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私の優秀な部下に共通する一枚の紙だけで「説得の3原則」を行い、あのジャパネットのロジックになっている仕組みと流れを考察する

「説得の三原則」をご存じだろうか?スピーチやプレゼンだけでなく、様々な情報発信、メールマガジンを使ったセールス、営業、社内でのコミュニケーション、上司への企画提案など、さまざまな場面で使える説得術です。

仕組みは簡単なんだけど、自分の文章を理解してもらうのに、私は7回ほど読んで修正して、なるべくわかりやすくしてきたつもりなので、1回読んで簡単にすうっと入ると思います。(わからない時は繰り返し読むことは実践してくださいね)

人を説得し、行動変容を促すには、ロゴス(理解)、パトス(共感)、エトス(信頼感)がバランス良く踏襲されていることが欠かせない。政治家や企業などは、情報を発信する際に正確さを最優先するあまり、ロゴス(理解)に終始して安心してしまいがち。反対に、芸能人などの謝罪会見は、土下座したり泣いたりするなどパトス(共感)に陥りがちになります。しかし、ロゴス(理解)だけでもパトス(共感)だけでも、人を説得することが出来ない。

ロゴス(理解)は、「説得の三原則」の中では一番弱い要素。単に「1+1=2」という正論を淡々と語る事だけ。うまい表現、熱のこもった話し方、比喩表現といったパトス(共感)や、自己犠牲の精神、責任感、決意といったエトス(信頼感)を使ったほうがメッセージは強く伝わる。

【日々のささいな言動と対応の積み重ねこそがエトス(信頼感)であり、エトス(信頼感)があってこそロゴス(理解)、パトス(共感)の効果が高まり、大きな力となって人々を動かせるのです。】

●わかりやすく伝える「理解=ロゴス」
●心に響いて伝わる「共感=パトス」
●信じて動いてもらう「信頼感=エトス」


「伝える」と「伝わる」は1文字しか違わないが
一致する「伝え方」は「見せて」伝えるである。

たとえば「道案内」をする時、地図があるとないとでは、伝えやすさはまったく違う。
どんな時でもこの「見せる」動作を伝え方の基本にしていこう。いいですか?

さすがだと思うのが、トヨタでは企画書や議事録などあらゆる書類を「紙1枚」にまとめる文化がある。
私もプレゼンの場合、紙芝居方式が大半であった時代に紙一枚方式を導入して、数々のプレゼンに成功している。

付け加えると実際トヨタで働く人たちは、プレゼンや社内のやりとりには「紙1枚」の資料を事前に準備して臨んでいる。1枚で「見てわかる」資料を用意することで、ムダがなく効率的なコミュニケーションを実現しているのである。

「紙1枚」はどのようにできているか?
トヨタで作成される資料には次の2つの特徴がある。
①「枠=フレーム」に記入。
②  テーマは「What」「Why」「How」(2W1H)  のいずれかに絞って、各フレーム上部にテーマを記入
これだけである。

テーマは2W1Hの「いずれかの疑問を解消するもの」を設定する。こうして先に枠組みを決めてから、中身を埋めていく。(このパーツをラフスケッチと私は呼んでいる)

「紙1枚のラフスケッチ」は、伝える前の思考整理にも使える。(私はマインドマップと箇条書きと紙一枚のラフスケッチを併用している)思考整理は「情報を整理する」「自分なりに考えをまとめる」の2つのプロセスでできていると思ってくれたらいい。前者が材料集めで、後者は調理の段階となる。

◯「1枚」フレームワークの手順

① 枠(フレーム)を作成して「テーマ」を記入する
タテ線とヨコ線を2本ずつ引き、4x4の枠をつくる。左上の第1フレームに日付と「テーマ」を記入。

② 枠内にテーマに関するキーワードを入れていく
「テーマ」に関する言葉を思いつくまま、2から3分程度で書き出す。

③ キーワードをつないでまとめる
書き出したキーワードを組み合わせて流れを考える伝えたい順番に丸をつけて、矢印でつないでいく。

以上が、伝える前に行う「紙1枚」の思考整理法。
5分程度で実施可能。スキマ時間に実践してみよう。

◯わかりやすく伝える「理解=ロゴス」

ここからは、伝える前にやるべきことを「3つのアプローチ」に分けて紹介。この3つのアプローチとは

①相手の「思考・理解(ロゴス)」→アタマ
 思考に働きかけて頭で理解してもらうもの

②「感情・共感(パトス)」→ココロ
 相手の感情や心に響かせること

③「意志・信頼感(エトス)」→ハラ、カラダ
 伝えた内容を腹落ちさせて行動に移してもらう事

につながるよう伝えることである。
このように、伝える前に「わかってもらえばいいのか?」「心にも届けたいのか?」「伝えた後に動いてほしいのか?」を検討する必要があり、それによってアプローチも変わってくるのである。

