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未経験の僕が仕事を辞めて学習塾を開校する話その28―入塾時面談の話

チラシ配った。
ウェブつくった。
電話かかってきた。

ようやく無料面談,無料相談,無料体験までこぎ着けました。
最初のひとり目が来て下さったときの僕の喜びは本当に大きく,筆舌に尽くしがたいものでした。

僕の場合,最初のお客さんは双子の少年でした。

一気に2人の入塾がかかる入塾面談です。



ちなみに最初の無料相談とか無料体験は,基本個別に行っています。集団で日程決めてやる方が楽でいいんでしょうけれど,うちはそんなたくさん集まらないし,お客さんの都合にあわせるほうがドタキャンとかされずらいし,主体性を持ってもらえるので個別相談のが好きです。

何より,個別の方が,こっちも手間かける分,本気になれるから好きです。


個別相談まで来てもらって,入塾してもらえなかったケースは,僕の場合10%ぐらいです。

そのほとんどは僕の方から,お断りというか再考をお願いしたケースです。再考をお願いしたのは「本人がNOと言っている場合」だけです。

僕が最初の面談で必ずするのは,本人との1on1です。60分ぐらいお父さんお母さんには席を外してもらって,好きなことを話してもらいます。その際に,「成績をあげたいのか」「勉強したいのか」「塾に通いたいのか」についてしっかりとお話を聴きます。

もしもこれらに対してネガティブな言葉が出てくるようなら,もう一度お父さんお母さんとしっかりと話をしておいでと言います。

本人の強い意志がなくては,入塾後に問題が生じるからです。

成績を上げるのは,誰のチカラでもなく,本人のチカラが求められます。向上したいという意欲がなければ僕たちの指導なんて鼻クソのようなものです。
よく「引っ張っていく」とか「力強く牽引する」とか「指導」とか,30年ぐらい前のリーダーシップ論を掲げた先生方をお見かけします。しかし,断言しますが「教える者」と「教えられる者」という関係性では主体性は育ちません。

知らない知識やわからないことを教えることは必要ですが,主従という縦の関係性は不要です。

先生が教えてくれなければ,次にどうしていいのかわからないようなオトナにはなって欲しくないと心の底から思います。

なぜかというと,そういう大学生を僕は本当にたくさんみてきたからです。僕が働いていた大学は,いわゆる難関大学ですから,学力が高い子ばかりです。高い子しかいません。国立大学の入学試験のシステムでは基礎学力がない受験生は基本的にくぐり抜けられないシステムです。

僕が学歴フィルタの効果にものすごく懐疑的なのは,私立大学にはこの仕組みが必ずしも備わっているとは言えないからなのですが(言い換えれば国立大学出身なら学歴フィルタには相応の合理性があるということになります),推薦入試とても単なる優等生や,レア経験者というだけでは合格できません。

にもかかわらず(という言い方が良いのか悪いのかわかりませんが),自立している学生,主体性を持っている学生の少ないこと少ないこと。



なので,僕は必ず本人の強い意志を確認します。


最初に来てくれた双子の兄弟も,ちょっと人見知りさんでしたが,元気一杯に本気ぷりを見せてくれました。

その場で,やりたい!と力強く言ってくれて,お父さんお母さんもぜひお願いしますということでしたので,よろこんでお引き受けできたのです。

最初の生徒が,ふたり一度に生まれた瞬間でした。


入塾時の面談で重視するのは,繰り返しになりますが本人の意欲です。お客さん欲しさにここで妥協すると,後できっと良くないことになると思っています。信念を曲げてしまえば,その後もきっと簡単に大切なことをねじ曲げるようになってしまうと思うので,自分のお店を持ったからにはこういうところは大事にしていきたいと思っています。


面談のコツは,なるべく相手に話をさせてあげることです。

塾に期待すること。
どんなことを目的として塾に通おうと思うのか。
自分はどうなりたいのか。

そういうことをしっかり聴いてあげて下さい。

そのとき,アドバイスは不要です。
いっしょにがんばろう!という気持ちを伝えてあげられれば十分だと思います。

よく面談が苦手とか,失敗するんだよねーという話をうかがうのですが,そういう場合はたいてい「自分が話したいことだけ話している」のです。自塾や自分のアピールポイントを説明したい気持ちは重々承知していますが,大事なのは自分が話したいことではなくて,生徒や保護者の方が,話したいこと,求めていることを先にしっかりと聴くことです。

そのうえで,その不安ごとや心配ごとにマッチするような応えをすればOKです。

入塾時の面談は営業トークではなく,しっかりと心に寄り添う傾聴を心がけましょう。



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