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子どもから、学ぶ。地域と、つながる③白梅学園大学・短大 子ども学研究所から

「子ども学研究所」の多岐にわたる活動を、随時深掘りしてご紹介します。今回は「子ども学とは何ですか?」――。という問いを、子ども学研究所の福丸由佳所長に投げかけてみました。今後、先生方や、学生さんの書いた記事もお届けし、地域に根ざした「子ども学研究所」の魅力を、「面」でお伝えします。

子ども独自の世界から学ぶ

子ども学は、子どもを取りまくテーマや課題について、さまざまな角度からアプローチします。たとえば、保育者や教師の実践について検討したり、保育学・教育学、文学、歴史学、心理学、福祉学、生理学、脳科学…といった分野から子どもが育つ環境を検討したりと、幅広い学問です。

子ども時代を経て大人になった私達ですが、つい、子どものためという思いから、子どもの気持ちを理解していなかったり、子どもにも独自の視点や世界があることを忘れたりすることもあるのではないでしょうか。私達にこうした大切なことを改めて意識させてくれるのも、子ども学の特徴の一つでしょう。

昨年から、子どもへの体罰は許されないことが法定化されました。「しつけのためなら子どもを叩いてもいい」という大人の考えは、子どもの視点に立てば不適切であることを子どもの人権という観点からも示している一つの例です。

ただ、そのためにも閉塞感が広がる中で子育てに悩む親へのケアや、親子関係を支える仕組みづくりも欠かせません。この両輪への視点が大切であり、こうしたテーマも子ども学につながっています。

子ども学研究所には、白梅学園大学・短大すべての専任教員約50人が所属しています。それぞれの専門性をいかし、子どもや子どもをとりまくテーマについて研究や実践に取り組んでいます。子どもの姿、子どもの視点や子どもからの声、また子どもとの世代を超えた関係など、「子どもから学ぶ」姿勢を大切にしながら、地域での実践や発信につなげていきます。(福丸由佳所長より)

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白梅学園大学・短大 子ども学研究所とは

大学・短期大学の「子ども学研究所」では、子どもたちをめぐる様々な課題解決に向けた調査・研究や、地域での実践活動を通じて、社会への研究成果の発信や支援を行っています。

地域交流活動としては、公開講座の実施や地域・市民の生涯学習の場を提供しています。また、大学附属幼稚園に併設した施設では「遊び」と「学び」をコラボレーションしたワークショップなどを、定期的に行っています。

子ども学研究所など、白梅で行っている地域活動をいくつかご紹介いたします。

白梅子育て広場 
学生が中心となって、教員、地域のNPOと協力して企画・運営に携わり、地域の世代間交流や子育て支援に取り組む「白梅子育て広場」を開催しています。子どもだけでなく、子どもの保護者、地域の高齢者、障がい者――。幅広い対象者に向けた催しが行われています。

小平市西地区ネットワークづくり
東日本大震災を契機に、近隣地域の「お互いの顔が見える地域づくり」を目的として、小平市の西側を4つに分け、地域ネットワークづくりを行っています。地域の方とともに、コミュニティカフェや子育てサロンを運営しています。

・小平市障がい児療育支援等委託事業
発達障がい児の療育の促進と、発達障害について理解を深める活動を目的として、小平市より委託を受けて事業を行っています。「造形・演劇を通して子どもの発達を促すワークショップ」や、講座などを実施しています。

発達・教育相談室
保護者の方、保育園・幼稚園・小学校の先生方を対象に、発達心理、臨床心理を専門とする本学教員が相談を受けています。

そのほか、地域の課題解決に向けた様々な活動を行っていますので、先ほどの活動も含めて定期的にご紹介していく予定です。

白梅学園大学、白梅学園短期大学は、
2019年2月に小平市と「包括連携協定」
2020年2月に国立市と「幼児教育推進のための連携に関する協定」を締結しています。

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【書き手】武田和彦。子ども学研究所の事務職員として、大学の先生が行う研究や地域活動のサポートをしています。また、大学図書館でも勤務していました。日々、専門書だけでなく、絵本に触れる機会も多いです。