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「現状の外側」はどんな所?

今年も残り少なくなって来ました。私はこの12月から1月にかけて、出席を予定している忘年会と新年会がいくつかあります。

会社員の時のように、同じ部署で働く仲間や取引先との会というよりは、ゆるく繋がった人たちとの関係を深めるための会です。


ユニークな苫米地式コーチング

そういう会ではあらためて私の仕事について説明することになるわけですが、時々苫米地式コーチングとはどういうコーチングなのかを説明するのが難しいと感じます。なぜなら、私が認定コーチとして提供している苫米地式コーチングは、他のコーチングメソッドとかなり相違があるからです。

もちろん「コーチング」ですから、どちらもクライアントのゴール達成をサポートするものです。ところが、その「ゴール達成」の「ゴール」について説明する段になると、これが意外に難しいのです。

苫米地式コーチングの「ゴール設定」とは?

世間一般でコーチングが語られる中での「ゴール」という言葉は、「目の前にある課題を解決する上での目標」という意味で捉えられているようです。

一方で、苫米地式コーチングではゴールは「現状の外側」に設定すると言います。そして、「現状の外」とはどういう事なのかがとても重要な意味を持ちます。

「現状」というのは、法律上のことで考えると、「いまの法律がそのままであれば続く世界」のことです。だから「現状の外側」というのは、「法律を変えた時に初めて出現する世界」のことです。

ちょっと分かりにくいので個人のレベルに置き換えて考えると、「現状」というのは「今の自分が大きく変化することがなくても生きていける世界」のことです。そして「現状の外側」というのは、「自分が大きく変わった時に初めて行くことが出来る世界」という意味です。

すると、そもそも「自分」とは何なのかという問いが生まれて来て、これがまた人によっては難題なのですが、ここでは説明は省きます。

ゴールは秩序を壊すもの!?

ゴール設定に話を戻せば、苫米地式でゴールというのは「自分の内部の秩序を壊し、新たな秩序を作るためのもの」とも言います。 

目の前に課題があって、それに対処するためにゴールを設定しようとしているのに、そのゴール自体が自分の内部の秩序を壊してしまうというのです。

「???」

となるのが普通です。

でもよく考えてみてください。一度自分の内部を壊してしまうということは、根本的に自分が変わるという意味です。自分が大きく変われば現状の外側に出られるというのなら理解できそうです。

2年後に店長に昇進は「ゴール」?

ここから具体的な例を出して、「現状の外側のゴール設定」についてさらに一緒に考えてみましょう。

あなたが衣料の製造・販売を手がける企業に勤める若手社員だったとします。そして、衣料品販売で十分な実績をあげ、商品知識や販売ノウハウなども一通り身につけて、2年後に中堅都市に展開する店舗の店長に昇進するという目標を掲げたとします。

これはゴールになるでしょうか?

私ならもう一歩も二歩も先に進めたところにゴールを設定してみましょうと言うでしょう。もちろん一人ひとりの状態は違うので、これが現状の外のゴールになることもあるかも知れませんが、今勤めている企業の中で店長に昇進するということなら、先に昇進した人から話を聞けば、いま足らないスキルや知識はすぐに把握できるし、店長になる方法も分かるのではないかと思います。今のあなたのままで自分を大きく変えなくても、真摯に仕事に向き合いさえすれば、昇進できるのではないでしょうか?

独立して事業を始めるのは「ゴール」?

さらに別の例で考えてみましょう。

チェーン展開している中学生向け学習塾の講師をしているあなたが、3年後に独立して独自の学習塾を始めるという目標を立てた時、それはゴールになるでしょうか?

これは本人にとっては十分に「現状の外側」のゴールと感じられるでしょう。でもコーチから見ると、1年ほど経って独立のための具体案が出て来た時点でゴールを再設定する必要が出て来るのだから、どうせならもっと先のゴールを今から探すようにとクライアントを促すことになると思います。言葉に出して伝えるかどうかは別問題ですが、「独立した後は、何を目指す?」と問いかけていると思います。

抽象度を上げた「現状の外側のゴール」とは?

そしてその結果、これも例えばですが「日本中の中学生が、自分一人で学習をどんどん先に進めることができる子も、そうでない子も等しくみんな、学ぶことが心から楽しいと思っている」というゴールを見つけたとします。たぶんこれくらいで現状の外側のゴールになるのだと思います。

かなり抽象的な表現ですが、中学生の誰もが等しく学ぶことが楽しいと思うというのは、かなり実現のハードルは高いのではないでしょうか?中学生といっても性格や性質も色々だし、本人の置かれた環境もそれぞれ違います。

そうした本人と本人を取り巻く環境に無数の組み合わせがある中で、中学生の誰もが学びを楽しいと思う時の日本はどんな国になっているのでしょうか?

今の私にはちょっと想像がつきません。でも想像がつかないくらいだから、現状の外側と言えるのです。

「ゴール設定」と両輪になるもの

でも、そんな突飛で現実離れしたゴールを設定したら、全く自分事として捉えられないという人が出て来るのではないでしょうか?

そう、その通りなのです。そしてゴールを達成した世界をリアルに感じることができないと、行動を開始することができません。

だからゴール設定と両輪で、アファメーションやビジュアライゼーションといった手法を使って、未来のゴールを達成した時の自分とコンフォートゾーンを映像化してそこに臨場感を感じる工夫をするのです。

あなたの「現状の外側」には何がある?

ここまで「ゴール」について説明して来ましたが、あなたの「現状の外側」には、どんな世界が広がっているでしょうか?2023年も残り少なくなって来ましたが、ぜひ、ご自身の「現状の外側」について考えてみてください。

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