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実はみんな現状の外に出たいのだ

以前勤めた会社でマネージャーだった頃を振り返って、コーチングを受けて欲しかったと思う人がたくさんいる。

会社ではどうしてもその会社の習慣やルール、それに思考の傾向みたいなものに染まっていかざるを得ず、会社色にきれいに染まった方が評価も高くなる。

会社の仕事が好きで好きで仕方がないという人は染まり切っても良いだろうが、たぶんそう言う人は少数派だろう。でも、どちらかと言えば会社の仕事が好きだという人なら、結構多いと思う。

心から好きというわけではないが、収入や職場の人間関係まで含めて考えると、「まあ、こんなものだろう」という意味で、どちらかと言えば好きなのである。本人がそれで良いなら他人がどうこう言うことではないのだが、本当はもっと貴重な経験が出来る可能性があるのに、「どちらかと言えば好き」という程度で、その可能性を諦めてしまうのは惜しい。そういう人には、一度コーチングを受けて欲しい・欲しかったと思うのだ。

現状がそこそこ居心地が良くて、あえて、その外側へ出る理由も見当たらない。現状の外の世界はどんな所なのか分からないし、きっとリスクがあるのだから、ここに留まりたい。

そんな声が聞こえてきそうだ。

でも、そこがどんなに居心地が良い場所でも、そこに居る時間が長くなってくると、「このままで終わりたくない」と思う人が必ず出てくる。

人は安定を好むと同時に、変化がないと退屈なのだ。

それで、現状のままが良いと思いながらも、やっぱり変化も欲しいという相反する気持ちを行ったり来たりしながら、結局、コーチにまでたどり着く人がいる。

そしてコーチの仕事は、クライアントのゴール達成のためにマインドの上手な使い方を教えることだから、必然的に現状の外側に連れ出してしまうのである。なぜならコーチングでは、ゴールは現状の外側に設定するので、マインドを上手に使って向かう先は現状の外側だからだ。

クライアントがコーチに出会った時に「出来れば現状のままで、お願いします!」と言ってもダメで、かかる時間は人それぞれだが、結局のところ現状の外側へと連れ出してしまう。

現状とは、「いま」という時間の状態ではなく、「現在の状況が続けば十分に起こり得ると予想される未来」をも含んでいる。また、現状とは、自分が日々の生活で従っている規範やルール、物事の優先順位などが変わらない世界である。同じ業界の中での転職に限らず、ある企業から別の企業へ正社員として転職するのも、多くの場合、現状の中に含まれるだろう。

だから、クライアントが現状の外側のゴールを達成した時には、当然、クライアント自身が大きく変革を遂げていることになる。

そして、ゴール達成したクライアントは、自分自身に起こった変化を振り返って、大きな満足感を持つ。「まさか、こんな事を達成できると思わなかった」と。さらに、なぜ以前はチャレンジするのを躊躇していたのか、その理由も思い出せなくなっているだろう。

それくらい私たちは現状にいて、知らず知らずのうちに色々なモノに縛られている。その縛りがない状態で思考することなど出来なくなっている。

自分で何とか現状を抜け出そうとしても、難しいのは当たり前だろう。

だから、プロフェッショナル・コーチというサポーターが必要なのだ。


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