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小さな「やりたい」からゴール設定を考える


「心からやりたい」を探すのも難しい


苫米地式コーチングではお馴染みの「現状の外側のゴール設定」。

ゴールは現状の外側に設定するという他に、心から達成したいと思うものという条件があります。

私のコーチングセッションでは、クライアントさんはゴール設定が重要だと既に知っている場合が多いので、まだゴール設定出来ていないクライアントさんは懸命にゴールを探そうとします。

そこで、「現状の外側はどこ?」と考え出すと難しくなるので、とりあえず「心から達成したい」「心からやってみたい」ものを探してもらうように促すのですが、それも非常に難しいと感じる方がいます。

「心から達成したいものって、何?」「自分のやりたい事って、何?」と思考が止まってしまうのです。

でも、それも仕方のないことかも知れません。

あなたを縛るたくさんの決まり事

なぜなら、私たちは小さい頃から「あれはダメ、これもダメ」「それはお金がかかり過ぎる」「危険だからダメ」と言われ続け、大人になると今度は勤め先に独特のルールがたくさんあって、それに従って働かないと叱責を受けたり、自分の評価が下がったりすることが思考や行動を制限しているので、自由にやりたいことを口に出すことが出来なくなっているからです。

さらに、社会全体で見てもやりたいことが自由に出来ずに不満が溜まっている人が多いせいか、たとえ趣味であっても、それがマイナーなものであれば、「なぜ、そんな趣味をやってるの?」「変わっているね」などと周囲の人から冷やかに見られたりします。

こんな風に年齢がいくつになっても、自分がただやりたいと思う事をやることに対して、なかなか周囲が肯定的に受け止めてくれないのが現実です。

特に日本は「同調圧力」が強いと言われているので、なおさら窮屈になっているように感じます。

やりたいことが自由に出来ないことの悪影響とは?

このようにやりたい事が自由に出来ないことは、あなたのマインドに悪影響を及ぼしているので、注意が必要です。

そのひとつは、あなたの自尊心(セルフエスティーム)が相当に損なわれているかもしれないという事です。

長い間、あれもこれもダメと言われて、選択肢が少なくなった中から仕方なく不本意な選択ばかりを続けていると、自分には選択の余地がないという感覚が心と体に植え付けられてしまいます。選択の余地がないと言うことは、「それ以外の選択肢を持つ能力がない」ことと同じなので、能力が低いという自己評価を自分に刷り込んでしまうのです。

自尊心が低い状態では、あなたの潜在能力を存分に発揮できるような輝かしい未来を想像することさえ難しくなってしまいます。

その「やりたい」は、あなたの本心か?

さらに、「私はやりたいことがあるから大丈夫!」という人も注意が必要です。なぜかというと、その「やりたい」事は「やりたいと思わされている」可能性があるからです。要するに、あなた以外の誰かに刷り込まれた「やりたい」かも知れないのです。

そんなはずはない!

と反論がありそうですが、もちろんあなたの「やりたい」の全部がそうだと言っている訳ではありません。きっとあなた自身から出た「やりたい」もあるでしょう。

でも、子どもの頃、もしくは会社に入りたての頃、親や周囲の大人、会社の上司や先輩から言われた事を、最初は違和感を感じていても、やがてそういうものだと無批判に受け入れた事柄がたくさんあるのではないでしょうか?そんな中で、素直に感じた「やりたい」を表現し、実際に実行に移して行くのは難しかったのではないですか?

子どもの頃のことは、簡単に想像できるでしょう。そもそも子どもだったあなたはこの世界がどういう所なのかを理解しつつある段階だったわけですし、正しいかどうかの判断基準も親や周囲の大人から教えてもらっている最中でした。だから、親や周りの大人の言うことを受け入れるのはある意味自然なことです。そんな中で、「やりたい」と思ったことをきちんとやれて来たでしょうか?

もちろん、自分でやり始めてみて、興味を持って、どんどんのめり込んで行くものもあったでしょう。でも、それとて、自分がいる環境を子ども自身が選択できることは少なく、体験できる事は、親を含めてどういう大人が周囲にいるかでほぼ決まってしまいます。だから、あなたのやりたいことは自由に選択した結果というより、身近にいた大人が提供したものや、大人がやっていたものを真似ただけかも知れません。もっと他にも可能性があったはずなのです。

例えば、小さい頃から父親に教えてもらいながら野球をずっと続けて来て、プロ野球選手になった人が何人もいるでしょう。確かにプロの選手になれたことは凄いことなのですが、本当に本人がやりたいことだったのかというと疑問が出て来ます。本人は他の選択肢を見せられていない、もしくは見せられていても野球の方が面白くて楽しいと刷り込まれて来ているので、たとえ他の分野でもっと実力を発揮できて、本人も楽しいと思えるものがあったとしても気付いていないだけという可能性は十分にあり得ます。

