心地が悪くてリラックスした状態でいるのは難しいでしょう。

脳は緊張した状態では、情報のインプットもアウトプットもスムーズに行きません。だから、現状の外側に出てすぐに新しいものを取り入れて、それを使いこなしながら目の前の状況に対処するのはとても難しいことです。そんな時はすでに手元にあるリソースをいかに新しい環境で上手に活用するのかを考えるのが得策です。手元にあるリソースは基本的な扱い方に慣れていますし、別の角度から眺めてみると、意外と色々な使い道があるものです。

つまり、現状の外側のゴールをしっかり維持したうえで、新しいコンフォートゾーンを頭の中で思い描き、臨場感を感じながら、手元にあるリソースを活用して物理的な新しいコンフォートゾーンにもどんどん慣れていく。

そうやって行くうちに、スコトマが外れていき、認識出来るものが増えていきます。そしてある時、ゴールへ近づいていく方法が分かって来るのです。

コーチやコンサルとしてスタートした時、もしくは、マーケティング活動を始めることになった時も、同様の対処の仕方が有効だと思います。どちらも現状の外側に出てしまった瞬間だからです。

まず自分がやろうとしているコーチやコンサルというビジネスについて、居心地がよいと感じる新しいコンフォートゾーンをはっきりとビビッドにイメージします。その新しいコンフォートゾーンが明確になれば、どのようなマーケティング活動が適切なのかが自然と見えてきます。

ここまで来れば外部のマーケコンサルにサポートをお願いするにしても、きちんとオリエン(発注したい内容の説明と指示)ができると思いますので、無駄な作業や、納品されたものが期待したものと違ったなどというトラブルも少なくなると思います。

とはいえ、時間を短縮して、すぐにマーケティングで成果を上げたいと考える人は、最初からマーケコンサルにお願いしても良いでしょう。ただし、発注者のあなたが明確なオリエンが出来なければ、結局のところ何度も何度もマーケコンサルにプランを出し直してもらうことになりますし、何度プランを出してもらってもマーケコンサルにあなたのビジネスを理解してもらえるかどうかはわかりません。お金ばかりがかかってしまうので、明確なオリエンが出来るようになるまではやはり自分でやれる範囲でマーケティング活動を頑張る事をお勧めします。

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