①「ロゴス=思考・理解」のアプローチから始める

ここでは、いかにして相手に「わかった」となってもらうかを考える。
人が「わかった」となる時は、「既知との照合」ができた時。つまり、相手が既に知っていることにアクセスしながらメッセージを伝えれば、伝わりやすくなるのである。たとえば、「これからの生成AI」を知らない人にその説明 をするにはどうしたらいいか。この場合も、先に出てきた「4x4」の「紙1枚」が役に立つ。左上の1フレーム目に「生成AIとは?」とテーマを書いて、他の枠内には相手の「既知」とつなげられそうな言葉を書き出して、まとめていく

「比べて見せる」アプローチも効果的である。
たとえば「副業解禁」など、賛否両論あるテーマを理論立てて説明するには限界がある。
もしあなたが「賛成」の意見を言葉を尽くして伝えようとしても、必ずどこかにツッコミを入れられるだろう。ここでも活用できるのが、「4x4」の「紙1枚」である。今回のような両極の意見があるテーマは、まず紙に双方の理由を書き出して見比べる必要がある。左上には「副業解禁に賛成」とテーマを書き、その2つ隣のマスには「反対」と入れ、左半分には賛成理由、右半分には反対理由を書き入れる。
書き終えて自分なりの考えがまとまったら、このシートをそのまま相手に見せて説明に活用。両論を併記して見せて伝えることで、説明をしなくても「これなら賛成でよさそうだ」と理解してくれる。

②心に響いて伝わる「共感=パトス」

相手の心に響くよう伝えるには、「Whyを語ること」が大切だ。もしここに「会話機能のついたお掃除ロボット」があるとする。このロボットについて聞かれた時、説明機能(What)や取扱説明(How)をしただけでは、相手は「わかりました」となっても、購入することはない。
私たちは何かを買う時、理屈より感情に左右される。もしお掃除ロボットを買ってもらいたいなら、相手の心を刺激する背景説明(Why)が必須である。

「パトス(共感)」アプローチは、機械的に無感情でやるものではない。心の底から大切だと思っていることを真摯に話さなければ、「ロゴス(理解)」アプローチ以上の効果にはならない。ここでのキーワードは「スキルよりもスキ(好き)」。内側からあふれる想いを伝えることが大切。その方法のひとつが、「物語」を紡ぎ出すこと。ビジネスの世界では「ストーリーテリング」「ナラティブ」というジャンルもある。いずれも物語という意味であるが、私たちが感情を揺さぶられるのは、そこに「ビフォーアフター(Before After)」があるからだ。
その「ビフォーアフター」に加え、どうやって成し遂げたかの「How」の3点を散りばめることで、相手の心に作用する伝え方ができるようになる。

このアプローチにも「紙1枚」が活躍する。まず、「4x4」の左上に「テーマ」を入れ、その隣に「ビフォー」「アフター」「How」と順に記入する。そして「ビフォー」以下、それぞれの列の下にそれぞれのエピソードを書き入れていく。
テーマが「この本を書いた理由」だとすれば、「ビフォー」は「コミュニケーションが苦手」、「アフター」は「数百人レベルの講演も平気」、「How」は「トヨタで学んだ伝える前の『紙1枚』習慣」となる。
物語とは「満たされない」が「満たされる」までの話だ。「紙1枚」で、心に響く伝え方を身につけよう

③動いてもらう「信頼感=エトス」

「エトス(信頼感)」は習慣レベルに落とし込んでようやく効いてくるような、息の長いものである。歯磨きと同じように、習慣化してコツコツ取り組んでほしい。「エトス」の「信頼感」とは、「好感」や「自信」を見出してもらうことで醸成される。「あの人は自信に満ち溢れていてすごい」「とにかく好印象なんですよね」と相手が感じていたら、その時点で信頼感を得られていることになる。
相手に好感を持ってもらうには、相手の好きなことやものを把握して、それを一緒に推していくといい。
「紙1枚」の左半分に自分の推し、右半分に伝えたい相手の推しを書き、重なるところがあれば赤ペンでつなぐ。あとは共通点に関する話題を出しながら、日頃からコミュニケーションをとればOKだ。

「エトス(信頼感)」的に伝わるためには、「相手が、あなたの言動から自信を感じ取ってくれること」が重要になる。いくら自分に自信があっても、相手目線でそう感じられなかったら意味がない。
では、どうしたら相手はあなたから「自信」を見出してくれるか?その答えは、「あなたが『断言』する姿」である。

いかがでしたか?説得の三原則を使って人にプレゼンする時には必ず思考の整理をそれぞれのパーツで行っておく事が成功の近道というシナリオです。思考の整理は私は3つ利用していますが、自分に合ったものが必ず見つかるはずです。面倒ではなく、簡単にいつもやれるものは意外と紙のラフスケッチだったりしますので今回のテーマでノウハウを自分のものにしてください。

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