もう一つの例として先に挙げた、大人になって会社で働き始めた時はどうでしょうか?まず学生の時とは違う社会人としての習慣や、その会社独特の規則やルールなどにたくさん出会います。最初は違和感があるものの、一年、二年と時間が経ってくると、だいたい無批判に受け入れていってしまいます。多少おかしいと思いながらも、「そういうものだ」と周囲の人も受け入れているので、自分も疑問さえ持たなくなっていきます。その決まり事に馴染めなければ、自分の評価にも悪影響が出て、金銭の面でも不利益を被る可能性があるのだからなおさらです。

今はそういう職場は減ったと思いますが、たとえば自分の仕事が終わっていても上司より先に退社してはいけないとか、自部署の飲み会は必ず出席しなければいけない(但し、残業扱いにならない)とか、社内の清掃は外部に委託しているのに、新入社員はなぜか朝一番に出社して自部署の全部の机を雑巾掛けしないといけないとか、意味不明な理由で続いている決まり事がどの会社にもあるものです。

そういう自分は納得できないけれど拒否できない状況に置かれ続けていると、先ほどの「自分には選択の余地がない」という状態に陥ってしまいます。特に、仕事をしている時間が長く自分が自由に使える時間の少ない日本人は、思うままに自由に心と体を使えていないと強く感じているのではないでしょうか?

こんな風に、子どもの頃も、大人になってからもさまざまな枠を嵌められて、他人に決められた範囲・領域で思考する、または活動する事に慣れすぎてしまっていては、いざ「あなたのやりたいことは、何?」と聞かれても答えに窮したり、周りの人と同じような答えしか返せなかったとしても何ら不思議ではありません。

特に「人生を賭けて、やってみたいことは?」と聞かれても、仕事の事を答えれば良いのか、それ以外の可能性があるのかと迷いますし、少し絞って「仕事として、成し遂げたいことは?」と聞かれても、それはもう今働いている会社の中でできることや、その業界の中でできそうなこと、頑張って考えても、自分が具体的に知っている範囲の仕事しか思い浮かばないものです。なぜなら、社会人になって以来、周囲の人から刷り込まれた情報だけを元に探している場合が多いからです。

かといって、自分が今いる世界の外側に目を向けてやりたい事を探そうにも、そこはスコトマ(盲点)に隠れてよく見えないので、結局、なかなかやりたい事を見つけるのは難しいのです。

本当のゴールを見つける

なんとかこの閉塞した状況を抜け出したいと思いませんか?

そのためには、まず「やってみたい」という素直な感覚を取り戻すことです。日常の身近な事柄から始めてみるのがいいでしょう。それから、その「やりたい」が他人から刷り込まれたものではないかを確認してみましょう。

そして、それをやろうと思い浮かべた時に、様々なできない理由や他人からのネガティブな意見が出て来たら、その理由や意見が正当なものなのか、誰かが誰かにとって都合の良い事を言っているだけではなのかをきちんと検証してみる事です。子どもの頃と違って、あなたはすでに大量の知識があり、新しい情報にもアクセスする能力があるので、その気になりさえすればチェックする方法はいくらでもあるはずです。

そうやって、小さな「やりたい」を一つひとつ吟味していけば、必ず心からやりたい、心から達成したいことに出会えます。そして、そこを起点に、あとは「現状の外側」を目指し続ければ、やがて凄いゴールがきっと見つかるはずです。



お知らせ

パーソナルコーチングプログラムの説明会を開催します。

今回は説明会と言っても、60分のうちの40分は苫米地式コーチングで扱う「マインドの使い方」の一番コアな部分についてお話しする予定です。普段のコーチングセッション時には「マインドの使い方」の一部をかいつまんで解説する程度ですが、この説明会ではパワポを用いて、ざっくり全体像が分かるようにお話ししたいと思っています。

もしかしたら、この「マインドの使い方」を知ることが、あなたが変わるきっかけになるかも知れません。

とは言え、私の話を聞くだけでそれほど大きなインパクトがあるとは言い切れないのも事実です。そこで今回は、説明会に参加して頂いた方に限り、超特別価格(説明会参加費とは別)でお盆休み時期にトライアルコーチングを受けていただける企画を用意しました。トライアルの詳細は、説明会の中でご紹介いたします。もちろん、説明会のみへの参加でも結構です。

今はまだコーチングを受ける予定はないという方でも、苫米地式コーチングに興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。

それでは、説明会の概要です。

タイトル: パーソナルコーチングプログラム説明会 2024年8月

内容: 苫米地式のコーチング理論のエッセンスを説明後、パーソナルコーチングプログラムを紹介

開催日: 2024年8月8日(木)19時30分〜20時30分(60分)

実施方法: オンライン(Zoom)

参加費: ¥3,300-(説明会のみ。トライアルへの参加費は別途必要。)

募集人数: 最大10名

申込締切: 8月6日(火)23時〆切

詳細は、下記URLまでアクセスしてください。

https://benelog.co.jp/ldg-pcp-aug24

それではみなさんにお会いできるのを楽しみにしております。

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