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未経験の僕が仕事を辞めて学習塾を開校する話その20―個別指導と集団指導の話①―

個別指導と集団指導の話


個別指導塾と集団指導塾,どっちがいいか?
と言われれば,2022年末の今,僕は圧倒的に個別指導だと思っています。

これはしかし生徒目線ではなくて,塾長目線です。

生徒さんたちからみれば,一長一短。
各々が必要とする学習塾を探すのが良いと思います。


生徒の目線

個別指導と集団指導では,講師の介入度合いがまったく異なります。
集団指導塾は形式上,ひとりひとりの生徒に対するフォローが難しいという学校の授業が持つジレンマを解消しきることができません。

したがって生徒間の理解度の差が生まれ,それを丁寧に解消していくことができませんので,ある程度,そういったことに目をつぶって進行していくことになります。

つまり,授業についていけない生徒や,授業がある一定層のために進行していることに耐えられない生徒にとっては,苦痛だけで得るものは少ないかもしれません。

一方で授業を聞いてしっかりと理解できるレベルにあれば,必要な学習時間は自立学習で確保することができますから,集団指導で十分な成果があがりそうです。

学校の授業と塾の授業,同じ単元の授業を2度聞くことができて,そのレベルの違う授業を咀嚼できる生徒にとっては,授業料が安くなりやすいという恩恵を十分に授かることができるでしょう。


個別指導なら本人が困っているところにピンポイントで介入できます。本人も気が付いていない根っこの原因にさえ突っ込んで指導ができるかもしれません。

これはしかし至極当たり前のことです。

個別指導というのは,必ずしもマンツーマン指導を指す言葉ではなく,生徒それぞれにあわせた指導をしますということでしょうから,内容は生徒の持つ問題にあわせて行われるものです。

したがって,理解度の高くない生徒たちにとっては,学校の授業を聞くだけでは腹落ちしないところをしっかりと復習できる,あるいはわかるまで教えてもらえるという点で最適な指導法と言えると思います。

一方で,授業料は高くなります。
学習塾の固定費用でいちばん大きいのは人件費です。先生がフォローする生徒の数が少なくなればなるほど費用はたくさんかかります。

データでみれば,その効果はマンツーマンが最も高くなりますが,先生対生徒が1対1と1対2では,それほど差がないので,マンツーマン学習が最適ということでもなく,個人的には1対2がいちばんいいかなと思っています。

1対2でも1対1でも,問題を解いている時間や採点をしている時間を考えると,先生が生徒に指導している正味の時間はそんなに変わらないからですね。


ただし僕は個別指導を長く続けて欲しいとは思いません。
個別指導は依存に繋がるからです。
わからない問題は教えてもらわないとわからない,のであればこれは一生誰かに教えてもらわなくてはいけなくなってしまいます。

わからないことは,自分で調べて(少なくとも中学校の勉強であれば教科書を読めば十分に理解できる内容です),それでもわからなければ誰かに協力を仰ぐ,というプロセスを学ぶことが本当に必要な学習なのです。

したがって,学習塾の形式としては個別指導が最適といえる学力の生徒たちだとしても目的地は自立学習として持っていて欲しいと思います。

ひとはいつか独りで学ぶタイミングが必ず来ます。
いつも誰かが教えてくれることとは限りません。自分自身で解決しなくてはならない問題はこの先,山のように出てくるでしょう。


まとめ

生徒目線での結論をおおざっぱに言えば,学校の授業を過不足無く聞くことができれば集団指導の学習塾でもOK,そうでなければ個別指導が良いだろうということが言えます。


次回,塾長の目線へつづく



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